12.8関電包囲大集会─老朽原発動かすな!実行委員会

老朽原発動かすな!
使用済み核燃料ふやすな!

 【大阪】老朽原発動かすな!実行委員会主催の関電包囲大集会が、太平洋戦争開戦日の12月8日、大阪市の関電本店前で開かれ、650人が参加した。
 主催者あいさつに続き、初めに6名からのアピールがあった。

原発がある限り安心・安全はない

 中嶌哲演さんは主催者あいさつで1972年~1990年の時期、1000万円ずつ7人に献金が行われた。この時期はまさに高浜3号、美浜3・4号、大飯1、2号、3、4号の建設の時期である」と述べ、そのようにしてできた若狭の原発銀座は「今や核のゴミ銀座と呼ばれつつある。原発を直ぐとめても後には死の灰が残る。原発ゼロ法案を早く国会に提出し、国民的熟慮を呼び覚ましたい。
 中尾道雄さん(前米原市長)は、この国の安全・安心は大丈夫なのか?原子力緊急事態宣言は未だに解除されていない、能登半島地震では、避難計画は役にたたなかった。もし志賀原発が事故を起こしていたと思うと、恐怖を感じると述べ、避難計画は抜本的に見直さなければいけない、原発がある限り、安心・安全はない。
 木原莊林さんは、若狭では4機が40年越えとなる。政治は反動化しつつあるが、自然エネルギーに転換し、人の命と尊厳が大切にされる社会をめざそう。
 中道雅史さん(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)は、六ヶ所核燃サイクル三点セットの再処理工場・ウラン濃縮工場・低レベル放射性廃棄物埋設施設は1984年7月、電気事業連合会の要請で着工された。現在はMOX燃料加工工場・高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設が加わっているが、中核施設の再処理工場は、27回目の完工延期となった。
 再処理工場は工事開始から30年がたち、1300キロにも及ぶ配管はボロボロだ。例え完成しても、現在たまっているすべての使用済み核燃料を再処理することは無理である。むつの中間貯蔵施設について安全協定が調印され,東電柏崎刈羽原発から使用済み核燃料が搬入された(関電の使用済み核燃料対策ロードマップには、ここを当てにしていた事情があるが、方針の変更を余儀なくされた)。電力会社の考えでは使用済み核燃料は、各原発の施設内に中間貯蔵するしかない。中間貯蔵といっても、実際は永久処分になってしまう。
 第7次エネルギー基本計画案では、それまで記されていた「原発の軽減」が削除され、原発新増設・核燃サイクル推進が叫ばれている。なぜ、核燃サイクルにしがみつくのか。青森県の宮下知事などは、核燃放棄は核抑止放棄だといっている。核燃サイクルはエネルギー問題ではなく、核武装の問題だ、核燃サイクル技術は日本として絶対に捨ててはならないといっている。青森は米軍陸海空軍の基地があり戦争の最前線である。私たちは、反戦反核の最前線で闘う。

地震国の原発は日本とトルコだけ

 井戸謙一弁護士は地震のことはまだよくわかっていないと述べた。能登半島の今回の地震で動いた断層の存在がわかったのは10数年前のこと。存在がわかっていても、どの範囲でずれが起きるのかわからない。能登の場合、北陸電力は96キロと予想していたが、実際は150キロだった。断層の規模も、熊本地震の場合は予想の2倍だった。能登の地震により4メートルも隆起するとは予想すらできなかった。美浜原発の隆起予想は77センチである。米国の規制委員会では、断層から8キロ以内に原発をつくってはいけないとなっている。日本の場合、美浜は1キロ、大飯は2キロ、志賀は1キロ、島根は2キロだ。世界には400機ほど原発が動いているが、ほとんどは、地震のないところである。イタリア、台湾は脱原発した。地震国で動いているのは、日本とトルコだけ。他国が動かしていても、日本は止めるべきだ。
 山本雅彦さん(原発住民運動福井・嶺南センター事務局長、敦賀市民)は、日本原電の敦賀原発2号機は廃炉となり、規制委員会は再稼働を不許可とした。近くに裏底断層がある。日本原電の東海原発2号機は、内部告発により防潮堤の欠陥工事が発覚した。東海第2号機は3・11で停まり、敦賀第2号機は同年5月放射能漏れにより停まった。13年間も停まっているが、東電や関電は年間2000億円を超えるお金を、基本料金として日本原電に2011年から現在まで、1兆4000億円も払っている。その原資は、電気料金だ。日本原電は、原発のパイオニアとしてスタートしたが、データ改ざんや欠陥工事をくりかえしている不良企業だ。発電事業をやめ廃炉事業に転業すべきだ。

各アピールを受け梅田をデモ

 続いて5党のあいさつがあった。
 社民党(長崎由美子大阪府連代表)は、「野党が力を合わせ、命と暮らしを守るために政治がある」。
 新社会党(粟原富夫神戸市議)は、「出身地の能登に帰ってみた。住民は結局ゆっくり山に向かって避難したという。計画は機能しなかった。いつ地震があってもおかしくない。原発は稼働させてはいけない」。
 日本共産党(井上哲士参院議員)は、「志賀原発は直ぐ安全宣言をしたが、変圧器の本格復旧には2年かかると後で発表した。電力会社が原発の新増設まで考えているのは許せない」。
 緑の党・大阪(鍵谷共同代表)は、「ドイツは脱原発を実現した。日本もできるはずだ。第7次エネルギー基本計画に、パブリックコメントを出そう」。
 れいわ新選組(大石衆議院議員代理)は、「原発は現在14機稼働しているが、経団連は2030年には27機、50年には40機が必要とし、新増設までいっている。立憲野田さんは再稼働を認めているし、立憲民主は官邸に招かれて、新増設を要望した。あり得ない」。
 この後、草地妙子さん(名古屋・老朽原発40年廃炉訴訟市民の会)、福島敦子さん(原発賠償京都訴訟原告団共同代表)から裁判の判決についてアピールがあり、最後に労働組合から、近藤美登志さん(平和フォーラム関西ブロック)、菅義人さん(全労連近畿ブロック)、西山直洋さん(大阪ユニオンネットワーク)がアピール。
 集会後、西梅田公園に移動し、改めてそこから梅田の中心に向けデモを行った。
      (T・T)

5党のあいさつ(12.8)

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