3・11福島原発事故を忘れないさようなら原発3・8全国集会
相つぐ再稼働につのる怒り
【東京】3月8日午後1時から、代々木公園B地区で「3・11福島原発事故を忘れない さようなら原発3・8全国集会」が「さようなら原発」一千万人署名市民の会の主催で開かれ、労働組合や市民団体など3000人が集まった。この日はあいにくの雪がチラつく非常に寒い天候ではあったが、脱原発に逆らう政府によって原発の再稼働が続けられていることに対する怒りの集会になった。
新宿駅で反原発を訴えているTABI Blue(タビーブルー)による迫力あるオープニングライブが行われた後、佐高信さん(作家・呼びかけ人)は「石橋湛山議員連盟で話をした。石橋湛山は岸信介と一番考えが違う人だ。戦後まもなく靖国神社は廃止したほうがよいと言った人だ。世襲・裏カネ・統一教会と一番遠かったのは石橋湛山だった。自民党をヤクザとすれば、維新はハングレだ。自民党の維新化の話をした。ヤクザとハングレの握手で予算案が通る、さらには自民党に限りなく接近する国民民主党がある。彼らはインテリヤクザだ。こうした形で政治が進行している。私たちは反原発の旗を掲げて、政治をヤクザとハングレの手から取り戻すと宣言する」と主催者あいさつをした。
福島原発事故がもたらした様々な問題点
次に福島課題を瓶子高裕さん(福島県平和フォーラム)が発言した。
「東日本大震災、福島原発事故からの生業や精神的苦痛はいまだに続いている。避難者の数は2万6千人とされている。帰還補償は徐々に打ち切られている。原発事故はけっして収束していない。事故を風化させてはならない」。
「政府の新しい基本計画では再生可能エネルギーの割合を2040年度に4割から5割程度に引き上げると同時に、原発を最大限活用する政策へ拝跪している。原発事故の反省から可能な限り原発依存度を軽減するとの表現も削減されている。地震大国で原発は危険以外の何物でもない」。
「再確認し再稼働を進める国の政策の誤りによって、再び人々が犠牲を強いられることはないようにすべきだ。廃炉作業の困難をたくさん抱えている。第一原発のトラブルは昨年だけでも三件あり、コントロールされていない。第二原発の廃炉の決定はしたが、廃炉までの道筋は今になっても決まっていない。廃炉にかかる期間は非常に長く、早急に安心・安全に実行可能な計画の策定が求められている」。
「一昨年より、10回にわたり、合計約7万8千トンのアルプス処理水の海洋放出をしている。海洋放出は今後も長い期間続くため、何が起こるか分からない。3月15日、福島で原発のない福島を県民大集会が開催される。原発のない社会を作ろう」。
東電刑事裁判で最高裁が上告棄却判決
次に大河原さきさん(原発事故被害者団体連絡会)が訴えた。
「3月5日、最高裁第二小法廷は東電刑事裁判で、旧役員2名に対する上告を棄却し、一審二審の無罪判決を維持する決定を下した。私たちの気持ちを逆なでする残酷なものだった。原発事故によって亡くなった人たち、人生を大きく狂わされた人たち、日本最大の公害の責任は誰にもないのか。こんな判決は間違っている。レベル7の事故を起こした加害者は裁かれて罪を償わなければならない」。
「避難指示外の住民は原発事故から自力で避難せざるをえなかった。経済的に困窮し、心身を病み、避難住宅から退去できない人もいる。福島県は裁判に訴えて強制的な追い出しを図っている。福島地裁と仙台高裁は福島県が強制付き判決を求めたのに対し、これを認めたため、退去を強制執行された避難者が13人もいる。避難者を守らず、裸にして寒空の下に放りだすような判決を下した。福島県ばかりではなく、東京都や目黒区、大阪市なども同じように避難者の追い出し裁判を行っている。断じて許されない」。
「司法は原発再稼働政策を後押ししているとしか考えられない。4月26日、アルプス処理汚染水差し止め訴訟原告団と支援する会が汚染水の海洋投棄を止めるため日比谷コンベンションホールで集会とデモを行う。6月16日には最高裁に抗議する行動を行う。参加を」。
続いて、新宿御苑への放射能汚染度土持ち込みに反対する運動が紹介された。プラカードアピールがあり、再処理問題で荒木茂信さん(青森県農業者政治連盟組織協議会)が「再処理の工場を作っているが竣工には至っていない。技術的には大丈夫だと言っていたが三十数年経っても建物だけが立った。技術が確立していないからだ」と批判した。
若者たちが気候変動と反原発を取り組み
足立心愛さんと二宮リム虹さん(Fridays For Future Tokyo)が環境問題について発言した。
「気候変動対策を求める若者のムーブメント。気候災害が増えてしまう。農作物が採れなくなってしまう。そんな情報を目にしてとても怖くなった。それ以来気候変動のことを考えている。原発推進に反対だ。共通していることがある。原発の事故が発生すれば、故郷を失うことになりかねない。気候変動でも同じだ。激甚化すれば家が壊れ、避難せざるをえない。将来世代に対して大きな負担になる。政治の世界に存在する可笑しさをたくさん感じてきた。政治的影響力によって、科学に基づかない政策が行われている。可笑しさを変えるには声を上げるしかない」。
直接請求を求める署名15万余筆
池田千賀子さん(柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民で決める会)が発言。
「2018年の県知事選に立候補した。勝てなかったが最大の成果は、知事に原発の再稼働については県民の信を問う、このことを約束させた。いったいどういう方法でいつ行うのか、問うてきた。いまで知事ははっきりしたことを述べていない。原発再稼働は日に日にその圧力を増す中で、県民の意思を反映させる県民投票を行うための直接請求の署名活動を行い、15万128筆集めた。必要な有権者数の4倍だ。この署名に対して、県議会で審査・裁決を行うのは4月8日から3日間の臨時会だ。この裁決まで議会に全国から圧力をかけてほしい」。
閉会のあいさつを鎌田慧さん(ルポライター・呼びかけ人)が行った。
「原発をまだやろうとしている。かぎりなく早く原発をやめるというあの事故の後の誓いを破って、今も少しでも多くやる。岸田からずっと続いている政策だ。これは絶対に認められない。民主主義の根幹にかかわる問題だ。例えば青森県の六ケ所村には再処理工場が完成していない。三十数年経っても完成しない。そして事故が起きている。核燃サイクルで43兆円かかると指摘されている。これほどめちゃくちゃな政治をやっても止めれていない。力を出してがんばっていきたい」。
この後、渋谷・原宿コースに分かれてパレードが行われた。原発をなくせ (M)


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