ミャンマーNUGとの対話

「女性・青年・子ども」担当大臣を迎えて
「クーデター後のミャンマー女性の状況とNUGのビジョン」

 6月3日午後5時から、国民統一政府(NUG)との対話:「女性・青年・子ども」担当大臣を迎えて、テーマは「クーデター後のミャンマー女性の状況とNUGのビジョン」。難民ナウが主催し、ZOOMで行われた。

NUG政府支持
全政党国会決議


 NUGの「女性・青年・子ども」スザンナ・フラ・フラ・ソー担当大臣と「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」の中川正春会長(衆院議員、立憲民主)と同連盟徳永エリ副会長(参院議員、立憲民主)が参加した。
 5月26日、NUGと日本の国会議員が直接会話し共同声明を発表するという歴史的な会合が開かれた。そのことを踏まえて、中川さんが「共同声明をもとに、クーデターを認めない。民主主義を取り戻す闘いを支持する。そしてNUG政権を支持していく。そうした国会決議を全政党が賛同して6月8日に出すことになった」と報告した。

クーデター前は
女性の活動高揚


 スザンナ大臣がまずクーデター前の女性たちについて報告した。
 「昨年11月、カレン州から民族議員として選出されたがクーデターで議員活動ができなくなった。総選挙で194人の女性議員が選出された。全議員の57%が女性議員。今までの女性の比率を大幅に上回った。社会を良くしていこうということで心強かった。女性の生活、権利、男女平等など行うNPO、NGOなどたくさん活動していた。女性のこれからは明るいものと認識し、自由を味わっていた」。
 徳永さんが自らの活動報告を行った。
 「私の選挙区の札幌市で、ミャンマー留学生や研修生40人が街頭で支援を訴えた。通行人から、『何か手助けしたい、寄付をしたい』という声をたくさんもらった。8年前、カチン州に石橋通宏議員と一緒に一個人としてバックパッカーしながら行った。ODAが国民に役に立っているのかを知りたかった。難民キャンプに薬などを届けた。そこで難民となった人々の苦悩を見た」。
 「今回のクーデターは残念だ。選挙で選ばれた国会が運営できるようにしたい。ミャンマーの女性議員の多さに驚いている。日本は衆議院で9・9%、参議院で2割だ。女性議員を増やすための制度があったのか、それとも国民の関心が高いのか? クーデター後の状況を教えてほしい」。
 
理不尽な弾圧
民衆への無策


 スザンナ大臣。「なぜ、女性議員が多いのか。①女性は一つのことをきちんとやってくれる②女性はたいへん努力してものごとにあたると、選挙民の期待があり信頼が大きいからだ」。
 「クーデター後のことについて。不服従運動に参加した公務員など17万人が首になった。医療従事者は10万人が首を切られた。夜間外出すると捕まる。警察や軍の施設に連れて行かれ、最悪の場合暴行やレイプを受ける。デモの中、女性を見つけると発砲する。頭を撃ち抜かれて殺された女性もいる」。
 「議員は拘束の対象だ。私もネピドーの家に百人の警官が来たが命からがら逃げた。テントを使いながら7日間逃げた。女性議員二人が拘束された」。
 
――コロナ感染が広がっていますか。

 クーデター前は東南アジアの中で、ミャンマーは抑制されていた。しかし、クーデター後はCDMのせいで、医療関係者が首になり、検査もできない、ワクチンも足りない状態で、コロナ感染は危機的状況だ。

――日本に何を期待するか。

 軍に焼かれて国内避難民が出ている。医療・食料など人道的支援が緊急に必要だ。捕まっている人を早く釈放するように国際社会の圧力が必要。CDMで首になった人たちが生活できるように援助したい。海外に住むミャンマーからの送金が大きな力になっている。各国政府にも要請したい。

 徳永議員が「どんな支援ができるか、それを見極めて、ひとりのミャンマー市民でも救いたい」とまとめの発言をした。今回のようなミャンマーの統一国民政府との直接の対話は相互理解を深め、国軍の圧政を止めるうえで重要な活動だ。
(M)
 

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