沖縄報告 衆院選全4選挙区で勝利しよう
辺野古新基地反対!
沖縄 沖本裕司 10月7日
10.5 辺野古ゲート前県民大行動に650人
10月5日、キャンプ・シュワブゲート前で、オール沖縄会議主催による県民大行動が3カ月ぶりに行なわれ、650人が集まった。はじめに、8月の宜野湾集会でのカンパが51万3120円に上ったことが報告された。進行は福元勇司さん。全員起立して、9月末に亡くなったうるま市島ぐるみ事務局長の宮城英和さんに黙とうを捧げた。
さらに、宜野湾市長選に落選した桃原功元市議、衆院選に4区から立候補を予定している金城徹さんがあいさつに立った。金城さんは、10年前、翁長知事と共に辺野古新基地反対に立ち上がり、自民党から除名処分を受けてもひるまず、保守の立場からオール沖縄会議を共に担ってきた経過を話した。そして、「自民党県連は石破にひっくり返されるまで辺野古反対だった」と述べて、「私たちの決意を示そう。一緒に辺野古を止めていこう」と訴えた。
そのあと午前11時から集会が始まった。稲嶺進さんは「10月27日の衆院総選挙では、1区から4区まで、もう一度原点を思い起こしてすべて勝とう」と檄を飛ばした。続いて、いつも通り「ハイサイ、グスーヨー」とはじまる玉城知事のメッセージが読み上げられた。知事は9月の訪米について、「沖縄の現状を直接訴えることができたのは成果」と語った。
本部町島ぐるみ会議の原田きみ子さんは、「この間、仲間が何人も亡くなった。しかしめげていない。私は25年前、秋田から移住してきた。沖縄は宝の島だ。徹底して闘おう」と述べた。カヌーチームはそろって前に並び、まず千葉和夫さんが決意を述べたあと、鈴木公子さんが「2021年7月に提訴して以来、これまで16回の口頭弁論が行われた。診断書があるにもかかわらず、海保は〝軽微”と言い続けている。来年3月ごろの判決が予想される。最後まで支援してほしい」と訴えた。
2隻のボーリング船が深場で調査
北上田毅さん(平和市民連絡会)は、「2隻のボーリング船が深場で調査をしている。5年前にも来たことのある同じ船だ。防衛局は、ボーリングではなく地盤の状況の変化を確認するため、と言っているが、おそらくB27地点の調査だろうと思われる。結局、設計変更をせざるを得なくなる。データ隠しは許されない。防衛局はすべてのデータを公表せよ」と主張した。
国会議員は、衆院の赤嶺政賢さんが、「総選挙では、オール沖縄から立つ全員を押し上げてほしい。昨日の石破の所信表明演説で、地位協定の話は一切なかった。首相の座についたとたん、アメリカ怖い、となったのか」と述べた。屋良朝博さんは、「石破は自民党の中にあって思い切ったことを言うなアと思っていたが、やっぱり、ただのおじさん議員に過ぎなかった。安倍政権での自民党幹事長としての平成の琉球処分を忘れてはいけない。私たちをもう一度国会へ送ってほしい。全力で闘う」とアピールした。
そのあと、県議会与党議員団を代表して渡久地修さん(共産党)、女団協(県女性団体連絡協議会)の伊良波純子さんが発言した。具志堅隆松さんは、「イスラエルの駐日大使が県庁を訪れ副知事と会談した。副知事はイスラエルのガザ攻撃に関し何も言わなかった。危惧する。イスラエルの攻撃を認めることになる」と述べた。最後に、糸数慶子さんのリードでガンバロー三唱を、はじめプラカードを掲げて行なったのち、こぶしを突き上げて行なった。
オール沖縄4人全員の勝利を!
オール沖縄会議は1~4区の予定候補者をセットで押し出し、全県各地での演説会を精力的にこなしながら、全4区の勝利を訴えている。1区赤嶺政賢(共産)、2区新垣邦男(社民)、3区屋良朝博(立憲)、4区金城徹(立憲)。全4区とも激戦が予想される。県内外のネットワークをフルに稼働させ、玉城知事と共に、4人全員の当選のために全力を尽くそう!
1区・2区・3区とも楽観を許さないが、問題は4区だ。立候補予定者は、自公の西銘に対し、反自公側は、金城徹さんに加えて、元豊見城市長の山川仁さん(れいわ)が立ち分裂選挙になると言われている。オール沖縄の候補者選定会議で一本化できなかった。沖縄の県議・市町村議レベルではれいわの議員はほとんどいないが、現場の活動家レベルでは熱心な支持者も多い。また、れいわは県内の国政選挙で比較的高めの得票率を記録している。一般論でいえば、自公政権に対決する野党の共同選挙態勢をつくりあげるには、共産・社民・れいわ・立憲の4党が沖縄の全4区を一区ずつ責任をもって担当する体制が理想的だと思う。4党の協力がスムーズにいけば、翁長雄志知事の当選のあと実施された2014年の総選挙のように、4選挙区すべてで自公候補を落選させ統一候補者を当選させることは可能だろう。しかし残念ながら、今回そのような選挙闘争体制をつくりあげることができなかった。その結果4区は、オール沖縄、自公、れいわ、維新の4者が争う構図となった。
石破内閣の支持率が50%を超えたという。表紙が変わっただけ、役者が変わっただけでやることは何も変わらないにも拘らず、だ。多くの国民は自分たちが有権者であり主権者であることを忘れている。総選挙の最大のテーマは、自公を過半数割れに追い込んで自公政権を倒し、政権交代の流れをつくりだすことである。立憲民主党は、党首選の過程で明らかになったように、琉球列島の軍拡を容認したり辺野古新基地建設に反対する政治姿勢が弱いなど、不信を抱かせる要素が多い。かつての民主党政権の敗北は記憶に新しい。しかし、自公政権を退場させない限り何も始まらない。情勢の流動化の中で、沖縄の自立と非軍事化をめざし、新しい政治潮流を築き上げていく闘いが始まる。
ミサイル基地・比川新港を止め、与那国の要塞化を阻止しよう!
9月17~18日 与那国の視察調査
沖縄を再び戦場にさせない県民の会は、9月17~18日の二日間、与那国島の現状を知るための視察調査を実施し、久部良港、祖納港、樽舞湿原、ミサイル基地建設予定地などをめぐると共に、町議会議長・教育長との面談や地域住民との意見交換を行なった。参加したのは、衆参議員の赤嶺政賢・高良鉄美さん、県議会与党議員の6人、県民の会の瑞慶覧長敏・具志堅隆松両代表、山城博治事務局長、比嘉盛人福事務局長、北上田毅さんの13人。
9月28日 与那国報告集会
9月28日午後6時から、那覇市おもろまちの県立博物館講堂で、報告集会が開催された。開会あいさつは立田卓也さんが行ない、「与那国に行って欲しい。宮古・石垣の現場に足を運んでほしい」と呼びかけた。
県議会与党県議の瑞慶覧長風さんは、「玉城知事を支える与党の立場で島々の軍拡を止める。与那国の住民の意思を聞いて県議会の代表質問でも取り上げていく」と述べた。
北上田さんは、パワーポイントの報告を基に、樽舞湿原の新港計画に関して詳細に解説した。与那国島の南部に広がる樽舞湿原は、琉球列島最大の湿地帯で、「日本の重要湿地500」、環境省の「国指定鳥獣保護区」に指定されている。北上田さんは、「比川新港はミサイル基地と隣接して計画されている。湿原を破壊しての新港建設は、八重山層群と呼ばれる強固な岩盤、掘削土砂360万㎥の処分先などとてつもない難工事だ」と指摘し、情報公開請求で工事の不当性を明らかにしていくと述べた。
与那国町議の田里千代基さんは、「〝アジアと結ぶ国境の島”から〝要塞の島”へと激変する与那国」と題して報告した。
〈田里さんの報告要旨〉
台湾から約110km、日本の最西端に位置する与那国は、戦前から戦後初期まで台湾経済圏の中にあり、生活圏も一体のものだった。特に花蓮市とのつながりが強く、1982年に姉妹都市を締結した。2004年の「平成の大合併」の際、与那国は住民投票を実施、町民大会を開き、「合併せず、自立を目指す」選択をした。島ぐるみで策定したのは「与那国自立へのビジョン 自立・自治・共生~アジアと結ぶ国境の島YONAGUNI」であった。2005年には、町議会の全会一致で「自立・自治宣言」を採択した。2006年には、花蓮市と基本合意書を締結し、2007年には、花蓮市に町連絡事務所を開設するに至った。
こうした町独自の地域平和外交に対し、日本政府は2016年の陸自与那国駐屯地開設を皮切りに島に分断を持ち込み、軍事の島へと転換させていった。いま与那国は住民自治と自然環境が破壊される深刻な危機に直面している。2022年には日米統合演習が実施され、ミサイル基地建設、戦闘機・護衛艦が使用可能な空港・港湾整備が進んでいる。はじめ数十人の沿岸警備隊から始まった島の軍事化はとどまるところを知らない。自衛隊員とその家族の人口比は20%を超えており、今後も増加し続ける勢いだ。ここにはもう民主主義はない。
「台湾有事」がくり返し叫ばれる。国の力には負ける。われわれの力だけでは止めることができない。みなさんの力で止めてほしい。うるま市と同じように成功事例をつくっていこう。与那国の状況を知ってほしい、広めてほしい。
12月7日、奥武山陸上競技場 県民平和大集会
そのあと、宮古島から下地茜市議、石垣島から内原英聡市議が報告した。閉会あいさつに立った具志堅隆松さんは、石破首相に対するメッセージとして、「軍拡の沖縄利用には従わない。不服従だ。沖縄から全基地撤去を決意する時だ」と述べた。山城博治さんから、「12月7日、奥武山陸上競技場で、昨年に続き、県民平和大集会を開催する」ことが明らかにされた。

2024.10.5 辺野古県民大行動。拳を突き上げてガンバロー三唱。

2024.10.5 右から、衆参議員の、赤嶺政賢、新垣邦男、高良鉄美、屋良朝博さん

2024.10.5 辺野古県民大行動。4区予定候補の金城徹さん。

2024.10.5 辺野古県民大行動。千葉和夫さんとカヌーチーム。
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