米国・イスラエルの攻撃
帝国主義者が戦争をエスカレート
ババク・キア
トランプとネタニヤフがイランイスラム共和国に対し今年2月28日に発動した帝国主義戦争は日々破壊の度を増すようになっている。
民衆に対する大々的な虐殺
米国とイスラエルは体制の軍事機構や治安機構だけではなく、海水脱塩淡水化プラントや住宅地域までも現在攻撃中だ。テヘランを含む原油抽出現場、精油所、さらに石油タンクへの爆撃は環境的災害にもなっている。市民が第1の犠牲者だ。すでに1700人以上の死者が出ている。
住民たちは被災した都市で、体制が流血で圧殺した蜂起がハイパーインフレにさらに道を開いた背景の中で、物資不足と跳ね上がる物価に直面している。諸々の郊外地域では治安部隊が戒厳令を課し検問所を増やしている。
戦争は体制に
政治的強化を
政治のレベルでは、戦争が革命防衛隊指導部の立場を強化している。かれらは、重大な損害にもかかわらず、最高指導者として彼の父親に代えてモジタバ・ハメネイを押しつけたばかりだ。
専門家会議で選出されたモジタバは体制の中で長い間影響力のある人物となっていた。彼は父親のアリ・ハメネイの陰にとどまりつつ、革命防衛隊指導部との密接なつながりを維持し、権力の内部的な仕組みに十分精通している。彼はこの間、2008年以後の数知れない蜂起を抑圧する上で重要な役割を果たしてきた。
宗教的なレベルでは彼の正統性は今なお弱いままだ。彼は今回の指名以前、シーア派聖職者の位階制の中では相対的に低いランクにあるひとりのホジャトレスラムにすぎなかった。とはいえ彼はおそらく、アヤトラの地位に引き上げられるだろう。
彼はこれまで公開の政治的演説を行ったことがなく、彼の影響力を主に国家機構内部の彼のネットワークから、また彼の経済力から引き出している。彼はまた、数百億ドルに達する汚職と横領の嫌疑でも知られている。彼の指名の意図は何よりも、体制の継続性を示すことだった。彼がどれだけ生き延びこの立場を維持できるか、は依然今後分かることだ。それは部分的に、戦争の進展とワシントンとテルアビブの決定次第になるだろう。
損害はあるが
対応能力残存
体制は軍事的に重大な損害を受け、防空システムは大きく無力化されている。イスラム共和国はこれまで、市民の防護には全く投資してこなかった。シェルターも効果的な警報システムもない。他方で、相当な財源が体制の高位の者たちと核施設や弾道ミサイル施設向け防護施設建設に向けられてきた。
イランは軍事的には弱体だとしても報復や損害を与える能力は保持している。革命防衛隊は国中にミサイルやドローンの発射台を散らしてきた。地域の米軍基地とイスラエルの都市はきっちりと標的にされている。
イランの体制の戦略は、この介入に反対する西側世論を生み出す目的で、戦争の経済的コストを引き上げることにある。ホルムズ海峡をめぐる緊張、および湾岸石油君主国への攻撃は、ガスと石油価格の相当な上昇を引き起こしてきた。その効果は早くも、燃料価格の上昇という形で欧州や米国で感じられつつある。
西側諸大国の
攻撃への連携
この情勢は地域を強く不安定化し湾岸諸国を懸念させている。それらはすでにイスラエル―米国の介入に反対している。中国とロシアは、テヘランの同盟国であり、国連安全保障理事国であるにもかかわらず、外交的には距離を置いたままであり、国連の緊急会合すら求めていない。
欧州諸国は、スペインの注目に値する例外はあるものの、あらためてトランプとネタニヤフの側に位置を取った。そこを通じて世界の石油の20%が通過するホルムズ海峡の航行を「安全にする」という決定を含め、米国の航空機利用に対しフランスの基地を開放するというマクロンの決定は、危険を伴っている。そのような行動はイランからは参戦と見られると思われるからだ。
切り離せない
反独裁と反帝
トランプは依然、イラン体制のいくつかの分派との交渉を追求している。しかし、国内の強力な安全保障の圧力が政府内の異論表明すべてを当面妨げている。レバノンに対する犯罪的な戦争にも取りかかっているネタニヤフの場合、彼の戦略は、イスラエル国が単一の地域大国になるように、必要なら、地域の強国を弱体化させ、それらを分断することだ。
中東民衆にとってのこの悲惨な情勢を前に、社会的かつ政治的な左翼は、戦争に反対し、レバノンに対する犯罪的なイスラエルの介入の停止を求める運動を建設しなければならない。帝国主義に反対する闘いは、独裁に反対する、また反動的な諸国に反対する民衆の闘争と切り離すことはできない。
帝国主義戦争を前にした、また植民地主義とイスラエルのジェノサイドに反対する中東民衆への支援は、独裁に対決し、自己決定権、社会的公正、平等と自由を求める地域中の闘いとのわれわれの連帯を同行する。
クルド内には
危険な動きも
ワシントンとテルアビブから支援されたクルド・ブルジョアジーの6つの民族主義組織は、部隊を結合すると決定した。この政策は、イランイスラム共和国との軍事衝突に導くならば、イランクルディスタン内の市民に対する残忍な抑圧に、またイラククルディスタンに対するテヘラン体制による暴力的な報復に帰着すると思われる。
こうした脈絡の中でクルディスタン(イラン)共産党とそのクルド人支部のコマラは、いくつかのクルドを帝国主義の援軍、トランプとネタニヤフの歩兵に変えると思われるこうした危険な政策に警報を発した。この米帝国主義との共謀政策は新たな悲劇に、またクルド民族運動とクルド人民の正当な大望に対する裏切りに導くだろう。
▼筆者は「イラン労働者との社会主義者の連帯」活動家で第4インターナショナルのメンバー。(「インターナショナルビューポイント」2026年3月20日)
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