沖縄「復帰」50年を問う行動
米軍基地の重圧をまだ残すのか
辺野古埋め立て断念・普天間基地運用停止
5.9
「辺野古」県民投票の会元代表・元山仁士郎さんがハンスト決起
「復帰50年」・「辺野古新基地建設の断念」求める!
5月9日午前10時から、「辺野古」県民投票の会元代表の元山仁士郎さんが辺野古新基地建設の断念を求め、首相官邸前でハンガーストライキを始めた。
10日、沖縄の友人から、元山さんのハンストの情報をもらい取材に行った。自民党本部前での座り込みは認められないということで、道路を隔てた向かい側で横断幕を掲げて元山さんは座り込んでいた。元山さんはハンスト2日目ということ、取材の対応、昨日は雨が降ったり、気温が低かったり、で少し疲れた様子であった。それでも携帯電話で取材を受けているようで忙しそうにしていた。
沖縄の友人からの連絡で参加したというと、嬉しそうに、「がんばる」という表情をしていた。10人ほどの支援者が元山さん支援に駆けつけていた。11日は公明党本部前での行動、15日は、復帰50年式典の会場となっている沖縄コンベンションセンター周辺での実施を検討している。元山さんの訴えを別掲する。
今後、沖縄では7月参院選、秋には県知事選が予定されている。辺野古新基地建設をめぐる重大局面に入る。共に闘いを担いぬこう。 (M)
元山仁士郎さんの訴え
Hungry for “Reversion”
2022年5月15日で、沖縄は、「復帰50年」を迎える。50年前から現在へ、沖縄は何が変わったのだろうか。
たしかに、空港・港湾、道路といったインフラ整備など、物質的に豊かになった側面はある。しかしながら、乱開発や環境破壊、依然として偏重した産業構造や賃金・所得格差などの課題も山積している。沖縄振興特別措置法に基づくさまざまな事業が、本当に沖縄の人々の生活に寄与しているかや、近年のSDGsの観点からも、今後の沖縄振興・経済政策、貧困対策の見直しも必要だろう。
「復帰」後も、さらに遡れば戦後から変わることのない最大の問題は、沖縄への米軍基地の押し付けである。それに起因する、事件・事故や騒音被害、環境汚染は後を絶たず、それらを是正する措置も日米地位協定や、その運用の根拠となる日米合意議事録に阻まれ、ほとんど講じられてこなかった。
また、2019年2月24日に行われた辺野古米軍基地建設の埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票からは3年が経った。投票総数の約72%の反対が示された結果を、日本政府が尊重しているとは、とても思えない。
50年前も現在も、基地問題は変わっていないといっても過言ではない。
果たして、いつまでこの状況が続くのだろうか。
沖縄の「復帰」を推し進めた時の総理・佐藤栄作は、1965年8月、真夏の那覇飛行場に降り立ち、このように述べた。
「沖縄が本土から分れて20年、私たち国民は沖縄90万のみなさんのことを片時たりとも忘れたことはありません。…私は沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって『戦後』が終っていないことをよく承知しております。これはまた日本国民すべての気持であります」と。
私たち沖縄の人々が抱える基地問題は、日本に住む人々に忘れられてしまったのだろうか。沖縄の基地問題が「解決」されない限り、沖縄にとっての「復帰」、そして「戦後」は終わらない。
「復帰50年」―。
日本政府に、①辺野古新基地建設の即時断念と、②普天間飛行場の数年以内の運用停止、③日米地位協定の運用にかかるすべての日米合意を公開し、沖縄県を含む民主的な議論を経て見直すこと、を求めます。
「辺野古」県民投票の会元代表/大学院生 元山 仁士郎
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