6.23大阪:沖縄と共に戦争に反対する平和の集い

沖縄の歴史と現在を知り
持続する闘いを作り出す

 【大阪】沖縄と共に戦争に反対する平和の集い実行委員会(実行委員長:森口あおい日本キリスト教団牧師)主催の平和の集いが6月23日、大阪市北区民センターホールで開かれ、180人の市民が参加した。

戦後が終わらない
のに新たな戦前に
 集会は沖縄戦の戦没者に1分間の黙祷をして始まった。森口あおいさんが主催者あいさつをした。
 「78年前の沖縄戦で20万超の人びと、住民の4分の1が亡くなられた。亡くなられた人びとに今朝大阪から祈りをささげ、また再び戦禍に見舞われないようにと祈った。大切な人の命を奪われ、大変な悲しみや苦しみを抱えて生きておられる方々がたくさんいる。沖縄にはまだ戦後が来ていないにもかかわらず、新しい戦前になり、琉球弧の島々には自衛隊基地が建設され、辺野古新基地建設は不可能であるにもかかわらず、国は住民の反対の声を無視して建設を進めている」と述べ、関西に住んでいる私たちはどうすべきなのか、78年目の「慰霊の日」沖縄の人びとの声をしっかり聞くため、戦争と基地建設に反対する集いをもったと言った。
 沖縄で開かれた沖縄国際反戦集会のようすがビデオで映された。続いて、前泊博盛さん(沖縄国際大学教授)のリモート講演に移った。

「沖縄慰霊の
日」はいつ
 沖縄戦の組織的な戦闘終結はいつだったのか。第32沖縄守備隊軍司令官の自決の日が慰霊の日?陸軍省が軍司令官牛島中将戦死として大将任官の辞令を出したのは6月20日、大本営が戦死通知したのは6月21日、牛島家の牛島満「命日」は6月22日である。実は、1961年まではこの日が「沖縄慰霊の日」だった。
 6月22日「慰霊の日」が、1961年後に6月23日に変わったのは、当時の高級参謀何某の証言に基づくとされている。このように「慰霊の日」は戦後78年たった今も曖昧のままである。前泊さんは、「慰霊の日」は6月22日だと考えている。来年は「慰霊の日」を確定し、6月22日を「慰霊の日」にしてほしいと述べた。
 さらに、もう一つ重要なことは、8月15日に組織的戦闘は終わるのに、沖縄では6月23日に終わったことになっていること。牛島司令官は最後まで戦えと訓示して自決しているから、6月22日以降も組織的戦闘は続いていた。米軍は、7月2日に戦闘終結宣言をしている。沖縄守備隊終戦調印(沖縄戦終結)は9月7日である。
 日本はいつが終戦記念日なのか?天皇の玉音放送の日(敗戦通告日)である8月15日が終戦記念日となっているが、対日終戦協定締結(対日戦争勝利の日)は9月2日、対日戦を戦っていた連合国の終戦記念日(戦勝記念日)は9月3日だ。日本の常識は世界の非常識だ。
 米軍は、1945年3月に沖縄に上陸すると、海軍軍政府布告第1号「権限の停止」(通称ニミッツ布告)を公布し、住民に対し日本の行政権が停止したことを通告した。その後約3ヶ月にわたる死闘の末に勝利した米軍は日本本土攻略の準備に取りかかった。

沖縄の島々を
戦場にするな
 この後は、日本が空母を保有(「かが」は護衛艦と言われているが実質は、ほぼヤマトと同じ大きさの空母)
 ◦「防衛3文書」・軍と民の関係〈軍は国家と国体を守る、民を守らない、民を盾にする、民は軍に逆らえない〉
 ◦GH・カー著『沖縄の歴史』で述べていること(沖縄は日本にとってexpendable消耗品)
 ・23年5月6日共同通信世論調査(「防衛増税」不支持80%、台湾有事懸念89%、有事対応は非軍事手段で56%、反撃能力保有賛成61%、防衛3文書全く又はあまり知らない76%)。
 ◦これは傍観者的国防論だ
 ◦沖縄は当事者的非戦論・岸田内閣を揺さぶる2つの恐怖『見捨てられる恐怖』と「巻き込まれる恐怖」
 ◦この2つの恐怖が「防衛3文書」のベース
 ◦〈防衛3文書〉の要点/省略・沖縄の陸自第15旅団を第15師団に昇格し2500人から6000人体制へ
 ◦敵基地攻撃能力を強化・自衛隊は北シフトから南西シフトへ
 ◦日本の対外貿易量(2019年〉対米239兆円、対中332兆円、対アセアン43・1兆円)
 ◦核再配備?に向け強化される辺野古弾薬庫、と続いた。
 その内容は、6月11日共同テーブル近畿の集会での講演とほぼ同内容だったので、ここでの報告は箇条書きにとどめたい。
 
 休憩を挟んで後半は、清水早子さん(ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会共同代表)のビデオメッセージ(その中で、宮古島は8月26日米軍が進駐し、島での戦闘が終結したのは9月29日だったと言われていると語った)、やんばるの森を守れ!宮城秋乃さんの活動を支援しようのアピール、ゴスペルの会の合唱、辺野古に基地をつくらせない神戸行動(小野さん)のライブ、3団体からリレートークがあり、閉会した。   
        (T・T)

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