社会運動におけるわれわれの方向性と任務(4)
第四インターナショナル第18回世界大会決議
2001年の第1回フォーラムのあと、フォーラムを組織したブラジルの組織は「原則憲章」を作成した。二つのことがコメントに値する。まず政党(テキストではほとんど常に政府与党と一緒にされている)に対する態度である。たとえば、「政党代表も軍事組織もフォーラムに参加してはならない。本憲章の義務を受け入れる政府指導者や国会議員は、個人的な立場で参加するよう招待されることがある」。
さらに、政党はフォーラムの一環としてワークショップを開催することも、会場にブースを構えることもできなかった。しかし、この声明はまた、国家と対決し解体する必要性よりも並行権力の考えを強調する、運動内の自律主義的な考えの成長を反映している。「もうひとつの世界は可能である」というスローガンは、この議論や他の議論に対して異なるアプローチをとる潮流によって支持される可能性があったし、実際に支持された。
二番目の声明は、フォーラムそれ自体が宣言や声明それ自体を発表することを禁止したが、同時に、宣言や声明を発表することができ、実際に発表した社会運動総会のための空間を作り出したのである。第四インターナショナルは、反グローバリゼーション運動、反戦運動、そしてWSFそのものだけでなく、社会フォーラムのプロセスに関与していた他の運動にも大きな資源を投入した。特にわれわれの同志たちは、2005年から2015年にかけて重要な宣言を発表した社会運動総会の招集に大きな役割を果たした。それはフォーラムそれ自体とはやや距離があったが、それでも少なからぬ影響をもたらした。
われわれは、このような形で運動が相対的に萎縮したのは、どの程度まで国際政治情勢の変化(ピンクタイド[ラテンアメリカにおける左派政権を実現させた政治運動]の退潮、新たな極右勢力の台頭、反戦運動の衰退など)の結果であったのか、どの程度まで運動の指導部や支配的な政治潮流の戦略的誤りの結果であったのかを評価する必要がある。
6.結論
この文書は、社会主義を目指す闘いにおける社会運動の重要性についてのわれわれの従来の集団的討論を生かしたものである。つまり、搾取され抑圧されている人々の層を動員し、政治化する上での戦略的重要性と、彼らがわれわれ自身の綱領を豊富化する綱領的要素と要求を発展させることである。これは、数十年にわたるわれわれの政治潮流にとって大きな強みであり、これをより体系的に成文化することは重要な任務である。大会そのものだけでなく、われわれの理論と実践に影響を与える最も包括的な成果を生み出すためには、より広範な議論が必要である。
この活動から導き出された理論的・実践的な結論について、補足的な貢献を受け取ることが重要になるだろう。われわれはすでに、発展させるべき多くのテーマを示すことができる。
*貧しい小農民、農業労働者、農民の運動を、プロレタリアートと農民との間の戦略的関係に関する初期マルクス主義者の仮定に挑戦させること。
*先住民共同体の戦略的役割と、女性運動や環境運動など他の社会運動に対する彼らの不可欠な貢献。
*他の運動が後退し、焦点や組織形態を大きく変える必要があった時期に、反債務運動が国際的な到達点を拡大するという特別な成功を収めた理由。
*反動的社会運動の役割、おそらく特にアジアと北アフリカの反動的社会運動の役割。
*女性運動とLGBTIQ運動における現在の力関係、およびわれわれが直面している新たな理論的課題。
われわれはまた、抑圧に関する二つの特別な問題―レイシズムと人種差別化、および障害について―われわれの集団的討論が十分に展開されていないことに留意する。
前者はとりわけ複雑である。というのは、自己組織化の歴史がグローバル・サウスのさまざまな地域においてだけでなく、グローバル・ノースの内部においてでも大きく異なるからである(というのは、同じ人々に関係するものではないからである)。さまざまな歴史的・現在的要因がある。その中には植民地関係の性格、植民地化以前の入植者である先住民の存在、奴隷所有経済の結果であるアフリカ系住民、移民運動のさまざまな形態と原因などが含まれている。そのすべてが、レイシズムがどのように経験され、反レイシストの闘争や運動がどのような形で展開されるかを形作っている。同時に、ブラック急進主義やブラック・マルクス主義が提起する課題へのわれわれの対応は不十分である。最後に、われわれは、たとえばブラジルでは重要な意味を持つ先住民と黒人の自己組織化の間の交差を集団のものにできていない。繰り返しになるが、これらの問題についての貢献が重要であろう。
障害に関する問題については、障害者運動内部出身の障害者や個人の活動家、学識経験者によるマルクス主義の視点からの理論化が多く見られる。しかし、障害者運動と他の社会運動との交差は少ない。交差を持つ障害者組織、とりわけ障害者女性運動はあるのだが。障害者の組織化、障害者としての参加、あるいは左翼全体からの障害者運動との連帯における歴史的弱さにもかかわらず、われわれは障害の社会モデル[訳注:障害は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるとする考え方]の一貫した支持者であることは重要である。障害の社会モデルは、障害者に対する抑圧の原因は障害そのものではないと主張する。
むしろ、障害は資本主義社会のニーズによる障害者の社会的排除なのである。われわれはまた、すべての社会運動と左翼が、障害者の左翼への参加を確保するために、障害者にとって可能な限り利用しやすい方法で組織されるよう闘わなければならない。これは、障害者とその組織の要求と、彼らが選択した戦術と要求の両方に連帯することを意味する。この分野では、われわれの組織のいくつかが活動をおこなっており、考え方を発展させている。そして、われわれはこの理論と実践に関する貢献を歓迎する。
社会運動は危機と激変の中で必然的に生まれ、再構築される。したがって、とりくむべき多くの新たな問題が出てくる。
特に、2023年10月7日以降に起こったパレスチナ人民との重要な連帯運動と、それに対するイスラエルが大量虐殺で反応していることを無視すれば、怠慢の誹りを免れないだろう。われわれは、この運動の強みについていくつかの評価をおこなってきた。その中には、それが国際的に拡大していること、指導部が青年と女性で占められていること、パレスチナ人民と連帯したユダヤ人がますます参加してきているという強み、この連帯運動と他の社会運動が積極的な関係を持っていることなどが含まれる。同時に、この運動の短所についても評価してきた。とりわけアラブ世界においては相対的に力が不足していること、そして明らかに全体としてはパレスチナ人全体にとってぞっとするような力関係になっていること。これらの評価は、その後の展開に応じてさらに発展させ、更新していく必要がある。
この文書で展開した社会運動に対する理解と方向性は、国内・国際レベルでの第四インターナショナルとしての政治活動を特徴づけるものである。
補足1 フェミニスト女性運動
2021年、第四インターナショナルは「女性運動の新たな台頭」という決議を採択した。これは現在の文書より若干前のものであるが、運動の現状を補完するものとして依然として有用である。
補足2 LGBTIQA+の組織化
この補足は、LGBTIQA+の闘争や運動の状況を全体として描いたものではなく、われわれの集団的だが部分的な経験に基づき、今日の運動と左翼が直面している重要な要因のいくつかを明らかにするものである。
1.われわれは、支配階級の態度というレベルでは、LGBTIQA+政治をめぐって、ある程度までは他の社会問題についてと同様に、矛盾した地点にいる。一方では、同性愛嫌悪、女性嫌悪、とりわけトランス嫌悪の政治が、主要な極右運動の中心的な動員要因となっている。トランプとその周辺にいる人々はその中でも最も目立つ存在だが、アフリカやラテンアメリカにおける福音主義キリスト教潮流の役割や、メローニ首相のもとでのイタリアにおける同性カップルの親権や養子縁組の権利に対する攻撃を軽視すべきではない。
他方では、他の国家は「人権」という枠組みの中でLGBTIQA+の権利を擁護すると主張する一方で、①LGBTIQA+の家族は(異性愛者の家族のように)社会的再生産を提供する上で国家サービスに取って代わることができる、②ピンクマーケット[LGBTIQA+などの性的マイノリティの人々の購買力や消費意欲を指す]は資本が利益を上げるのに有用な場所である、という考えに焦点を当てている。何十年も前から存在するこの傾向は、移民問題ほどグロテスクではないにせよ、極右のアジェンダに適応しつつある。同時に、それはシスジェンダーのゲイ男性[性自認と生まれ持った性別が一致している男性で、男性のみを好きになる人]に最も向けられ、彼らに好意的なアジェンダでもある。
2.LGBTIQA+運動には国際的な組織やイベントがほとんどないため、政治的な勢力バランスを評価することが難しい。これは、運動内の急進的なグループに焦点を当てていた世界社会フォーラムやそれに関連する地域フォーラムが、もはや同じようには機能していないという事実によってさらに悪化している。とはいえ、われわれが注目できる全体的な傾向はいくつかある。
(つづく)

