イタリア 改憲国民投票
極右政府に圧倒的ノー突きつけ
シニストラ・アンティカピタリスタ
右翼議会多数派
の思惑を粉々に
人民の投票が極右政府の破壊的な計画を拒絶した。今こそ政府打倒へ、戦争と再軍拡の停止へ、さらに労働者階級から奪われた市民の権利と社会的権利の取り戻しへ決起しよう!
国民投票の結果はめざましい形でメローニ政権の破壊的計画を拒絶した。確認を求める国民投票における1500万票の「ノー」が「イエス」票を2百万票以上、ほぼ7%上回った(53・5%)。
59%になった投票率は、特に近年の棄権に向かう傾向からのひとつの変わり目を印している。「ノー」票だけでも大雑把に、不安定雇用、公的契約、市民権に関し昨年CGIL(イタリア労働総同盟)が提案した国民投票での投票総数に匹敵している。明らかに、「イエス」キャンペーンによる、特に右翼政治勢力による戦闘への呼びかけは、この結果に決定的に力を貸した。
しかしながら、この結果は、その勝利を確信して国民投票を急かしてきた右翼議会多数派の政治的思惑をひっくり返すことになった。CSM(行政長官最高評議会)に関する憲法改革は、閣議で承認され、両院の議会読会の間に取り入れられる修正がひとつもないまま採択された。憲法改革は二回の票決として、過半数の右翼により実行され、議員の絶対多数によって承認されたのだ。そこでは、国民投票を回避できたと思われるような、3分の2という要件を備えた多数を確保するいかなる試みもなかった。実際国民投票は、最初右翼議員自身によって求められたのだ。かれらは、かれらの破壊的計画のこの部分を即座に仕上げようと望んでいた。
憲法変更
の3部分
かれらが欲した改憲の第1は、かれらが確実化したと考え、今日もなお追求中のものだが、地域の自律性に差をつけるという変更だった。これはその本質が憲法裁判所によって拒絶された。しかし政府は、諸地域との実施協定に署名することでこの構想を推し進め続けている。
2番目の改憲点は、司法の行政権力への従属になったと思われる。それは以下のものから構成される。
*ふたつの機関へのCSM分割。
*司法メンバー選抜に向けた抽選システムの導入。
*最高規律法廷の創出で、このメンバーも抽選で選抜される。
*議会にすでに上程されたもうひとつの改憲提案との一体化。その提案は、捜査司法の政府への従属を公然と提案していた。
第3の改憲点は、議会共和制を実質的な大統領制に変えることになっていたと思われる。いわゆる「プレミエラト」であり、それは政府首班の直接選出を規定すると思われるものだ。
政府はさらに、強力な多数派創出の選挙改革の導入をも強く求めた。それは、2回投票の導入に基づいて、40%あるいは僅か35%でも得た連合に対し、60%までもの多数派ボーナスを導入するというものだ。まさに、免責を追い求め、社会運動と抑圧され搾取された者の要求に対する抑圧と「統治力」にとりつかれたブルジョアジーのP2(鍵を握る国家の地位にいた1970年代に影響力をふるったネオファシスト指導者たちの秘密のフリーメーソン風支部)的伝統、およびファシストに調和する計画だ。
右翼に対し
後退を強制
この民衆的投票は、この計画の大きな後退を刻み付けている。2022年、右翼の政治勢力は、ピウ・エウロパ、イタリア・ヴィヴァ、さらにアツィオネ(いずれも中道左派、あるいはリベラルと区分けされる政党で、親新自由主義の色が濃い:訳者)に向かった3百万票近くと並んで、1200万票以上(今回の国民投票のそれよりも高くさえあった64%の投票率)で議会過半数を確保した。ちなみに前記3勢力の大勢は今回も「イエス」投票で同調した。今回これらの勢力が確保したのは、1500万の「ノー」票に対比して1300万票に過ぎなかった。
この数字は、もうひとつの紛れもない事実の証拠になる。つまり、現在の議会は有権者を代表するものではなく、したがって、可能な限り早期に行われる新たな選挙に基づき解散されなければならない、ということだ。
実際議会は、主なふたつの理由から代表機関ではない。
第1の理由は、その下でそれが選出された選挙法に関係している。この法は、1人選挙区を通した単純小選挙区制を制定している。右翼の諸政党はそのおかげで、確保した得票率が約44%であっても、絶対多数議席を得ている。それがかれらに、公衆の国民投票で昨日拒絶された改憲採択(彼らの選挙綱領の核心部分)を可能にさせた。したがって、議会の議席配分が投票箱で得た票数に比例するような、比例選挙制を再導入する選挙制度改革を続行することが必要だ。
第2の理由は、政権の諸行為に関係する。この政権は近年、資本家寄り緊縮政策を続けることによって、また労働者、移民、女性、そして確立された秩序への異議突き付けを試みるすべての者の自由を縮小してきた治安策を制定することによって、住民の広大な層の生活条件と労働条件を相当に悪化させてきた。その間賃金は購買力を失い続け、労働者の安全は一層危険になっている。まさに国民投票の当日、パドヴァ(イタリア北東部:訳者)地域で工業機械に押し潰された若い労働者に関するもうひとつの報告が現れた。
国際連帯
が助けに
何よりもまずこの政権は、トランプとネタニヤフの帝国主義の傲慢さと連携してきた。それは、イスラエルとの貿易関係を続けることによって、さらにガザで使われてきた兵器を供給することまで行って、自らをパレスチナでのジェノサイドの共犯者にしてきた。
メローニは、EU内で米国人大君の対話相手として自らの位置を定めつつ、ベネズエラやイランに関するトランプの国際犯罪に、また米国の攻撃的貿易政策に沈黙を守ってきた。政府は今、エネルギー移行政策の解体を助け、その常軌を逸した軍拡競争でEU委員会を支え続けている。
昨秋浮上したパレスチナとの連帯運動は、大衆内部における右翼の支持減少に関する最初の大きな兆候だった。われわれは、多くの労働者のデモやストライキへの参加(特に教育や交通といった部門での)を、しかし何よりも多くの若者の参加を見た。そしてかれらは昨日国民投票で決定力になったと証明した。
政党や労組の指導部にこびりついた先見の明のなさだけが、その運動が続く数ヵ月間その声を届かせ続けることを妨げた。そうであっても、決起への準備万端と抜本的変革への切望の点で、表面下で何かがくすぶっていることは鮮明だ。われわれはこれを、女性に対する暴力に関するボンジョルノ法反対の抗議、そして3月8・9日のデモでも見ている。
3月28日のデモ
組織化で追撃へ
3月28日、戦争と再軍拡に反対し、ローマで大きな全国デモがある予定だ。それは、以下のような新しい活動家世代と社会運動家によって組織され、米国と英国でも行われるデモを伴う、「共にノー・キングス」の世界的決起の一部だ。
*翌日再び出航を準備中の「グローバル・スムード船隊」の人々。
*「ストップ再軍拡ヨーロッパ」ネットワーク。
*治安諸方策反対の「フル稼動」ネットワーク。
*今日イタリアで起きている決起と争議を推進中の、階級を基礎とする多数の左翼の社会的勢力と政治勢力。
これは、反動的な右翼に対する実体的反対を街頭で見せつけるひとつの決定的な機会になるだろう。これは、根底的に代わりとなる政治構想を建設するための闘争で始まるひとつの反対勢力だ。それは、新自由主義ブルジョアジーに従属しているような議会野党の、いわゆる幅広連合の反対とは異なっている。それらの勢力が、多数派だった時、メローニと彼女の協力者たちが今遂行中の右翼的諸政策に対し、基礎を据えたのだ。
大衆的決起のみが右翼のネオファシスト的構想をその根本で打ち破ることができる。今回の国民投票結果と3月28日のデモ成功をもって、社会的闘争の再起に向け基礎を形成しなければならない。
*賃金、職場での安全と権利の取り戻しに向けて。
*教育と保健を手始めに、公共サービスの再生に向けて。
*そして、王と専制者に対決し、再軍拡と戦争の政策を打ち破るために、世界的に人民間と労働者階級間の連帯と平和の構築に向けて!(2026年3月24日、シニストラ・アンティカピタリスタ)
▼シニストラ・アンティカピタリスタは、イタリアにおける第4インターナショナルの1組織。(「インターナショナルビューポイント」2026年3月29日)
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