宮城全労協アピール 自公政権を倒せ!県政の転換を!(10月25日発行)

「市民・野党共闘」を発展させよう
宮城全労協ニュース362号/2021年10月13日

 9月28日、菅首相(当時)は衆参両院の議院運営委員会に出席、「第5波」の「緊急事態宣言」解除を報告した。菅政権になって23回目のコロナ議運であったが、首相が出席に応じたのはわずかに3回、今春3月以来のことだった。しかも、その夕方の記者会見は事実上の首相辞任会見と重なり、記者たちとの質疑を含めて「コロナ対策」に集中する場とはならなかった。昨年8月28日、安倍首相が辞任を表明したときの会見と同じだ。
 この夏、「第5波」の急激で全国的な拡大によって政治不信は深まり、菅首相は窮地に追い込まれていた。首相は延命のために「奇策」に走ったものの、ほかならぬ自民党の党員や議員たちの反発に直面して自滅した。
 菅首相は28日の会見で、ワクチン接種は首相決断の大成果であると強調し、「明かりが見える」どころか「日々輝きを増している」と述べた。人々が被った犠牲、医療現場で強制された「命の選択」という危機的な対応、五輪強行の一方で繰り返された「行動自粛」。菅首相は最後まで政治責任をごまかし、そして政権への未練を漂わせながら河野大臣の支援に回った。
 自民党はトップの「顔を変える」ことによって危機脱出をはかり、岸田総裁を誕生させた。10月1日、新聞紙上には「宣言」「措置」の全面解除と新総裁選出の二つの大きな記事が並んで掲載された。政局のあわただしい転換であった。岸田は4日、100代目の総理大臣として会見、戦後最短といわれる「就任10日後の衆院解散」から総選挙の実施へと予想された日程を早めた。
 衆院選が早期開催されることで選挙事務は大きな影響を受けることになった。宮城県知事選も今秋実施に向けて「同日選挙」が当初から模索されてきたが、県と市町村選管は土壇場で難問を突き付けられることになった。「知事選の前倒しは困難」とも伝えられたが、県選管はけっきょく投開票が総選挙と同じ10月31日になる日程を決定した。決定の過程では「同日選」にこだわる知事の言動が注目され、「現職への配慮/いぶかる声」などと報道されるほどだった。
 県知事選はこうして「異例の短期決戦」となった。5選をめざす現職に対して「県政の転換」を訴える候補が立候補した。国政と県知事選の両方の舞台で長期政権に対抗する「市民・野党共闘」の闘いが始まっている。

新政権と党利党略解散・総選挙


 自民党総裁選は岸田文雄議員が決選投票の末に勝利した。人気があった河野大臣(当時)は失速したが、それでも自民党の党員・党友票では6割を獲得した。世論調査などで苦戦が伝えられていた岸田の勝利には安倍元首相らの力が大きく働いた。
 自民党は安倍政権下で当選した議員らを中心に大きく揺れ、「派閥の縛り」は従来のようには効かなかったという。昨年夏、菅首相を誕生させた露骨な派閥力学は、今回は後退したとされる。党員・党友票にも大きな位置が与えられた。そうではあるが、岸田が安倍ら「3A」と呼ばれる実力者たちの力によって多数を獲得したという点では同じである。党と内閣の人事もこのような事情に配慮してなされることとなった。

 一年前、前任者である安倍は健康を理由に辞任した。自民党は二階幹事長を筆頭として、急転直下の合従連衡によって菅政権を発足させた。その菅首相は高まる批判と不信を前にわずか一年で政権を追われた。ところが安倍らが、いまなお実力者として権勢を保持し「院政」のごとく政権党を動かそうとする。異様な事態である。安倍・菅の長期政治体制は倒れた。自民党は安倍・菅の数々の不正・腐敗・強権を詫び、「コロナ失政」を認め、政権の座を降りるべきなのだ。
 岸田は「人の声を聞く」ことが大切だと強調した。「人の声を聞く」ことは政治家にとって当然のことである。岸田の強調は、民主党政権を倒して以降の安倍、菅政権が「人の声」を無視し、「官僚への統制と支配」を含めて強引で傲慢な政治を貫いてきたことを証明するようなものだ。
 「新しい資本主義」を政策のポイントとして上げていることも、長年の「新自由主義」政策がいかに労働者民衆を犠牲にし、疲弊させてきたかを示している。
 そのような岸田首相の言動は「安倍・菅」による政治と政策を脱却するということなのだろうか。しかし、実際には岸田首相は、敗北が濃厚だった総選挙の顔として、自民党の危機を救うために選出された。そのための最初の決断が、異例の早期解散・総選挙の実行であった。何も変わらない党利党略ぶりである。岸田首相はすでに金融所得課税見直しを後退させた。「モリ・カケ」「桜を見る会」「日本学術会議」任命拒否など、積み重なる懸案についても政府対応に進展はない。
 衆議院選、それに続く参院選の結果が日本を大きく左右する。それはアジアに波及する。その最初の場である衆院選が目前に迫っている。「新自由主義」と「コロナ失政」によって苦境に直面させられてきた民衆の声が国政を動かすときだ。

「市民・野党共闘」の前進を!

 各種世論調査が発表されている。これまでの政権交代直後の支持率と比べると低いが、菅政権の夏以降の下落(30%前後)からは持ち直し、自民党支持率も回復していると評価されている。自公与党は菅政権の末期的な状況から立ち直るべく、衆議院選挙での選挙共闘を最大限に活かして勝利しようとしている。
 自公政権は4年前、「最大の危機」に追い込まれていた。安倍首相をめぐる一連の政治不信が高まった。都議選では自民党は歴史的な大敗をきっした。しかし、その年の秋、衆院選挙は自民党の大勝に終わった。小池都知事と当時の民主党の一部指導部による政治のねじ曲げが安倍自公政権打倒の闘いを分断した。小池知事らの策謀は都議選の結果を帳消しにするものだった。4年後の都議選で「都民ファースト」は大敗した。自民党は当初の見込みを下回って菅政権の危機を深めることになったが、第一党であった「都民ファースト」は大きく議席を減らした。
 自公政権を倒そうという市民と野党共同の闘いを前進させることが必要だ。9月8日、自民党総裁の交代をめぐる緊迫した局面で、立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の「立憲野党」による「4党合意」が得られた。
 共通政策は次の6点であり、それぞれに具体的な項目が書かれている。

 ①法に基づく政治の回復、
 ②科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化、
 ③格差と貧困の是正、
 ④地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行、
 ⑤ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現、
 ⑥権力私物化を許さず、公平で透明な行政の実現

 4党の党首は「上記政策を共有し、その実現に全力を尽くします」と共同で署名した。
 「合意」にあたって市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)は次のように表明した。
 「この衆議院選挙は、野党側も政党ブロックを作り、小選挙区で政府与党対野党という二者択一の構図を全面展開する初めての選挙となる。この政策合意は、国民本位の政治を実現するための第一歩である。我々が生命と生活を守るために、さらに、個人が尊重され、自由に生きられる伸びやかな社会を作るために、我々は全力を挙げてこの選挙を戦い抜きたい」(「市民連合と立憲野党の政策合意にあたっての声明」より/2021年9月8日)。
 声明には、「また、国民民主党には、野党と市民の協力に結集することを引き続き求めたい」とも記されている。
 合意を活かし、選挙区での共闘を成功させよう。その闘いの経験と総括の上に、来年の参議院選挙での一層の共同闘争を準備しよう。

同日県知事選/長期県政転換を


 村井嘉浩知事は8月20日、連続4期の任期満了を控え、県議会支持会派の会合で立候補の意向を表明した。「まだやるべきことがある」と5選目への挑戦の決意を語ったという。
 県政が長期・固定化するにつれ、その弊害が指摘されてきた。この夏、そのことが東京五輪の観客問題であらためて問われた。知事は県民との合意がないまま、しかも反対の声が仙台市長を含めて上がったにもかかわらず「有観客」開催に踏み切った。大会終了後、組織委員会も政府も感染拡大との因果関係はないとの立場を繰り返した。県知事もそうであった。五輪と感染との関係は公的に調査されていたわけではない。しかも競技場や関連施設を中心とした閉鎖された空間でのリスク管理が検討の対象であり、開催がもたらす全国的、間接的影響については無視され続けた。それこそ専門家たちが警告していたことであった。
 宮城県内では7月下旬から8月上旬に感染拡大が顕著となって以降、長期にわたって「第5波」に直面した。8月27日からは「緊急事態宣言」の対象となった。五輪開催と関係がないはずはない。知事は10月1日、県議会で感染拡大の原因を問われ、「一概に言えない」としつつ「一人一人の気の緩みが理由ではないか」と述べた。長期県政のおごりを象徴する発言だった。現実を直視すべき政治姿勢がますます歪められてしまっている。悪弊を断ち切らねばならない。
 9月28日、医師の長純一氏が記者会見して立候補を表明、「声なき声を拾い、対話を基調とした県政運営を目指したい」と述べた(河北新報)。
 立候補を要請した「市民連合@みやぎ」(市民と野党の共闘で政治を変える市民連合みやぎ)は次のように訴えた(9月27日)。
 「私たちは、村井県政4期16年を振り返り検証する中で、『このような県政をこれ以上続けさせてはならない。変えなくてはならない』『村井県政への対抗軸を立て、〔もうひとつの選択肢〕を県民に示さねばならない』という思いを強くしてきました」。
 「村井知事の県政は、一言で言えば、国の(自公政権の)新自由主義的な政策を、率先して、被災地・宮城において『惨事便乗型』で推し進めるものでした。県民の声に耳を傾ない強引な手法で、水産特区、女川原発再稼働、水道民営化等を進め、コロナ禍の中で4病院統合を進めようとしています。あまりの強引さに、宿泊税導入、県立美術館移転など、県民の反対の声が沸き起こり、『頓挫』した政策もありました」。
 「市民連合@みやぎ」はそのように指摘して、「『住民の命と暮らしを守る』『子ども達の未来を守る』という、政治において最も大切なことを真ん中に据えた県政」の必要性を強調した。
 長氏は10月12日、記者会見で公約を発表した。「科学的な裏付けに基づいた新型コロナウイルス対策を行って、県民の命を守る」「県が示している4つの病院の再編計画に反対する」など、政策の柱が報じられている。
 長氏は東日本大震災の直後、長野県から転居して石巻での医療活動を開始、2012年には市立開成仮診療所の所長として奮闘してきた。立候補会見で「地域医療を保てなければ人は住めなくなる」と述べているが、市内最大の仮設住宅での医療や生活サポートの体験を踏まえての発言だった。「福祉立県」をめざして「地域医療・保健・福祉の拡充」を進めるなどが政策に盛り込まれている。また「女川原発再稼働に反対」、再稼働の是非を問う県民投票の実施や「エネルギー政策の転換」を打ち出している。
 ともに宮城県政の転換をかちとろう!

長候補、2度目の石巻入り。復興住宅前や高齢者生協ひなたぼっこ石巻サロンでの小集会などで、村井県政からの転換を訴えた(10.18)
いのちをつなぐ宮城の会キックオフ集会。長純一さんが被災者に寄り添った地域医療や在宅医療活動、知事選への決意を語った(10.10)

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