呆れるばかりの「皇族数確保策」論議
いまこそ天皇制廃止の声を!
沖縄・安保・天皇制を問う4・28─29連続行動実行委員会
6月5日、衆参両院正副議長が皇族数確保策に関する取りまとめ案について合意した。内容は、政府が2024年に提示した①「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する」、②「旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える」の2案だ。①の「配偶者とその子には皇族の身分を付与しない」という当初の条件については言及せず先送り。②については養子の年齢は15歳以上とし、留意すべき4点なるものが挙げられた。そして10日の全体会議で、慎重・反対意見を留保したまま、これが「立法府の総意」案となった。立法府による議論をすっ飛ばし、反対意見を無視・留保する「立法府の総意」とは、呆れるばかりの話だ。
私たちはそもそも天皇制廃止を求めている。だから、どのような皇室典範の変更も廃止につながるものでない限り受け入れることはないし、提言したり修正を求める立場にはない。しかし、政府案とそれをめぐるこのかんの論議は看過できるものではなく、声明を出すこととした。以下、要点のみを出しておきたい。
1 婚姻後皇室に残った女性皇族の配偶者・子への皇族身分付与の可否に関する論議は、女性差別と身分差別が同時に噴出している事態として受け止めるべきである。こういった差別的本質をさらけ出している天皇制を前に議論すべきことは、天皇制維持に関する是非である。
2 養子案については、憲法14条「門地による差別」がすでに指摘されてきたが、それへの反駁として内閣法制局は、養子の対象は「皇統に属する一般国民」であるので14条抵触に該当しないとした。これこそが門地を根拠とした血による差別の論理であり、このようなものが法的な場でまかり通り、「皇統に属する一般国民」という新たな身分を作り出すことは許されない。
小泉政権下でまとめられた「皇位継承に関する有識者会議」報告では、養子案は明確に否定された。また、戦後憲法は天皇制を制限する方向を示した。しかしこの「立法府の総意」では「飛地」が拡大し憲法やこれまでの議論の流れに逆行する。法制局は、「元皇族」の皇籍取得は「憲法の要請するところ」との見解まで示したが、憲法のどこをどう読めばそのようになるのか。このような呆れた議論を許す議会と言論状況に異議申し立てる。
3 世論調査では女性・女系天皇に賛成した80%前後の民意が、ここでは完全に無視され続けている。森衆院議長は「(養子となった男子に)男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる」発言を陳謝したものの、これこそが養子案に固執する理由であることは誰の目にも明らかである。
私たちは、女性差別を被い隠し、差別制度・天皇制を維持させる女性・女系天皇容認には反対し続けている。しかし、民意をまったく無視し、男系主義・ミソジニーに凝り固まった政府の理不尽で非民主的な議論の進め方は間違っていると考える。
天皇制はアジア・太平洋諸国への侵略戦争・植民地支配の歴史と切り離すことはできない。天皇は当時の最高責任者であり大元帥であった。天皇制はその責任をとらないまま戦後81
年後のいまに至っている。この歴史の清算という課題を考えるだけでも、天皇制は廃止されるべきである。また、身分・性・民族によるさまざまな差別制度を温存させる、世襲でつなぐ国家的権威などいらない。こういったシステムの社会的悪しき影響を認識するべきだ。
天皇制を維持することだけが目的の議論。男系男子を伝統・文化とする家父長主義者たちの議論。天皇制の是非についての議論は皆無。これこそが天皇制である。
こんな天皇制をまだ続けるのか? いまこそ、天皇制廃止の声を!
2026年6月20日
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