Pride parade 2026に参加して

「別個に進み同時に撃て」と掲げる状況が来ている

多様性と平等がひらく未来

ストーンウォールの反乱を引き継いで

 去る6月6日と6月7日、東京都の代々木公園にてPride parade2026が開催された。1969年、「性的マイノリティ(LGBTQIA+)」と現代社会でも抑圧されている人々が権力の迫害に立ち上がったストーンウォールの反乱があった6月28日のある6月は「プライド月間」として認識が浸透してきている。迫害が抵抗をもたらし国際連帯の日として統一行動となった経緯は、労働者国際連帯の日であるメーデーと背景が重なる。
 イベントとして開催された今回の企画は華やかさと共に当然ながら真剣さを帯びていた。緩やかな政治集会の性質も持つ。華やかさは日頃の苛烈かつ陰険な抑圧を振り払おうとする政治的な意思表明でもある。
 会場は、体験型イベントが多く、アンケートや対話のスペースが多く、記念の写真撮影の機会など参加者の心を和らげるブースもあった。参加した主体は企業や大使館など資本や権力の影響を逃れきれない団体も数多くあったが、内容としては労働に関して考えるブースが多い。労働相談や職場の労働環境を考えるブースが多かった。参加する人々と資本の綱引きは荒立たないかたちではあるが常に行われており、開催毎に労働者側の希求する内容へと変化してきている。
 また、医療福祉に関する問題提起にも力が入っており、「こんな検診に行ってみたい」「医療現場で困ったこと」など身体的な性別を重視するあまりジェンダーが重視されず時に否定されてきた業界からの参加も増えてきている。患者や労働者の切実な悩みの表面化が、ようやくなされてきた状況でもある。「私たちも分からないことがあるので教えてほしいです」「失った信頼を再び築きたいです」とのご意見も聴かれ、参加した私の方こそ考え直す必要があると強く感じた。
 またベビーカーや車椅子での参加者も多く、差別と迫害から逃れられるスペースであると参加者の中で共有されている印象もある。

学び検証する姿勢が重要だ

 「性的マイノリティ」の人々の権利はストーンウォールの闘争から60年近く経つ現在でも進展しておらず、被抑圧者である当該の人々の意思を尊重することが合意されているはずの社会運動の中でも物議を醸す段階から脱していないのが現状である。
 その中には「科学」を論拠にジェンダーを「性別二元論」の下位の付属物とみなし、家父長制と資本制生産用式特有の差別の構造とみなさず、人類の宿痾とみなす見解は現在も根強く存在する。しかし「科学」も「真理」も不完全な人間という存在が解釈した現在の概念に過ぎない。「科学」を解釈する自らの観点を絶対的な観点とみなす考え方は「神の視点」を人類が持ち得ているという錯覚でもあり、内部で「無謬の党」を奉じて外部に絶対性を振りかざしたスターリン主義の思考様式に通ずるものがあるだろう。
 社会運動には「絶対的な真理」の押し付けから「当事者から学ぶ」姿勢へ変化する潮流もあり、被差別の人々が中心を成すボトムアップの運動から学ぶべきことは多いはずである。
 誤解と偏見は筆者の私の中にもある。「お前はただの現在に過ぎない」、そう述べたトロツキーの信念を思い起こし、「人間による人間の搾取の廃止」である階級と搾取の撤廃された未来に想いを馳せられた。常に学び検証する姿勢を心がけていきたいと私自身も自戒をこめていきたい。
 アイデンティティーポリティクスとみなされていたイシューに関わる人々も労働環境や医療福祉など従来の社会運動に接近し、階級闘争に関するイシューにも積極的に問題提起と活動を展開している。背景の異なる潮流であれど互いを尊重し「別個に進み同時に撃て」と再び掲げることの出来る状況がつくられてきている。Prideparade は広範な闘いを拡げていく一つの陣地となっている。
 世界各地で展開されている闘争の一角を担う機会に参加し議論が出来たこの機会を大切にしていきたい。
     (T.Suzuki)

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