投書 8.31関東大震災虐殺犠牲者追悼大会に参加した

SM

 8月31日・土曜日、文京区民センター3A(春日駅・後楽園駅下車)で14時から「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺101年犠牲者追悼大会」がおこなわれた。主催は、「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会実行委員会」だ。司会は、吉池俊子さん(アジア・フォーラム横浜代表)と渡邉由紀子さん(反貧困ネットワーク監事)だ。「大会」は前半が第1部(追悼式)で、後半が第2部(関東大震災虐殺の責任をただす集い)というかたちでおこなわれた。

第1部 追悼式

 はじめに黙とうがおこなわれた。「101年前関東大震災でおきたジェノサイドで虐殺された朝鮮半島犠牲者・中国人犠牲者・日本人犠牲者のために黙とうをお願いします。黙とう」。
 次に、開式のあいさつが実行委員会共同代表の田中宏さん(一橋大学名誉教授)によっておこなわれた。
 次に、ご遺族代表による献花がおこなわれた。
 次に、ご遺族のごあいさつがおこなわれた。
 韓国のご遺族は、曺光煥(チョ・グァンファン)さんだ。
 中国のご遺族のごあいさつは、周松権(ツオウ・ソンチェン)さんだ。
 メッセージは、立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員、れいわ新選組のくしぶち万里衆議院議員からいただいている。
 次は、社民党党首の福島みずほ参議院議員、立憲民主党石垣のりこ議員の秘書で元衆議院議員の初鹿明博さん、日本共産党の宮本徹衆議院議員の紹介とあいさつだ。
 社会民主党の服部良一(はっとり・りょういち)幹事長は、紹介のみだ。
 次は、曺和仙(チョウ・ファソン)さんによる「追悼の舞」だ。「鎮魂と祈りの舞、魂を昇華させる心の舞をどうぞごらんください」。「舞」の終了後、出版物の紹介がおこなわれ、休けいにはいる。

第2部 関東大震災の責任をただす集い

 開会のあいさつは、藤田高景(ふじた・たかかげ)さん(100年追悼大会実行委員会事務局長)だ。特別報告は、川口正昭さん(旧群馬の森追悼碑を守る会・共同代表)だ。
 次は、講演だ。はじめは、山田朗(やまだ・あきら)さん(明治大学教授)の「関東大震災の虐殺にいたる歴史的な構造」だ。
 スペシャルゲストは、朴徳眞(パク・トクチン)さん(市民団体「独立」常任理事)だ。
 講演の2番目は、有田芳生(ありた・よしふ)さん(ジャーナリスト)の「ヘイトクライム、レイシズムをのり越えて」だ。
 講演の3番目は、田中正敬(たなか・まさたか)さん(専修大学文学部教授・関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会事務局長)の「国家責任追及の経過と課題」だ。
 次は、金美穂(キム・ミホ)さん(サンフランシスコ「慰安婦」正義連盟)の「関東大震災ジェノサイドをアメリカで伝えることの意味」だ。参加者は450人だった。次は、大会アピールだ。閉会あいさつは林伯耀(リン・ハクヨウ)さん(旅日華僑中日交流促進会)だ。最後は、藤田高景さんだ。「勝つまでやりますよ。みなさん毎年やりますから。ぜひ来てください」。

有田芳生さんの講演

「ヘイトクライム、レイシズムをのり越えて」

 問題は101年前の朝鮮人・中国人あるいは日本人の虐殺だけではありません。川崎で常習的に差別扇動をやっている連中は、川崎だけではなくて埼玉県にまで出張をしてクルド人差別をおこなっている。  
 川崎で差別と闘っていた在日の女性に対する攻撃っていうのはとんでもないものがあった。2016年からずっーといまにいたるも、その女性だけではなくてその息子さん、あるいは働いている職場まで、差別攻撃がおこなわれている。だからその女性は、外出するときは防刃(ぼうじん)チョッキを。いつ襲われても危なくないように。このニッポンで防刃チョッキを着ている。そんな日本社会なんですよ。
 2013年には東京の新大久保、大阪の鶴橋、ヘイトスピーチがふきあれましたよ。新大久保にいくと200人300人がデモをやって、あそこでプラカードで「良い韓国人も悪い韓国人もみなごろしにせよ」、そうやって路上を歩いていた。大阪の鶴橋、在日コリアンの人たちが戦後ずーっと暮らしていた。そこにヘイトスピーチをやる連中たちはデモにいって、マイクをもって中学2年生の女性が叫んだ。
 「国に帰れ、朝鮮人よ、国に帰れ、帰らなければ南京大虐殺のように朝鮮人虐殺をしますよ」。そこで1世の人たち、おばあちゃんたちは、その声を聞きながら、じぃーとがまんをした。そのことをメディアがちゃんと取材してくれて世界中に報道した。BBCだけど日本のメディアではなかった。
 こんな日本、なんでこんなことになってしまったのか。しかもヘイトスピーチをやってる連中を日本の警察が守っている。どうなってんですか、日本は。
包括的な差別禁止法を国会で可決させなければいけない。そのためには政治を変えなければならない。

 閉会あいさつ
 林伯耀(リン・ハクヨウ)さん(旅日華僑中日交流促進会)

 80年前神戸で神戸福建行商人惨殺事件っていうのがありました。みなさんいま日本の世論は92%が反中国、中国キライじゃないですか。実は日本には80万、90万在日中国人がおります。中国人、在日中国人はいま仮想敵国人なんです。そして80年前にスパイ容疑でつかまった行商人と同じ事件がまたおきようとしている。おきても不思議じゃない。そういう状況にある。
 国家の責任を問うということは、同時にわれわれ自身の認識の責任を問うているんだ、問われているんだということをおたがいに確認しましょう。
 この時代に生きるすべての東アジアの中国・朝鮮・そして日本のすべての人民は2度と戦争を、あのような戦争を次の世代に残してはいけない。そういう歴史的な義務があると思います。
(2024年10月6日)

曺和仙さんによる「追悼の舞」(8.31)

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