沖本裕司さんの遺志を受け継いで
コラム「架橋」
1月21日に、沖縄在住の沖本裕司さんが亡くなった。昨年12月に入り、新年号アピールをお願いしたが、病状が思わしくなく、書けないとのことだった。その前書きに、赤入れをしてもらおうとし連絡したら、入院しノートパソコンを持ち込んだが、キーボードが打てないというので口頭での助言を書き写して文章を仕上げた。それが沖本さんとの最後の会話になった。
沖本さんは「週刊かけはし」に『沖縄報告』を2015年から、2025年9月1日号まで書き続けてくれた。 それをまとめた本を「『沖縄報告』―辺野古・高江10年間の記録」として、一昨年12月に柘植書房新社から発行した。
沖本さんは辺野古などのゲートの現場やカヌーでの海上阻止行動に共に立ち続けてこの記録を書き、闘いを全国に広げるために活動してきた。
2016年台湾の平和キャンプに参加して「韓国、台湾、沖縄のほか、フィリピン、ドイツ、カナダなどから50人以上の参加。韓国の活動家層は若いが、台湾はそれ以上だ。民主化闘争の歴史的蓄積と反核、反政府運動の中で、伸び伸びとして活気あふれた若者たちが平和キャンプのスタッフの中心を担った。アジア諸国の連帯の動きは今後も進んでいくだろう」。
香港の民主化闘争(2019年)、55万人のデモに参加して、「無国界社運」の集まりで、沖縄報告を行ったこと、沖縄と香港が中央政府の強権により自治と民主主義が踏みにじられている状況が同じだとの共感を述べた。
日本のアジア・中国侵略戦争という負の遺産がどうだったのかを南京大虐殺の地元の人たちと交流を行っている。「県内市町村の中国での戦争体験記を読む 日本軍による戦争の赤裸々な描写」で、聞き語りを紹介してきた。「沖縄報告」が単なる現場闘争報告にならずに、歴史的な重みを持っている。
沖本さんは沖縄が直面する戦略的課題(2021年)を、「2019年の県民投票を経て広く主張されるようになった『沖縄の自己決定権』は、幅広い概念であるが、政治的自立のための重要な萌芽である。中央政府を改革し沖縄独自の力を強化しながら、基地をなくしていくという方針なのである」。
沖縄における厳しい攻防が続く中、沖本さんの意志を継いでいきたい。 (滝)

