寄稿 福岡空港奈多ヘリポートに国境  離島警備用大型ヘリ配備

Y・I

12・25監視
行動で抗議

 国境離島警備を名目にした大型へリコプター(EC225LP型)が昨年7月、福岡空港(旧米軍板付空港)の奈多地区ヘリポート(福岡市東区)に実践配備された。
 この大型ヘリはフランスのエアバス・ヘリコプター社製で最大24人の人員を輸送でき、救急医療用として6つのストレッチャーと4人の医療要員が搭乗可能である。先に陸上自衛隊、海上保安庁などに配備されていて、沖縄県警に配備されたものと同型機である。航続距離は分からないが、東京消防庁が保有している同型機は946kmである
 沖縄県警、福岡県警に設置された国境離島警備隊は、もっぱら国境離島に係る警備活動を実施するとして特別に設置されたもので、大型ヘリの運航は警察庁によって実施され、沖縄では150人、福岡では9人の警察官が配置され、その人件費や経費は警察庁が負担する。沖縄へ辺野古・高江警備に福岡県警が警察庁の指示で機動隊を派遣したように自治体警察の理念が空洞化され、自治体警察が国の防衛政策に動員されている。
 また、機体の管理は地元の西日本空輸に下請けされている。

九州での対中
軍備再編進む


 アメリカトランプ政権から始まった中国敵視政策がバイデン政権にも引き継がれ、沖縄を中心とする南西諸島が対中国軍事包囲網に組み込まれるなかで、福岡県警の国境離島警備隊も否応なくこのシフトに組み込まれようとしており、対中国軍事網の一部となっている。
 当初、騒音、墜落の危険、漁業被害等々の市民生活の安寧の問題から始まった反対運動は、日米両国の対中国軍事力強化に反対する運動の意味を持つようになっているのだ。
 現在進行中の南西諸島の軍備構築には、島にない背後地がどうしても必要である。そして、その役割を九州が担っている。長崎県佐世保市に新設された水陸機動団(日本版海兵隊)や、この機動団を輸送するための佐賀空港へのオスプレイ配備、福岡県築城基地の日米共同使用のための拡張工事等々の軍備拡張が各地で進められている。

自衛隊、北から九
州へ大移動演習


 また昨秋には、30年ぶりと言われる自衛隊の大演習も行われた。それは北海道・東北のかつてソ連を主敵とした14万人の陸上自衛隊が、九州へ移動し、九州各地の演習地での実践訓練を行った。戦車部隊が自衛隊機動部隊輸送のために改造された「ナッチャンWord」など民間フェリーに輸送され、特に大分県日出生台演習場は大きな役割を果した。

大型ヘリ配備
に抗議する!


 日出生台演習場に近い大分県玖珠(くす)戦車連隊駐屯地には水陸機動団の分隊も配備されている。
 福岡では2カ月に1回、大型ヘリ配備に反対する市民による監視・抗議行動が粘り強く続けられている。
12月25日にも監視行動が寒風をついて行われた。ゲート前では自治体警察を国境警備に動員するな!福岡県国境離島警備隊新設を許さん! 国境警備用の大型ヘリ配備を許さん! と抗議した。
 

福岡県警に配備された同型機。陸上自衛隊要人輸送ヘリコプター「スーパーピューマ」


 

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