南アジア 政権脅かすZ世代の反乱

社会的反乱と環境問題

ドミニク・B

 南アジア一円
 で反乱が続く

 2022年にラジャパクサ大統領を倒したスリランカでの民衆的蜂起以来、南アジアは、3つの政府を倒し、ほとんどの政権を脅かした反乱の波によって押し流されてきた。それは若者たち(Z世代)に推力を与えられ、悪化する経済と環境の諸状況、高まる社会的不平等、水や電力の不足、さらに権力を独占するエリートの風土病的汚職の犠牲者になっている者たちすべてを決起させている。
 残忍な弾圧が、民衆的な怒りを押さえつけようと試みているが、しかし運動の広がりを抑制することができずにいる。インドネシアに続いて、今年燃え上がっているのはネパールだ。権力の主要な場が火をつけられたのだから、それは文字通りであり比喩的でもある。
 政府への抗議には感染性もある。近いところでは、フィリピン、パキスタン、カシミール、また東ティモールに影響が及んだ。
 蜂起が広がり展開した特定の脈絡を超えて、これらの諸国(人口9億人近く)は、極端な気象事象に対する同じ脆弱性を共有し、西欧や中国人グループの採掘主義的略奪の犠牲者だ。近年の抗議は、諸々の資源開発、汚職、また共有財強奪に関連する大きな環境問題を掲げている。

 環境問題が
 大きな位置

 環境的な原因は数知れない。フィリピン、パキスタン、バングラデシュの大洪水、水のシステムを攪乱しているヒマラヤ氷河の融解加速などだ。温度は時に50度Cを超え、農業の収穫を減らし、東ティモールを例に砂漠化を進めている。
 気候の惨害を前にしても諸政権は、天然資源(鉱山、森林、炭化水素)の集中的な開発、および外国資本が融資したインフラ開発を基礎にした成長政策を追い求めている。インドネシアの豊かな生物多様性は、鉱山、パームヤシ単一栽培、さらに伐採によって脅かされている。これらの領域すべてで、鉱業計画が汚染、森林消滅、また土地争いに導いている。それらはしばしば住民立ち退きを伴っている。
 これらの大規模開発行為は、ほんの少数だけが受け取る富を生み出す。採掘された資源に対する採掘権使用料は、公共サービスや新たな気候条件に適応するための方策に利用されるよりもむしろ、度を超した特権から利益を得ている軍・官僚のエリートによって確保されている。汚職はしばしば、食糧保護や環境的な再建に向けられた公金の巨額横領(それは9月21日のマニラにおける10万人のデモの動機になった)として明らかになっている。

 略奪と開発の
 新植民地主義

 労働条件と生活条件の継続的な劣悪化は、新植民地主義的略奪と搾取というこのシステムの結果であり、現地のエリートはそれに共謀している。権力の分かち合いと社会的公正を求める若者、労働者、あるいは先住民の闘いは、気候と環境の正義を求める要求に密接に結びついている。それらは基礎をなす社会的領域を表している。すなわち、人間と自然の搾取に対する拒絶だ。それらは、共有財の私有化と制度化された腐敗を基礎とする採掘主義的モデルの危機を露わにしている。(「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)(「インターナショナルビューポイント」2025年10月20日) 

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