米国　対トランプ逆襲へ

2025年4月9日 2025年4月9日

admin

労組は抵抗準備始め
サンダースは政治運動開始

ダン・ラボッツ

　米国民衆の社会福祉システムと諸労組を敵視し高速かつ猛々しく動き続けているトランプとマスクに対し、トランプへの抵抗が国中でさまざまな形態で成長し、街頭に繰り出しつつある。

オリガルヒと
闘うツアー

　バーニー・サンダース上院議員は彼の集会に数万人を引き寄せている全国的な「オリガルヒと闘うツアー」に取りかかっている。彼はその集会で、トランプ大統領、共和党、さらに今米国政治を支配している億万長者に反対し力一杯声を大に語っている。拡声器から鳴り響く「人民に権力を」の歌と共に彼は演壇に上がり、いつものように99％のために語り、トランプと一体的に仕事をして今国を支配している１％を糾弾している。
　民主党の名札で２度大統領選の予備選に立候補した無所属政治家のサンダースには、米下院でニューヨークシティの１地区を代表している民主党員のアレクサンドリア・オカシオ・コルテスが同行し、かれらはその中で、民主党と共和党双方が支配している州で集会を行っている。サンダースとオカシオ・コルテス両者共、民主党の進歩的左翼の一部である民主的社会主義者だ。
　サンダースの集会に結集している人々はトランプに怒りをもち、民主党に失望し、彼らに代わってではなくかれらと共に遠慮なく語る誰かを捜している。サンダースが言うように「私がではなくわれわれが」だ。サンダースは群集に「われわれは草の根のレベルで組織できる、われわれは強力な労組活動家になることができる、われわれは億万長者に権力すべてをもたせるようなことはしない」「かれらに対するわれわれのメッセージは、人民は民主的社会を生み出すために闘い死んだ、というものだ」「みなさんはわれわれからそれを取り除かないはずだ」と語りかけている。
　サンダースは人々に、同じく今攻撃の下に置かれている連邦の労働者とかれらの組合に、社会保障、メディケイド、また公教育を守ることができる運動を構築するよう訴えている。サンダースはさらに、イスラエル向け兵器の88億ドル阻止に関し、上院での票決を強要することを計画中だ。サンダースは「（イスラエル首相の）ネタニヤフはこの残忍な戦争で米国の法令と国際法を明確に破ってきた」と語っている。

われわれの労組
に干渉するな！

　連邦労働者の状況は特に悲惨だ。トランプから力を与えられて、マスクはこれまで連邦労働者約４万人を解雇した。そして３月27日、トランプは団体交渉を終わりにする、つまり他の数万人からなる労組を事実上破壊する大統領令に署名した。数人の全国労組指導者はかれらのメンバーに今、国中の都市で４月５日大規模な「われわれの労組に干渉するな！」抗議行動に繰り出すよう訴えている（大結集を各メディアが報じた：訳者）。
　これらの労組のひとつである米通信労働者組合は「われわれの仕事と団体交渉に対するわれわれの自由は攻撃下にある。億万長者がワシントンで今采配をふるい、大量レイオフ、ガン研究への資金削減、社会保障受給者への新たな困難、そして、雇用主がわれわれの権利を侵した時に彼らに説明責任をとらさせる独立出先機関の解体に導こうとしている。……雇用主がわれわれの団体協約を破るならば、公正な取引をかれらが拒むなら、またわれわれの組合に加わるよう組織化する労働者の道筋にかれらが立ちふさがるならば、われわれは、われわれの権利を守るためにわれわれがもつあらゆるツールを使う」と書いた。
　諸々の削減と大量解雇に直面した幅広い広がりをもつ諸機関の連邦労働者は、トランプに反対する、また彼の取り巻きで億万長者のマスクに反対する抗議行動で特に精力的になってきた。連邦労働者は、米政府職員連盟や国庫職員組合やその他といったいくつかの労組内に分断されている。またすべての連邦労働者が労組に入っているわけでもない。したがって労働者活動家は、労働者を労組内と行動に引き入れるのを助けるために、「連邦労組活動家ネットワーク」という新たな組織をつくり出した。
　このようにしてわれわれは今、サンダースによって率いられ生気を与えられたひとつの政治運動を、また主要に連邦労働者から構成された労働者運動をもっている。それは、それらが成長を続け合流するならば、「抵抗」という用語に実体的な意味を与える可能性もあるふたつの運動だ。（「インターナショナルビューポイント」２０２５年３月31日）