パレスチナ ガザの現状

ジェノサイドが再開へ
エドアール・スーリエ

 いわゆる休戦の背後でガザの再建は妨げられ、イスラエルはすでに新たな大規模な攻撃を準備中だ。イスラエルの場合はいつものように、合意は尊重されず、休戦は主に、再軍備と次の攻撃に向けた準備のために利用されている。このいわゆる休戦期間に8百人近くが殺害された。

代償提供のない
武装解除の要求


 ネタニヤフは、イスラエルは今は「ハマスに焦点を絞る」だろう、と語り、ガザに対する高強度戦争の新たな局面を示唆した。イスラエルのあるTV局は、ハマスと他のパレスチナ人諸派が彼らの武器を置くのを拒否したとして、参謀部と軍が攻撃再開を準備中、と暴露した。
 主なパレスチナ人諸派――ハマス、ファタハ、PFLP、DFLP、そしてイスラム聖戦――とトランプの「平和評議会」の「ガザのための上級代表」であるニコライ・ムラデノフの間で4月に行われた会合の中で、これらのグループのすべては、数ヵ月前の休戦の最初の局面で行われた約束をイスラエルが実行できない限り、どんな武装解除も議論できないとした。そしてその約束には、ガザ回廊からの順次撤退、人道援助や諸材の自由な搬入、再建開始が含まれている。

戦後再建
をも妨害


 4月早々、ファタハとハマスの代表が再建と武装解除を含む戦後局面に動く方策を討論するためにカイロで会合した。両組織は、人道的再建をを始める目的による「ガザ行政国家委員会」――「技術専門家委員会」として、またガザ統治のためのパレスチナ人で構成されるとして知られている――の創出を歓迎した。
 しかしながら、この委員会は依然として「平和評議会」の下位に置かれたままであり、イスラエルの諸機関からの独立性もないまま、パレスチナの政治諸機構からは切り離されている。それにもかかわらず道化芝居には全く限りがないように見える。何とこの委員会は、ガザ回廊に入るのもいまだイスラエルからは認められていないのだ。

橙、黄色、緑が
植民地化を象徴


 新たな攻撃が始まる以前ですら、ガザの状況は悪化し続けている。イスラエル軍は、休戦協定後に設定されたいわゆる「イエローライン」を越えて、ガザ回廊内部でのかれらの実質的な支配下にある地域を拡大してきた。
 このイエローラインは、さまざまな局面の進行を通じて徐々に後方へと下がっていくものと想定されていた。しかし真実は反対になっている。イスラエル当局は、人道諸組織に新たな地図を送りつけ、「オレンジライン」と仮称されたもっと広い進入制限区域を明確にしてきた。そしてその地域だけでも、当初の「イエローライン」を越えた場所を占め、ガザ領域の約11%に当たっている。同時に占領軍は、破壊を通じてこの「イエローライン」を海の方へと押しやっている。事実上、イスラエル支配下の領域はガザ回廊で約10%拡大している。

占領は今も
拡大の一方


 イエローラインとオレンジラインという「見えない」境界はまた、それが分からない場合であっても、それに近づく誰にとっても命が脅かされるゾーンになってもいる。いくつかの証言によれば、ある地域で眠りにつき、イスラエル軍がそのラインを動かした後、もうひとつの区域になったところで目覚める箏もあり得るのだ。事実上ガザの人びとは今、かれらの元々の領土の僅か40%の中で生きるように変えられている。
 イスラエルの軍事的支配下にあるガザ回廊の一部――いわゆる「グリーンゾーン」――では、イスラエルが、ハマス戦闘員との口実でガザの警察要員を標的にしあるいは殺害しつつそこで活動するいくつかの武装民兵を組織し、資金で支えている。しばしばハマスが管理してきたガザの市民社会組織のこの体系的な破壊もまた、正常な暮らしへのあらゆる回帰を妨害する解体戦略でもある。先の暗殺もまた、直接のイスラエルの指令下で武装ギャングが警察力の役割を果たすのを可能にしている。
 西岸とレバノン南部の事実上の併合とひとつながりになるガザでの戦争再開、さらにガザでの排除は、ナクバの激化という環境を作り出している。西岸の完全な併合は今なおたとえうまくいきそうにないとはいえ、イスラエルは、その国際的な免責へのあり得る異議突き付け以前に、大規模な攻撃を加速したがっているように見える。たとえそうだとしても、この免責はこれまで極めて僅かな制限しか受けてこなかった。

国際連帯拡大へ
さらに注力必要


 しかしながら、パレスチナ人は受動的なままとどまってはいない。ガザの諸派と諸グループは、ほぼ3年のジェノサイドにもかかわらず、今も行動力を保っている。パレスチナ自治政府の共謀にもかかわらず、諸グループは西岸の難民キャンプで、またC地域の村々でも、特に入植者の暴力の大波をものともせず組織化を続けている。自己組織化された諸グループは住民、家畜、また家を守ろうと努めている。
 パレスチナ人のスムード(「不屈の意志」を意味するが、1967年のアラブ・イスラエル戦争後に生まれた多元的な抵抗戦略をも指す:訳者)は、占領、植民地化、またジェノサイドにもかかわらす今も存在を保っている。しかし情勢は、パレスチナの政治生活が抱える麻痺とこびりついた断裂によって複雑化している。
 パレスチナの知識人で「スレイマン・ハラビ植民地研究・イデオロギー解放研究所」創設者であるハレド・オデタッラーによれば、この危機は、イスラエルの占領によって社会組織が破壊された後で、現在解放の目標を明確に定めることができていない社会の危機だ。占領の暴力は、労組、学生運動、市民団体といった社会的組織を荒廃させ、多くの者を殺害し、何千人以上も投獄している。
 それはさらにパレスチナ人を別個の地理的実体へも分割している。たとえば西岸とガザ間の隔離は、何年にもわたって築き上げられ、エルサレムとイスラエル市民権をもつパレスチナ人は言うまでもないが、西岸の北部と南部間には異なった現実が生み出されてきた。そして、これらの地域各々には、多様な利害に基づく多くの社会グループがいる。
 政治的な代表は通常、社会的なグループ間の相互作用と闘いから現れ、そしてそれが底辺から社会の代表を築き上げる。この過程がイスラエルの隔離と抑圧によって系統的に妨げられてきた。そして統一された指導部の欠落になっているのだ。
 われわれは長い間、パレスチナの統一された政治的応答の可能性は、イスラエルに圧力をかけることによって国際連帯が生み出すことができる空間にもかかっている、と説明してきた。ナクバ記念行進は、パレスチナ人民およびかれらの抵抗の存在をわれわれに思い起こさせるためにこそある。(2026年5月14日、「ランティカピタリスト」よりIVが英訳)(「インターナショナルビューポイント」2026年5月24日)

THE YOUTH FRONT(青年戦線)

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