リビア 深まる生活危機に民衆が抵抗開始

民兵のくびきの下に

ポール・マーシャル

 1ヵ月前、機関銃と重砲の爆発音がリビア首都のトリポリに響き、この国の安定化に終止符を打った。首相のアブドゥル・ドバイバの腐敗ネットワークを守るため民兵間紛争の引き金を引いたことへの彼の責任が、民衆の非難を巻き起こすことになった。
 安定支援機構(SSA)――ドバイバの国民調和政府(GNA)に公式に統合された民兵のひとつ――の指導者であるアブデル・ガニ・アルキクリは、SSAの陣地を攻撃するために即刻この情勢を利用したもうひとつの武装集団である444旅団本部で暗殺され、結果として戦闘員のほとんどは逃亡した。

 武力衝突続ける
 マフィア的徒党

 ドバイバは、民兵の時代は終わった、と語った。次いで彼は、しばしばラダ軍と呼ばれた宗教原理主義グループの特別抑止部隊を攻撃しようとした。このグループは、人道に対する罪でICC(国際刑事裁判所)から告発されたオサマ・ヌジェームに責任がある。ヌジェームはイタリアで逮捕されたが、その後釈放され、メローニ政府のおかげでリビアに密航した。
 444旅団がラダ軍を敗北させることができなかったばかりではなく、この攻撃もGNAを大きく弱体化した。GNAメンバーの半数が辞任し、ザウィヤ市出身の民兵が特にラダ軍を支持したからだ。
 これらの民兵間衝突は、ドバイバの競争相手であるハフタル将軍のイメージにおける絶対権力を得ようとの彼の切望を証明している。ちなみにハフタルは、彼の息子と共に国の東部を鉄拳で支配している。
 ミスラタ出身の実業家であるドバイバは、彼の一族閥がムンマル・カダフィとの間でもっていた良好な関係のおかげで彼の富を築いた。2021年における権力への彼の昇進は、8ヵ月以内に行われることになっていた選挙の組織化に結びついていた。4年後、未だ選挙は全くない。ドバイバはドバイバで、腐敗のネットワークを固める上で彼の時間を無駄にしなかった。そしてそれは、アルキクリとの強い競争関係の中にあり、原油の棚ぼたで育てられた国の財源を略奪する上ではるかに有効だ。

 貧困が上昇続け
 住民の不満形に

 ふたつの民兵間で署名された停戦の後、リビアの首都では再び不安定な静穏が支配している。しかしこれらの衝突は民衆の不満を悪化させている。トリポリの居住区数カ所でデモが組織された。これは殉教者広場に合流し、4千人以上を結集した。そしてこれらの決起は抑圧にもかかわらずその後の日々に続いた。ドバイバに反対し国の統一を求めるスローガンが唱和された。
 政治と軍のエリートたちが国の富を吸い上げるために力を合わせたり衝突したりする中で、民衆の状況は大きく悪化し続けている。GNAの経済相であるモハメド・エル・ハジェイは、リビア人女性の40%近くが貧困ライン以下、と語っている。民兵間衝突は少なくとも、リビアの住民の大きな部分による指導者たちへの拒絶を露わにするという利点を示すことになった。(2025年6月14日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)(「インターナショナルビューポイント」2025年6月20日)  

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