私は「だまされない」
コラム「架橋」
「電話料金が支払われていません。今日で電話を止めます」、威圧的な女声のオペレーションだ。「そんなわけないだろう」と思い、指定された番号を押すと若い男が出たのだが、しどろもどろで電話の声も割れていて、何をしゃべっているのかよくわからない。「とにかくうちは銀行振り落としになっているので、よく調べてくれ」と言って受話器を置いた。
受話器を置いてすぐ、今のが「オレオレか!」と思った。後日そのことを娘に話すと「ブッブ―!30点だね。オレオレに決まってるじゃん。対応しちゃだめだ」と怒られてしまった。
それから2カ月ほどして「廃品回収ですが」と男の声。「うちはちょっと」と話すと、「ご主人様ですか」と言うので「はあっ!」と声を出すと電話が切れた。そしてその次の週にも威圧的な女声のオペレーションで「こちらは総務省です。2時間後に電話が」・・・「またこの手かよ」と思い、受話器を置いた。
「一人暮らしの老人」としての叔母のリストが流されていることは間違いない。その情報がどこから引き出されたのかはまったく分からないし、複数の詐欺集団に渡っているのかもしれない。私が越してきてから叔母には「電話に出ないように」と言ってきたし、子機も使えないようにしてある。それでも「闇バイト」による強盗傷害や殺人事件も頻発しており、やはり怖さはある。
NHKの夕刻の番組を見ていると、最近は「警察」を名のるオレオレ詐欺が多いようだ。また「自分は大丈夫だ」と思っている人ほど「だまされやすい」ということも分かる。誰にも連絡したり相談したりしないからだ。すべてが後の祭りということになる。
「闇バイト」はギャンブルなどの借金で首が回らなくなった連中の「いちかばちか」の大博打なのだろう。馬も当てられなかった者が「闇バイト」で大当たりするはずがない。黒ではなくて、自己破産の白旗を上げろ。
(星)