9.4安倍の国葬をやめろ

「市民連合@みやぎ」呼びかけ
アピール行進に350人

 9月4日、緊急集会(安倍元首相の「国葬」に反対する市民アクションinみやぎ)とアピール行進が仙台で行われた。「市民連合@みやぎ」が呼びかけた。準備時間も限られた緊急行動だったが350人が集まり、集会に続いて市内繁華街へのアピール行進へ向かった。
 空気は一変し、岸田首相の思惑は外れた。事件の動機と背景が明らかになるにつれ、安倍元首相を含めた自民党の疑惑が浮上している。「国葬」反対の声が世論調査で半数を超えている。集会冒頭、司会はそのように指摘し、本日の仙台行動は全国各地及びネットなどでの反対・抗議運動とつながっていると強調した。
 集会では「若弁9条の会」や平和団体などがリレートークで主張をつないだ。立憲民主党参議院議員、日本共産党県委員会の連帯あいさつがあり、大きな拍手が寄せられた。夏の参議院宮城選挙区では自民党候補が勝利した。この日の集会は、その結果を受けての「市民・野党共闘」の再始動の場でもあった。
 アピール行進は正午を前後する時間帯で、まだ人通りも少なかったが、行進を見つめる「街頭」の雰囲気から関心の高さが伝わってきた。「反対」と呼応したり拍手したりする人々がいる一方で、「賛成」の声もあがり「私は慰霊したい」と口ずさむ人もいた。近年のデモでは見られなかった光景だった。行進は市民に見守られながら、整然と仙台駅近くの解散地点まで進んだ。

仙台市・学校
で半旗求めず
 リレートークでは「半旗掲揚」に抗議する学校現場からの発言があった。集会アピールでも取りあげられ、教育委員会が半旗の掲揚を学校に求めるなど「国葬にあたり様々な場面で市民に弔意が強要され、基本的人権が侵害されるおそれは払しょくできない」と批判した。
 仙台市は7月8日の銃撃事件当日、当面の間の半旗掲揚を内部通知した。仙台市教育委員会は仙台市の依頼に基づいて、市立学校に葬儀当日の7月11日から12日にかけて半旗の掲揚を要請した。仙台市長は「弔意のための掲揚であって政治的行為ではない」「問題はない」と述べた。学校現場では混乱が広がった。市長の姿勢は多くの市民に疑念を抱かせるものであり、抗議の声があがった。
 仙台弁護士会は9月7日、「安倍晋三元内閣総理大臣の国葬の実施に反対する会長声明」を明らかにし、そのなかで仙台市の対応に言及した。政府は「国民に喪に服することを強制するものではないと説明」しているが、「国家権力を行使する政府の主導により国全体として弔意を示すべきであるとして国葬を執り行えば、公的機関のみならず、民間の機関においても忖度する風潮が生じ、『自主的』の名の下に、事実上の弔意強制が様々な形でなされることが懸念される」。声明は、その具体例として仙台市教育委員会が「仙台市長の承認の下」に「半旗の掲揚」を求めたことをあげている。
 「半旗掲揚」は各地で問題になっていた。8月26日になって政府は、地方自治体に弔意表明の協力は求めないとの方針を明らかにし、仙台市の対応が注目された。9月4日の仙台集会ではこの点にふれ、政府は協力を求めていないが仙台市はまた学校で行うのかと詰め寄る発言もあった。
 仙台市長は9日の市議会で「市として弔意を表したい」と述べ、「国葬」に際して「(市役所など)日々掲揚する市の施設」で半旗を掲げることを明らかにした。仙台市教育長は小中学校などに掲揚の対応を求める考えはないとし、事実上、7月の葬儀に際しての対応から転換した。地元紙によれば、教育長は「(普段から国旗を掲げるのは市科学館、市天文台などで)日頃掲揚していない学校は結果として対象施設にならない」と述べたという。
 この問題で仙台市が注目されたのは、それが市独自の判断による政治的に突出した対応だったことが背景にある。市長は政治的行為ではなく誤りはないとの前言を撤回することなく、県や多くの県内自治体と同様に、政府表明の受け入れという体裁をとって方針を転換させたことになる。市長の対応に対する疑念は残ったままだ。
 9月8日、自民党茂木幹事長は「旧統一教会との接点」があったとする国会議員を発表、宮城は3人だと報告された。しかし、それだけにとどまらず、地方政界を舞台とする関係の広がりが指摘されている。自民党県会議員5人が政務活動費を使用して「日韓トンネル」現場を視察したなど、報道が相次いでいる。
 宮城県知事については、過去に関連団体に祝電を送ったことが報じられた。知事は記者からの質問に対して、関りはない、チェックのしようもない、「弔電とか祝電とか、それはある程度やむを得ないと思う」と答えた。「(国会議員など)皆さん、よかれでやったことだと思う。そんな大騒ぎするようなことじゃないと思う」とも述べている(5日、定例記者会見)。これほどの事態になっているなかで、真意が問われる会見だった。(仙台/U・J記)

仙台市の弔意表明に厳しい批判も(9.4)


 

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