午年(うまどし)の年明け

コラム「架橋」

 2026年の正月は千葉県に住む弟一家のところで迎えた。通年、年越しは東西南北の旅先で過ごすのが常であるが、緊縮財政の昨今、宿泊費、交通費の高騰から逃れて近場で迎えることにしたのだ。31日大晦日の午前中に自宅を出て、散髪をしてから私鉄に乗って旅の人となった。
 ひとり自宅で正月を迎えるのも味気ない。なればなおさらのこと弟のところに出張って、年越しそばとお節をいただこうという算段だ。
 大晦日だからといって、紅白を観るわけでもなく、初詣に出かけるわけでもなくホッピーを吞みながらDVDで「旅の重さ」を鑑賞。主演は高橋洋子、監督は斎藤耕一。
 1972年制作の映画だが、斎藤耕一ならではのカメラワークと演出、そして家出をし、四国遍路の旅に出た16歳の高橋洋子演じる人間模様が秀逸なロードムービーだった。映画の挿入歌「今日までそしてあしたから」(よしだたくろう)は、新年を迎えるにふさわしい一曲だったと言える。
 そうこうしているうちに新年、午年の朝を迎えた。牛年は、俗に「行動力」「発展」「成功」を意味する年と言われているが、新年早々アメリカ大統領トランプによる電撃的なベネズエラ軍事攻撃、マドゥロ大統領拉致が発生した。
 トランプはその理由として、麻薬密輸の絶滅を公言するが、その目的は反米国家の排除、原油利権の収奪に違いない。あわせてデンマーク領であるグリーンランド領有も虎視眈々と狙っている。アメリカはもはや、ロシアとともに「ならず者国家」の頂点に頂点を重ねた。
 この暴挙に対し、国家主義者高市首相は、関係各国と情勢を見極めると賛否を濁しているが、黒い腹の内ではベネズエラ侵攻に賛美を送っているのに違いない。対米従属主義者が反対を唱えることなどあり得ないことだ。
 最後に蛇足になるが、いみじくもトランプは午年、そして高市は丙午である。早くもトランプの言動を経済界では「牛尻下がり」の前兆と揶揄されている。さてこれからの世界経済はどうなるのか。円安が続けば205円台になるとも懸念されている。
 午と丙午のコンビを打倒しなければ、世界中が飢餓と貧困に覆われることは間違いないからだ。    (雨)