メキシコ 司法大改革
大統領の正負入り混じった成功
ファブリス・トーマス
2025年6月1日、司法のあらゆるレベルの判事たちが、メキシコ中の直接全員投票によって選出された。地方判事から最高裁メンバーまで、あらゆるポストが一般民衆の投票にかけられた。
与党のMORENA(国民再生運動)が先導した前例のない改革だ。そしてそれは、この制度の姿を今深く再形成しつつある。しかし、プロセスの透明性、および大統領の党による権力支配の高まりに対する批判が、この歴史的な転換点に影を落としている。
断絶の約束
による改革
前大統領のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)が後押し、彼の後継者であるクラウディア・シェインバウムが引き受け、かれらの党のMORENAが賛成投票したこの原理的な改革は、この国の司法の全体組織を底深く変えることになった。
メキシコの司法は何十年もの間腐敗が大きくはびこってきた。そして右翼勢力と経済的に力をもつ者に支配され、さらに時には麻薬売買人からまで浸透を受けてきた。このシステムを改革することは、2018年にAMLOが選出された時に彼が約束した鍵になるもののひとつだった。しかしながら、彼がそのプロセスに乗りだしたのは彼の任期が終わりになった時にすぎず、そしてそれがシェインバウムによって引き受けられ実行されたのだ。
大衆的な支持
しかし異議も
この改革は、かつての司法システムに密接に結びついている右翼諸党からの猛烈な反対で迎えられてきた。しかしまたそれは、多くの裁判所労働者や公職者からの抵抗によっても迎えられた。かれらは、相談もなく押しつけられた改革を、疑問が残る社会的効果も合わせて強く非難した。他方それは、幅広い民衆的な支持を十分に受けたが、司法システムに対する拒絶感はそれほどまで深かった。
政治的には、この方策は特にブラジルやアルゼンチンにおける最近の経験に照らせば擁護できる。この両国では、進歩的政権に敵対するように司法が利用されてきた。
しかしその短所は著しい。つまり、候補者選定に対する不透明な基準、不鮮明なキャンペーン条件、操作の可能性などだ。これらすべての要素が権力集中への疑いを強めている。MORENAは今、大統領職、議会、そして司法のかなりの部分を支配しているのだ。
高くないものの
象徴的な投票率
右翼と主流メディアは、選挙の複雑さ、およびこの国を特徴づけている大量棄権を当てにして、ボイコットを呼びかけてきた。かれらは、10%に満たない投票率を期待し続けた。最終的には1300万人近く、登録有権者の13%が姿を見せた。この結果には依然限界があるが、それでも歴史的な転換点を印している。
この移行は、先住民ミシュテカでありサパティストの密接な元連携者であるウーゴ・アギラール・オルティスの、最高裁長官としての選出によって体現されている。しかし、クラウディア・シェインバウムが記録的な支持を受けている(70%以上)ような全体的な構図の中で、権力の集中は、先の移行が労働者の利益に役立つことになると保証しているわけではない。
これが近頃、教員の長期ストライキの終了に当たって繰り返された約束である市民サービスの超新自由主義的改革の取り消しに対する、政府の拒絶によって証明されている。(2025年6月19日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)
▼筆者はフランス内の第4インターナショナルメンバー、またNPA(フランス反資本主義新党)とその国際委員会の一員。(「インターナショナルビューポイント」2025年6月26日)
THE YOUTH FRONT(青年戦線)
・購読料 1部400円+郵送料
・申込先 新時代社 東京都渋谷区初台1-50-4-103
TEL 03-3372-9401/FAX 03-3372-9402
振替口座 00290─6─64430 青年戦線代と明記してください。


