14回目の秋

コラム「架橋」

 いつになく「豊作」だと言う山の恵み「キノコ」を頂いた。ナメコ、ヒラタケ、ムキタケ…。早速、醤油味のキノコ汁、ムキタケの納豆和え、ナメコの大根おろし…ささやかな秋の恵みを日本酒で乾杯!
 初キノコ採りは小学時代「縦に割け色がどぎつくないのは食用」…いま思えば恐ろしい話だ! 山栗やアケビと共にキノコを持ち帰り、「山の名人」と呼ばれた近所の爺さんが開く鑑定会。「これは毒だ、喰ったら死ぬど」。色、姿、形、一つ一つが学びだった。合格は僅か数本。キノコ採りで少しずつキノコを覚え、採れる時期、食べ方を爺さんから教わった。
 福島原発事故から14回目の秋。
 《コウタケ》Cs濃度1~2万㏃/㎏、生育土は4万5千㏃/㎏、採取地の放射の線量1・04μ㏜/時。《アミタケ》Cs濃度2万2千㏃/㎏、生育土37㏃/kg、放射線量0・7μ㏜。《サクラシメジ》Cs濃度3~6・4万㏃/kg、生育土45㏃/kg。10月に報道された飯館村のキノコ定点調査が明らかにした放射能汚染の現在である。人工放射性物質は、人類と他の生き物との共有財産である水、空気、土壌を汚染し続ける。「再稼働するな!」の声を無視し強行した女川原発再稼働。即、機器不具合で停止した。被災老朽原発に潜んでいる「予測不能」な危険。沸騰地球! 待ったなしの温暖化対策。だがCOP29では、脱炭素エネの美名のもとで「原発3倍化」や、CO2の地下貯蔵等、支離滅裂な主張。旗振り役は政府・日本企業だ。いま、問われているのは「力を合わせ温暖化を克服する道か!」それとも「滅びの道を選ぶのか!」だ。「後者の道」に誘おうとする政府・財界の試みを頓挫させねば。14年前、「核発」の恐ろしさを目の当たりにした。絶対に忘れてはならないことだ。未来に豊かな自然と環境を残すための時間は少ない!《14回目の秋に》
     (朝田)

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