スペイン パレスチナ連帯
やつらを通さなかった!
ビリアン・アングロ
3週間にわたりスペインをめぐる今年の自転車レース、ブエルタ・ア・エスパーニヤは、数々の記録を打ち立てた。スポーツの立派な成績という点ではなく、パレスチナでのイスラエルのジェノサイドを化粧で隠すためにそれが利用されるのを止める民衆的な決起、という点でだ。
この件で利用されたイメージ・クリーニングの出し物は、イスラエル・プレミアテックという名のチームだった。それは、カナダ生まれでイスラエル住民である百万長者のシルバン・アダムスの所有チームだ。そして彼は自身と彼のチームを彼の国を代表するひとつの大使と見ている。2018年彼は、ジロ・デ・イタリアをイスラエル内でスタートさせる際の道具だった。
スペインの親パレスチナ連帯には長い歴史があり、もっぱらというわけではないが、主に「パレスチナ占領反対連帯ネットワーク」(Rescop)が大きな声を上げてきた。この2年、国中で最も小さな町や村をも含んで、変わることのない大衆的な決起が起きていた。
先の運動は、築き上げられた勢いを利用して、イスラエル・プレミアテックを標的にすると決めた。これは、第5ステージのカタルーニャで始まった。相対的に小さなデモ隊が道路をふさぎ、タイムトライアルの中で短時間そのチームを何とか妨害できた。
レースが国をめぐって動くに応じて、ほとんどの各ステージは、一定数の逮捕にもかかわらず妨害のエスカレーションに見舞われ、イスラエル・プレミアテックを競争から外せという要求はより強まった。レース主催者はこれを無視したとはいえ、チームは結局その名称からイスラエルを外し、新しいジャージを着ることになった。
予定された最終ラインの数㎞手前で終わることを強いられた数々のステージという形のレースそれ自身に関してだけではなく、またメディア内や世論に関し、さらにスペイン政府に関してまで、実体的な影響力を持ち続けたひとつの運動にとって、先のことはどこでもほぼ十分とはならなかった。
市の宣伝と写真撮影の好機を楽しむ現地当局者を伴う受賞式典がその後に続く、マドリードをめぐるほとんど穏やかな走りにしかならないと想定された最終ステージに到達する時までに、ルート上の数々のポイントはすでに、行動の用意ができていた抗議参加者で一杯になっていた。
選手にコースを変えさせることでデモ参加者を避けようとの試みはほとんど効果がなかった。選手が通るよう予定された道路には群集が群がり、主催者は予定終点から55㎞手前でものごと全体の中止を宣言せざるを得なかった。
確かに、イスラエル―プロテックがレースから排除されることはなかった。しかし中断の強要、引き起こされた世評のダメージ、結果として起きている政治的はね返りは、連帯運動の勝利として、またそれゆえグローバル・スムード船団をめぐるものを含んで、さらなる行動に向けた跳躍台として理解された。
内戦時における反ファシストのマドリード防衛派の「ノ・パサラン!」(やつらを通すな!)をもじれば、今「ノ・パサロン!」(やつらを通さなかった!)と言うことも可能になった。スペイン政府は翌日、イスラエルに関する武器禁輸を命じるとの約束を維持できなかったことも理由とした圧力下で、ブエルタの中で取られた諸行動を支持すると言わざるを得なかったのだ。
アンティカピタリスタス(第4インターナショナルスペイン支部)のメンバーたちは、相当な部分の役割を果たした。しかし数万人の民衆の参加から力を引き出したのは何よりも、持続的で集団的な努力だった。
参加がすでに広告されているイスラエル・プレミアテックを抱える来年のツール・ド・フランスは、バルセロナで始まる予定になっている。必要なら激しい歓迎を準備する時間はたっぷりある。
▼筆者はカタルーニャのアンティカピタリスタスメンバー。(「インターナショナルビューポイント」2025年9月18日)
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