2.13 25けんり春闘第1波統一行動
すべての労働者に大幅賃上げを!
【東京】2月13日12時10分から、日本経団連前で25けんり春闘第1波統一行動が行われ、25けんり春闘全国実行委員会の呼びかけに応えた多くの労働組合、争議団、労働者が結集、正規、非正規、企業規模で差別のない大幅賃上げをすべての労働者に行き渡らせること、また経団連として労働者の尊厳を守る姿勢を明確にし、企業の不当な攻撃と闘っている争議の解決に向け積極的に指導することを強く要求した。
各争議事業所から経団連への抗議行動
この日の行動は、争議組合の各事業所での抗議・要請行動をつないで終日展開される東京総行動の一環でもあり、経団連前には正午前、午前の行動を終えた労働者も続々到着、一帯は時ならぬ強風をものともしないエネルギーで包まれた。
経団連の転職キャンペーンの犯罪性
12時10分、25けんり春闘全国実行委員会共同代表の西山直洋さん(おおさかユニオンネットワーク)の主催者あいさつで集会が始まった。西山さんは開口一番、闘いで勝ち取る春闘に挑もう、と直截に呼びかけ、25けんり春闘の基本姿勢を確認した上で、経団連の賃上げ論が大企業に偏ったものであることを批判、正規、非正規に差別のない大幅賃上げは闘いなしに不可能、と全体に奮起を促した。
これに応え参加労組が次々に発言。
東京交通協力会労組の代表は、都営交通では過半数が委託になっている実情を明らかにした上で、委託労働者の低処遇が深刻な労働力不足を作り出している、休みも取れない状況がありそれがますます人が来ない状況に輪をかけている、と危機的状況を説明した。そして、大幅賃上げがなければ公共交通が崩壊する、と現状の深刻さを指摘、それを許してはならない、公共交通を守るためにも何としても大幅賃上げを勝ち取ると決意を表明した。
全国一般東京なんぶの代表は、介護部門でケアワーカー連絡会が作られていることを紹介した上で、訪問介護で強行された報酬切り下げが大きな問題を引き起こしていることを訴えた。そして経団連がそれに対し生産性向上などという全く解決にならない議論に終始していることを厳しく批判、それに職場から闘いを対置すると決意を明らかにし、大阪で介護報酬切り下げを口実に職場毎の労組潰し攻撃がおきていることへの闘いを報告、支援を訴えた。
さらに、経団連が賃上げの方策として転職をキャンペーンしていることにも厳しい批判を加え、特に日本には転職が不可能な労働者として技能実習生がいることを指摘、移住労働者が自らの権利を求め声を上げる3月9日のマーチinマーチをしっかり支え、ヘイトをはね返そうと呼びかけた。
韓国オプティカルハイテック労組連帯
次いで争議団発言として、韓国オプティカルハイテック労組を支援する会(以下、支援する会)が、電話をつないで韓国の工場屋上で1年以上籠城闘争を続けている当該の労働者の声を集会に届けた。本紙でも何度か紹介した闘いだが、当該からはあらためて、日本の日東電工が火災を口実に労組との交渉も拒否して子会社の工場閉鎖・全員解雇を強行した悪辣さが明らかにされた。特に、50年も土地の貸借や税に関して優遇を受けた上での行為が、韓国では「食い逃げ」として大きな問題になっているという。支援する会の発言者は、この最後の点も含め、経団連には厳しく日東電工への指導責任を問いたいと強調した。
今大きな問題になるのが労基法骨抜きの動きだ(本誌1月1日・13日号参照)。この問題について、全労協労働法制PTの柚木康子さんが「労働基準関係法制研究会」(労基研)の実態とその最終報告(1月8日)に厳しい批判を加え、その背後にいる経団連に反省を求めると共に、このような暴挙を総力で打ち砕こうと呼びかけた。特に、労基研審議が、非正規労働者の圧倒的な部分を占める女性が、低賃金、したがって低年金という深刻な実情にあることを全く審議していないことに強い怒りを表明、この報告が労働者にとっては全く無意味であることを明確にした。
最後に、さようなら原発1000万人アクションから、日本政府による原発回帰への反撃が訴えられると共に、3月8日の全国集会への結集が呼びかけられた。
けんり春闘勝利!
次いでこれらの発言を集約する行動として、経団連への抗議・要請団が送り出された、要請は、韓国オプティカルハイテック労組の争議解決への指導、フィリピントヨタ解雇争議解決への指導、そして労基法壊しを止めることだ。ところが今年も経団連は、建物の前面を警備要員で固め、要請団が建物に入ることも要請書を受け取ることも拒絶するという姿勢に終始した。
行動参加者は押し問答が続く間、間断なくシュプレヒコールで要請団を力づけたが、最終的に、経団連のこの頑なな、異論と向き合うことのできないある意味情けない姿勢を確認した上で、あきらめることなく今後も継続して行動を重ねることを意志一致した。そして25けんり春闘へさらに闘いを加速する決意を込めて、力強く団結ガンバロウを三唱しこの場の行動を終了した。
インフレが少しも勢いを弱めず労働者民衆の生活苦は一層深まろうとしている。経団連の賃上げ容認と言われる姿勢がそれに応えるものではないことは、おずおずとした石破の最賃引き上げ姿勢に対する経団連会長の苦言がすでに明瞭に示している。それに風穴を開ける闘いが25けんり春闘の課題になる。(神谷)
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