社会運動におけるわれわれの方向性と任務①

第四インターナショナル第18回世界大会決議

 この決議は第18回世界大会において、賛成107、反対12、保留3、棄権9で採択された。

1.社会運動が戦略的に重要な理由

 第四インターナショナルは長年にわたり、社会運動は、そのあらゆる多様性において、社会主義のための闘争において重要な役割を果たすことができるし、しばしば重要な役割を果たすという実践―そして多かれ少なかれ理論的理解―を発展させてきた。

 社会運動にはさまざまな形態がある。たとえば、労働組合、住民運動、農業労働者や農民の運動、環境保護運動、女性運動、LGBTI運動、先住民運動、人種差別反対運動、障害者運動などである。こうした社会運動は多くの場合、いくつかの側面を持っている。労働現場における搾取に対して反対する、生活空間や生活そのものを防衛する、抑圧に直面して(とりわけ、女性、LGBTIの人々、先住民、人種差別を受けている人々、障害を持つ人々の)解放を求める、などである。われわれのアプローチは、こうした闘争の多面的な側面を支援し、それらを増幅し、搾取や抑圧、生活空間と生活そのものの破壊に依存する支配階級との世界的な対決に向けて、闘争のさまざまな側面と領域の明確な接合を目指すことである。

 これらの運動が重要なのは、それが資本主義体制に異議申し立てしている人々がさまざまな方法で自らを組織したものであるからだ。とりわけ労働現場において自らを組織するプロセスは、その他の集団的状況において(教育施設、居住地域、農村地域などで、抑圧の共有体験に基づいて)自らを組織していくプロセスとともに、資本主義体制(とりわけ雇用主と国家)に異議を唱える階級意識や政治化の発展を促進し、資本主義体制に挑戦し、異なる社会のビジョンを明らかにする綱領について、その前提条件の発展を促進するのである。

 反資本主義政党は、搾取され抑圧された人々の最善の利益となる要求を統合するものとしての階級闘争の綱領を発展させることを目指しているが、それらの要求の発展と形成は、最も直接的に関与している人々から最もよく生み出されるものである。

 われわれは当初、女性運動におけるわれわれの活動に関連してこの理解を発展させた。したがって、このアプローチはまず、女性解放闘争および女性解放運動構築に対するわれわれの方向性の問題に関して、さまざまな大会や指導機関で採択された次のような諸文書の中に見出すことができる。とりわけ『社会主義革命と女性解放闘争』(1979年、第11回世界大会決議)の第2部「第四インターナショナルと女性解放闘争」の「われわれの視点」、「ラテンアメリカ:大衆運動のダイナミズムとフェミニスト潮流」(1991年、第13回世界大会決議)のとりわけ第3部「われわれの方向性」、そして「西ヨーロッパ:女性解放闘争の形態の変化」(1991年、第13回世界大会決議)。

 最初の文書は、とりわけ女性を賃金労働者としてしか考えず、女性の抑圧を過小評価する左翼の人々や、家父長制と階級関係を並列的なプロセスとみなす人々、つまり今日で言うところの二重システム論者との相違点を示したものである。

 この文書では、このことについて、まず次のように論じている。「この見解は、女性による闘争に、仕事上の賃金労働者としての地位においてのみ重みと重要性を与えるものである。女性は社会主義革命によって一応は解放されるから、女性自身の要求のために闘う女性として、女性を組織化する特別な必要性はない、というのである。女性が抑圧に対抗して組織化する必要性を否定することで、彼らは労働者階級内の分裂を強化し、従属的地位に反抗し始めた女性の階級意識の発展を遅らせるだけなのである」。

 おそらくこの文書の第2部の主要な方向性は、「社会主義革命なくして女性の解放なし、女性の解放なくして社会主義革命なし」というスローガンに要約できる。

 われわれの当初の分析は、先進資本主義諸国における女性運動の経験に過度にもとづくものであったが、特にラテンアメリカの女性運動に関する活動によって、これを修正・発展させた。

 職場に根ざした闘いによってだけでは具体的な抑圧が克服されることはない、そのためには抑圧されている人々の運動の活動的指導部が道を切り開き、具体的な抑圧の現実を示すことが不可欠であるという一般的な理解は、より一般的に言って適切なものである。

 われわれはまた、それほどではないが依然として重要である文書についても合意した。その文書は、貧農や農業労働者の闘い、LGBTIQA+運動、債務をめぐる闘い、反グローバリズム運動や反戦運動、先住民運動/ファースト・ネイション運動や環境保護運動のあちらこちらで生み出されている運動、そしてもちろん労働組合の継続的な役割についての闘いから教訓を引き出したものである。2018年世界大会決議『社会的激動、反撃、そしてオルタナティブ』がそれだ。

1)こうした運動などには、それぞれ固有の歴史、力学、現在の勢力関係がある。抑圧されている人々の社会運動とより一般的な社会運動との間にはいくつかの重要な違いがある。この文書では、われわれが重要だと考える一般的な原則を引き出そうともしている。

a)
 社会運動は、最も搾取され、抑圧され、多くの場合に周縁化された人々を含む労働者階級と民衆階級の一部分を社会変革のために動員する重要な方法である。その中には、革命的変化の一部となりうるものが含まれている。社会運動は、何よりもまず、社会問題、民主主義の問題、差別の問題について、体制から身を守るための初歩的な組織形態である。この点で、社会運動は搾取されている人々の行動の枠組みとなりうるし、彼らの社会的な力を代表することができる。人々は自分自身の政治的状況をめぐって行動を起こし、その経験を通してより一般的な政治的教訓を得る。この観点から、社会運動における活動は、今日われわれの組織への勧誘のためのより重要な分野となりうるし、またそうあるべきである。特に大衆活動において、より周縁化された集団出身の人々を訓練するための重要な分野にもなりうるし、そうしなければならない。

 社会運動は互いに影響を与え合うことができる。たとえば、気候問題は、10年前にはなかった方法で、多くの場所で労働組合の課題の一部として受け入れられている。気候問題は主導的な役割を果たしている。というのは、その結果としての動員は、資本家やその政府の政策、抑圧や搾取の状況に対する対決の場であるからだ。現在のエコロジー状況、民主主義をめぐる状況、社会状況の中で直面している積み重なってきた危機は、社会運動の地位と重みを強めている。

b)
 これらの運動はわれわれにとって戦略的な重要性をもっている。というのは、自らの要求に基づく労働者階級の動員は、階級闘争や資本主義に対抗する政治的力関係の構築の温床となっているからである。したがって、それは過渡的な反資本主義的要求のるつぼなのである。

c)
 それはまたもう一つの戦略的側面を持っている。つまり、搾取され、抑圧されている人々自らが自分自身の利益と政治的行動の主導権を引き受けることで、自己組織化のるつぼになっているからである。この文書の中では、評議会民主主義[労働者民衆によって直接に選ばれた評議会による、下から組織された民主主義形態]に基づく社会とはどういうものか、職場・居住地域・都市における自己組織化の構造がどのようなものになるかを概説している。このことは、社会運動が評議会民主主義を実現するための十分な手段であることを意味しない。そのためには当然にも革命組織が必要だからである。しかし、社会運動は不可欠な前提条件である。

 われわれは、パリ・コミューンの原則(役職の持ち回り、説明責任の透明性、意思決定における直接民主主義)を推進する。われわれはそれに、反民主主義的な秘密主義文化に終止符を打つ方法として、政府や当局との交渉プロセスを生中継するという文化を再構築する必要性を付け加える。

 われわれは、システムと闘っていると主張する政党も含め、現にある権力から自らの独立性を用心深く守ろうとする運動のために闘う。ルーラ、シリザ、「アラブの春」、その他多くの政権の最近の経験は、搾取されている人々の利益を保証するために存在する大衆運動の重要性を示している。

2)それゆえ、われわれが追求するのは、社会運動の構築を擁護し、その内部で関与することであり、労働者階級人民の利益のために闘うアジェンダを前進させる要求と組織化の方法のために闘い、運動全体が階級闘争の視点を採用するために闘うのである。わが活動家は、自分たちがすべての答えを持っていると思い込むのではなく、他の活動家の意見に耳を傾け、そこから学ぶという姿勢を採用する。

3)われわれは、社会運動内部での可能な限り広範な民主主義のために闘い、最も搾取され抑圧された人々が可能な限り自らの要求と代表の声を確保することを望む。これは、われわれが代表選任の明確な構造とプロセスのためにも闘うことを意味する。われわれは、最大数の人々を積極的に関与させる最善の方法として、「構造なき専制」と官僚化の両方に反対することを主張する。     (つづく)

イスラエルのガザでの虐殺に抗議するメキシコの人々

イスラエルによるガザでのジェノサイドを糾弾するデモ(フランス)