アフリカ 危機の漁業

乱獲がアフリカの海を略奪中
ポール・マーシャル


 アフリカには
 不可欠な資源

 アフリカ沿岸における漁業資源の欠乏は、気候変動から、また豊かな諸国のアグリ・食品多国籍企業の利益向けの乱獲から生まれている。小舟漁師たちの証言が集まっている。漁獲は減少を続け、その上魚の大きさも小さくなっていると。専門家によれば、アフリカ海域に生息する51種――住民にとっては不可欠の食糧資源――が今絶滅のおそれがある。セネガルでは、イワシの数がわずか5年で80%落ち込んでいる。この小さな安価な遠洋性魚種は、大衆的食物の中心にあり、国民食、スィエブディエンの構成物として利用されている。
 漁業生産の不足は、多くのアフリカ人にとって深い懸念の源だ。いくつかの沿岸諸国では、魚が動物性タンパク質摂取の半分近くになる。エコノミストによれば、小規模漁業がアフリカで約1200万人を雇用している――漁師、魚屋、燻製製造者、行商人――。

 気候変動と
 乱獲の進行

 資源減少におけるふたつの主な要素は、気候変動と乱獲だ。上昇中の温度は、大地に影響を与えているだけではない。つまり、海洋もまた暖まり続け、複雑なエコシステムを攪乱中だ。結果はさまざまだ。珊瑚の消失、沿岸魚種の冷たい水域への移動、マングローブの破壊など――アフリカの場合特別に懸念される現象――だ。これらの領域は、しばしば魚にとっての保育園に匹敵し、それらに大きくなるまで捕食者からのシェルターを提供している。それらはまた米作にも適している。
 乱獲はまた、小舟漁師数の増加にも結びついている。若者たちの中の大量失業を前に、多くがこの分野で運をつかもうと挑んでいる。西アフリカの小国であるシエラレオネでは、その数が7万5千人から15万人へと、20年で倍化した。

 工業的漁業が
 もっとも有害

 しかし、この現実が資源落ち込みの主な原因、つまり工業的漁業を隠すことがあってはならない。紛れもなく工場のような船舶が、年がら年中アフリカ沿岸を縦横に通っている。それらの船は、それらの巨大な網を使って海底をはぎ取り、あらゆる動物相を捕獲、相当な環境的打撃を引き起こしている。
 排他的経済水域での漁業を仕切る規則は、国毎で変化がある。しかしそれらは、不十分だと見られていて、また小規模専業者によっても環境活動家によっても共に十分には尊重されていない。
 シエラレオネでは、漁業認可の費用が小舟のトン数に応じて1万5千ユーロから2万ユーロになり、1年中の漁業を認めている。迂回的な行為も頻繁だ。たとえば、現地名義人の利用が、燃料に関する税控除や行政費用や港湾使用料への援助から利益を得つつ、工業的船舶に沿岸での漁業権獲得を可能にしている。

 当地の消費から
 魚粉工場向けへ

 IUU(違法、無届け、無規制)漁業が、アフリカ諸国の海事手段欠落のおかげではびこっている。アフリカ諸国は、不愉快な船舶を監視することもそこに乗り込むこともできないのだ。
 工業的漁業は、西側の需要を満たすためだけではなく、魚油や魚粉の多くの生産工場に供給するためにも増加中だ。結果として、漁業資源は現地の消費から転換されている。グリーンピースは、毎年50万トンの魚――アフリカで3300万人を養うに十分な――が粉末に処理されている、と見積もっている。この粉末は、欧州や中国の市場向けの養殖魚(マグロ、鮭)を太らせるために、あるいは工業的な養豚場に餌を与えるために利用されている。(2025年6月19日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)(「インターナショナルビューポイント」2025年6月28日)

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