第4インターナショナル第18回世界大会開催

6日間にわたる活発な討論
エコ社会主義宣言などを採択
福島原発・東アジアなど日本支部の提起

 第4インターナショナルは、2月23日から28日までベルギーで第18回世界大会を開いた。前回大会から7年ぶりの開催となる。大会には、世界から40カ国を超える支部やシンパ組織、パーマネント・オブザーバー組織、ゲストが参加し、日本支部からも代議員が出席した。

 世界大会は、前回大会以降に亡くなった同志への追悼から始まり、6日間にわたって、国際委員会およびビューローから提案された諸決議、それに対する国際少数派の対案や各国支部・代議員からの修正案をめぐって、活発な議論が交わされた。討論は、英語・フランス語・スペイン語によっておこなわれ、ボランティアによる同時通訳が提供された。

福島原発災害は終わらない

 大会に至る事前討論では、多くの修正案や意見書が出され、それらは討論の素材として国際討論ブレチンに掲載され、各国のメンバーに提供された。日本支部からは「福島第一原発事故はまだ終わっていない! エコ社会主義社会を実現するためには、すべての原子力発電所を閉鎖・廃止し、新規建設を中止しなければならない」「東アジア情勢と日本政治情勢および民衆的連帯の構築に向けて」の2本の意見書を提出し、その一部は採択された決議案に取り入れられた。
 大会討論は、エコ社会主義宣言、国際情勢、ウクライナ問題、党建設任務、社会運動というテーマに沿って展開された。日本支部からは、大会討論の冒頭に「福島原発事故と核廃棄物問題」について発言した。

ウクライナ問題とブラジル問題

 大会で大きな焦点となったのは、ウクライナ問題とブラジル支部問題だった。ウクライナ問題では、ビューローから提案された多数派決議案とスペイン支部を中心として代議員連名で提出された対案をめぐって活発な議論が交わされた。採決の結果、多数派決議案が賛成95で採択され、対案は賛成31で否決された(本紙では、採択された多数派決議と否決された対案の双方を順次掲載していきたい)。

新支部承認と分派をめぐって

 また、ブラジル支部問題では、MES(社会主義左翼運動)から出された加盟申請に対して、MESを支部の一部として認めるかどうか、が議論の対象となった。ブラジル支部は2017年に分裂し、大会前には5つの潮流が存在していた。これらの潮流とMESはいずれもPSOL(社会主義自由党)の内部で活動しているが、ルラ政権との距離感をどう取るかについて意見が分かれ、MESの加盟をめぐっても、支部内は賛否が分かれていた。世界大会は、採決の結果、MESをブラジル支部の一部として認めることを賛成多数で承認した。
 また、大会では、MES以外にも、いくつかの組織を支部やシンパ組織、パーマネント・オブザーバー組織として承認した。支部として承認された中には、ソリダリティー(アメリカ)、アンチキャピタリスト・レジスタンス(イギリス)、ラディカル・ソーシャリスト(インド)などが含まれる。

日本支部も闘いの一翼を担おう!

 世界大会は、最終日に、エコ社会主義宣言、国際情勢、党建設任務、社会運動、ウクライナ、パレスチナの6つの決議を採択した。そして、次回大会までの国際委員会メンバーを選出し、最後にインターナショナルを各国語で歌い閉会した。
 大会終了後に、第1回国際委員会が開かれ、ビューローおよび書記局のメンバーが選出された。
 第4インターナショナルは、この大会において、自らがエコ社会主義インターナショナルであると宣言した。今回の世界大会は、世界的に極右が台頭し、それと対決すべき左翼の分断と低迷が続くという困難な状況下で開かれ、環境危機と社会的危機、戦争に向けた緊張の高まりといった多元的危機と闘う綱領的・組織的基礎を作ろうとするものだった。それが現実化するかどうかは各国におけるそれらの具体化と国際的な闘いの共有にかかっている。日本支部もまた、世界大会での議論を踏まえて、そうした闘いの一翼を担いたいと考えている。