米国:IECの殺人行為
民衆内部で感情の底深い移行
ダン・ラボッツ
移民・関税執行局(ICE)による3人の子どもの母親殺害に関し、何百万人もの米国人が深く悲しみ、何千人もが国中の何百という都市や町で今抗議している。感情の底深い移行が起きつつある。より多くの米国人が今ICEに対してよりも抗議を支持している。1月10・11日に「ICE・アウト・フォア・グッド」抗議行動が全国規模で計画されている。そして数万人あるいは数十万人が行進することになりそうだ(実際そうなった:記者)。これは、米国の文化と政治における大きな転換点になるように見える。しかしまだ語るには早過ぎる。
冷酷な殺人
への正当化
ICE要員が、37歳になる3人の子どもをもつ白人の母親、レニー・ニコール・グッドを殺害した。彼女は、今年1月7日、彼女のコミュニティとその移民への連帯を示すために、ICEの作戦の現場にいた。彼女は要員が近づいたとき、現場から離れるため車を動かそうとした。しかしひとりの要員が車に3発発砲、米国生まれの米市民の彼女、グッドを殺害した。「敬虔なクリスチャン」とされた彼女は作家で詩人だった。
トランプ大統領、J・D・ヴァンス副大統領、国土安全保障省(DHS)長官のクリスティ・ノームのすべては、グッドがICE要員を攻撃しようとしていた、と主張した。ノームは彼女を「国内テロリスト」と呼び、「彼女は全日要員を追いかけ回し続け、嫌がらせをしていた」と語った。保守派のニュースメディアとブロガーたちは、グッドを敵視する主張を膨らませ、自ら自分を殺したとして彼女を責めた。
現地と政府
真っ向対立
州と現地の公人たちは、グッドの殺害を非難し、混乱をつくり出し、暴力をもたらし、彼女の死を引き起こしたとして、ICEを責めた。民主党ミネアポリス市長のヤコブ・フレイは「私はICEに対しては一語しかない。ゴロツキはミネアポリスから出て行け、だ。われわれはここで君たちを求めていない」と報道に告げた。
現地の当局者たちは、ICEがかれらの殺人事件捜査を妨げていると述べ、彼らの捜査を認めるよう求めた。また民主党のミネソタ州知事のティム・ウォルツもグッドの殺害を、「止めることができ」また「必要なかった」「われわれのもとには、何であれ全く理由なく自分の車中で死亡した人がいる」と述べた。そして、この殺人に抗議することは「愛国者の義務」だ、と言明した。また、彼は州兵を今召集している、とも語った。
われわれは、民主党知事のウォルツが司令官になる州兵とトランプが司令官のICEとの間で起きる衝突の可能性も想像してよい。そのような衝突は、トランプが反乱法に訴え、州の支配に向け米軍を出動させる余地をつくりだすと思われる。
ICE批判
議会に波及
「レニー・ニコール・グッドの殺害は忌まわしいできごと、不名誉であり、血は、暴力的な重罪犯をこの国から取り除くことに結びついた移民捜査とは何の関係もない、そのような極端な政策を推し進めてきた政府内の諸個人の手に付いている」、下院少数派のハキーム・ジェフリーズはこう述べた。民主党上院議員のクリス・マーフィーは、ICE要員に逮捕状確保を要件にし、執行活動に取りかかる際にはマスク着用をかれらに禁じ、国境パトロール要員が国境から遠く離れて活動することを妨げる、そのような法制定を準備中だ。
何人かの民主党議員は、ICEから資金を引きあげると脅している。マーフィーは「民主党はこの要員の無法さの高まりを抑制していない〔国土安全保障省〕予算には投票できない」と語った。
常軌を逸した
移民への攻撃
グッドの殺害は唯一の事件だったとはとうてい言えない。1月8日オレゴン州ポートランドで、2人の国境パトロール要員が車を止め、2人のベネズエラ人移民を射殺した。政府は、ひとりはベネズエラのギャングのトレン・デ・アラグアのメンバーだった、と主張している。しかしここまでに情報がこれから出てくる気配はほとんどない。
オレゴン州選出の下院議員、マキシン・デクスターは「ICEはこれまで何もせず、われわれのコミュニティに恐怖、混沌、冷酷さを注入してきた。トランプの移民機関は、われわれのコミュニティを支配しようと――権威主義者の脚本から一直線に――暴力を利用し続けている。ICEはポートランド内の活動作戦すべてを即刻終わらせなければならない」と述べた。
ICEは、トランプがそのポストに戻って以来少なくとも16人を銃撃し、4人を殺害してきた。同時に、32人の人々がさまざまな原因でICEの拘置所で命を落とした。トランプ政権は、これまでに60万5千人の移民を国外追放し、他方190万人が普通は追放を避けるため「自ら国外に出た」。自ら出国する者たちは、時に航空運賃や千ドルの資金を受け取っている。(2026年1月9日〈1月10日に最新化〉、「ニューポリティックス」より)(「インターナショナルビューポイント」2026年1月11日)
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