6・6成田空港強制収用問題学習会
日の出強制収用に学ぶ法的問題
脅迫、居直りの空港会社
【東京】6月6日、一般社団法人三里塚大地共有運動の会、横堀農業研修センター裁判を支える会は、文京シビックセンターで「成田空港強制収用問題学習会 ─日の出強制収用に学ぶ法的問題」を行った。講師は、佐竹俊之弁護士(日の出問題弁護団)。
空港会社の「強制収用」への踏み出し糾弾
成田国際空港会社は、4月初め、第3滑走路建設のための土地収用法適用による用地取得(強制収用)検討を国交相に伝えた。29年第3滑走路供用断念と同時に、1971年以来、半世紀ぶりとなる土地収用法による収用(強制収用)の動きを公然化した。これは91~94年成田空港問題シンポジウム・円卓会議での滑走路建設で「あらゆる強制的手段をとらない」という旧運輸省・空港公団の確約を反故にしようとするものだ。
再び浮上した強制収用の法的問題について、2000年10月、東京都によってごみ処分場建設のために日の出の森トラスト共有地の強制収用が行われた日の出問題を実例に、佐竹弁護士から報告していただいた。
人権無視の強制収用
冒頭、辻和夫さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)は、「『第二の開港」は『第二の強制収用』」というテーマで成田国際空港会社による第三滑走路建設予定地の未買収地に対する「強制収用」適用をめぐる動きについて分析した。
「2026年4月、空港会社社長は『土地収用法の適用を検討』『6月に判断する』と表明した。C滑走路の確保率は、88・7%(3月時点)、110㌶が未契約。あらたに買収が必要な民有地では、約15%が確保できていない。買収用地の対象は、地権者1600人、移転対象約200戸、法人所有約50件。用地買収が進まない理由として空港会社は、①更なる機能強化(空港拡張)に理解が得られない ②移転補償の考え方に理解を得られない ③遺産分割協議未了で相続人の特定に至らない─ことをあげている。そもそもこれまでの三里塚闘争の歴史の中で住民との話し合いを尽くさず強制手段に訴える姿勢と脅迫が問題とされてきた。ところが歴史の教訓化、反省を継承せず居直りとして強制収用を強行しようとしている。空港会社は6月中に判断すると言っている。、強制収用による住民の人権無視を許さない」と訴えた。
日の出の森・水・命の会の闘い
佐竹弁護士は、「『土地収用法』とは、公共事業など公益性の高い事業のために土地の所有者から土地を収用することを認めている法律である。手続きとしては、①事業認定手続き ②収用採決手続き ③事業認定等の適期申請について ④不明採決制度(土地を収用する際、所有者や境界が確定できない場合でも、「不明」としたまま収用委員会が裁決を下せる)などがある。土地収用法改正(2001年)によって権利者が100人を超える場合、所在不明の場合には土地調書・物件調書作成の特例(公告縦覧方式)を適用し収用手続きの簡略化を進めた」ことを解説した。
そのうえで「日の出ごみ処分場をめぐる裁判」について①東京都日の出町のごみ最終処分場(谷戸沢処分場、二ツ塚処分場)建設反対を掲げて「日の出の森・水・命の会」(1994年11月)が発足し、「有害物質の漏出や環境汚染」を理由に処分場の操業差し止めなどを求めて提訴。
行政代執行を迎え撃つ
2006年9月、東京地裁は「有害物質が存在し、周辺環境を汚染する可能性のあることは認めたが、請求を棄却した。控訴審では東京高等裁判所は、「社会経済的活動の影響を第三者に及ぼすことが不可避であるから、自らの声明・健康に何らかの影響があるからといって、直ちに第三者の活動をやめさせることができない」と請求を棄却した。
②二ツ塚処分場の予定地に対してはトラスト運動(2800人が地権者)で抵抗したが東京都収用委員会がに土地収用法に基づき強制収用を強行した(2000年)。
さらに佐竹弁護士は、強制収用のポイントについて説明し、日の出ごみ処分場をめぐる具体的なケースを紹介しながら「強制収用の採決申請、明渡採決申請事件は、東京都収用委員会が1997年5月に第1回審理が始まり1999年3月まで第11回審理が日比谷公会堂、アミュー立川で行われた。結局、10月4日、土地収用裁決が行われ『明渡裁決』を行った。
最終的に土地の移転が終了し、居座っている権利者たちを追い出すために行政代執行によって実力行使した。土地の上にステージを作っていたが重機で破壊された。多くの人々が集まり抵抗を表明し続けたが潰されてしまった。
その後、代執行実施費用の請求(納付命令による費用徴収)と差し押さえによる費用の強制徴収を行ってくる。いずれにしても土地の権利者を増やすこと、共有運動を進めていくことは土地収用法に対する有効な抵抗だと言える」とまとめた。
最後に主催者から次の行動提起が行われた。
「横堀農業研修センター裁判第1回口頭弁論/7月3日(金)午後2時集合(予定) 午後3時開廷/東京高等裁判所1階 第101号法廷」
「7月25日(土)/「三里塚闘争60年の集い 巨大開発・強制収用を許さず農的価値を」(午後1時/文京シビックセンター4階シルバーホール(後楽園駅)/主催 三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)」
(Y)

日の出の闘いを報告する佐竹俊之弁護士(6.7)
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