投稿 青森県民の会のメッセージ読んで
K J
現青森県知事・宮下宗一郎に対する批判が強く、青森県の現状について〝自虐的〟と感じたのは青森在住経験がある私だからだろうか。
このメッセージを執筆した(と思われる)古村一雄さんは2005年2月14日に青森県浪岡町の町長に当選、翌3月31日まで町長を務めた。浪岡町では04年12月、青森市との合併をめぐり住民投票が行われ町長が解職され、出直し選挙で古村さんが現職を破り当選。すでに法的に決まっていた4月1日の青森市との合併まで町長を務めた。その後07年から青森県議会議員を三期にわたって務めた。
昨年6月、青森県では前職の引退で新人4候補による知事選が行われた。5番目の人口のむつ市長だった宮下宗一郎(当時44歳)は得票率68%で当選、人口トップの青森市長(同47歳)は2位で得票率28%だった。投票率は約57%で、過去2番目に低かった前回より約17ポイント高まった。選挙結果の分析には〝改革派候補〟とみられたという説もある。
核燃サイクル反対を続けるためにはこの宮下宗一郎を知る必要があると古村さんはこのメッセージを書いたのではないか。原子力政策への考えについてはメッセージから知ってもらい、政治信条については次の市長時代の議会答弁を読んでもらいたい。議事録にある「浅利議員」は海上自衛隊出身の長老議員である。
〇市長(宮下宗一郎) ―略―私自身は日本に生まれたことを誇りに思っておりますし、日本国民であることを誇りに思っています。神武天皇以来、2682年ですか、天皇家の歴史がこのことに核心的な価値をもたらしているというふうにも考えています。これに連なる日本の文化や伝統は、世代を超えて何よりも優先して継承されていくべきものであると信じています。それが私自身の思想信条です。
政策の観点でいっても、国家安全保障という場面においては、よく憲法第9条がこの国を守っているというふうに妄想されている方々もいらっしゃるようですが、そうは思っていません。戦後この国を守ってきたのは、浅利議員も所属していた自衛隊、それから日米同盟だというふうに思っています。この点、憲法は、前文及び第9条は直ちに改正すべきだと常に感じているところであります。(むつ市議会議事録/2022年12月9日から)
関係閣僚と青森県知事らで構成する「核燃料サイクル協議会」がある。青森県知事の要請によって開催されるのが慣例となっており、宮下の就任後の昨年8月29日、第13回協議会が開かれた。ちょうど1年後の今年8月29日、六ケ所再処理工場などの竣工延期が公式に発表された。事業者は「協議会から1年経たずに発表するのはまずい」と考えたのかもしれない。再処理工場、MOX燃料工場の竣工目標を、それぞれ「2026年度中」、「2027年度中」に延期するというこれまでに例のない長期のものだ。これも実現性のない「知事の任期内」に収めたのかもしれない。安全性より宮下知事へのそんたくが優先されているとしか考えられない。
(9月27日)
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