フランス 前進する高校生の闘い
自己組織化基底にゼネストで民衆の回答を
前例のない運動が始まった
アントワーヌ・ララーシュ/エルサ・コロンジェ
大きな意味のある運動の出現
10月6日の行動日は例外的だった。学生連合によれば大学の90%が封鎖され、ユニオン・シンジカール・リセエンヌ(高校生連合)によれば1800の高校が封鎖され、運動はその始めから2006年のCPE(初期雇用契約、職の不安定化助長への若者の強い反対で政府は撤回に追い込まれた:訳者)に反対した運動――成功に終わった若者の最後の大規模な運動――よりも強力だ。この運動の将来はおそらくもっと意味がある。
この運動は労働者階級の居住地域で始まった。そこでは高校生が、資金不足によってこの国でもっとも過酷な学習と生活の条件――スタッフ不足や学舎の貧弱な状態を含む――に直面している。そしてそれが、染み込んだレイシズムと権威主義に結びついた特にパークルスアップ(註)に体現された社会的差別と並んで、かれらの学習能力を次第にそこなっている。
この決起を全体としての若者に広げたのは、内相の言葉としての「抑制のない」弾圧だ。そしてわれわれはその言葉によって、警察が自らに、民衆に身体障害を残し、視力を奪い、拷問し、収監するのを許している、と理解しなければならない。労組と諸々の政治組織が近年抗議に乗り出すのをためらっている中で、若者たちはかれらの団結した対応に誇りをもって良い。若者たちは、社会的闘争、反レイシストの闘い、そしてパレスチナを支持する闘いを今擁護している。
決起は全体構図の中で理解可能
この決起は、フランスの社会状況と進行中の政治的かつ階級的な対立を分析することではじめて理解できる。購買力は、特に食品とエネルギー価格が原因で急速に悪化している。一方公共サービスの質は益々悪化し続けている(交通、住宅、教育、医療ケア!)。そして政府の正統性は極めて低い。諸々の抗議行動は、市民サービスに関する最初の行動日(9月29日)に続いて、購買力改善を要求して10月17日(全国で80万人が決起:訳者)と11月5日に計画された。そしてそれは混じり合った反応で迎えられた。
政府がしでかした暴力もまた、この流れの中で理解されなければならない。つまり、権力を握る者たちの怖れだ。かれらは、この運動が広がり、社会的で政治的な怒りの広範な表現を引き起こしかねない、とすぐさま実感したのだ。かれらは、権威主義とレイシズムの空気がかれらのこの弾圧を受け容れさせるのを可能にする、と確信していた。
しかしかれらは計算違いをした。かれらは、高校外での集まりに関する広範な禁止――完全に前例がなく、またウルトラな権威主義的な方策――によって10月6日の決起を抑制しようともくろんだ。そしてここでもまたかれらは、この禁止を強要できないばかりか、決起の規模によって完全に圧倒された。
この方策は同時にあらためて、独裁の危険はRN(国民連合、マリーヌ・ルペンの党:訳者)からだけ現れるのではない、と示している。現在の危機を解決するために、支配階級は右翼と極右間の連合を形成する用意ができている、ということもあり得るのだ。
さて今は? 共に運動建設へ!
尋常でない運動は強固にならなければならない。そして――疑いなく――強固になるだろう。今後の日々を通じた高校内の論争に向け時間を稼ごうとの政府の画策は、みじめに失敗するだろう。それが制度的な制約なしに自らを自由に表現する若者たちの必要に応えていないからだ。また、運動がすでに高校の範囲をはるかに超えて広がっているからだ。
強固になるためにはいくつかの点が不可欠だ。
◦要求。
この運動は、貧困から高校生を引き上げるための、前面に置かれた予算のパッケージ――たとえば、2百億ユーロ(FSU〔多数派の教員労組連合〕は今10年にわたる年50億ユーロの緊急計画を求めている)――や、最大生徒20人のクラス規模に基づく諸要求からなるひとまとまりの政綱、の採択を追求しなければならない。
それは、選抜のあらゆる形態に断固として反対しなければならない。つまりわれわれは、パークルスアップやモンマスター(修士号出願システム:訳者)を終わりにし、「全学生がかれらが選択した大学でかれらが選択したコースに登録される権利をもつ」(1984年のサヴァリー法)(高等教育に関する法:訳者)という原則に戻らなければならない。
運動の内部ではこれから他の要求が現れてくるだろう。それらがうまくいくために必要な具体的な強さを与えるのが難しいとしても、財源、教育方法、パレスチナ、レイシズム、また環境に関するものだ。警察の非武装化も、予想できる具体的な要求になると思われる。
◦自己組織化、大衆動員、統一。
あらゆる運動は、大衆自らの活動を最大化するよう努めなければならない。しかし、この問題意識は、自己組織化と組織の統一との間において、少数派の急進化とあらゆる人々を運動の場に連れ出す必要性との間において、そして自己組織化の構造と既存の組織そのものとの間において、常に緊張関係を生み出す。活動家の責任は、自己組織化のための民主的な枠組みを構築するために努力することである。それは、少数派を結集するだけではなく、常により幅広くかつ統一した形で動員を目指す枠組みのことであり、妥協を受け入れることをも意味する。妥協をおこない、政治的な行動を可能にする民主的な代表制を建設するために、全国的な調整機関と中央ストライキ委員会の確立を追求しなければならない。
◦ゼネストを現実的な脅威にする。
40年以上の間、あらゆる運動は――特に若者の運動は――ゼネストの可能性を権力を握る者たちに恐れさせないことで、成功しなかった。したがって運動は、労働者に達することをひとつの優先事項にしなければならない。青年層を見捨てることなく(職場に行って、職場の外でキャンペーンするためだけに、高校生を自らの闘争から引き離すようなことはしない)、とりわけ運動のペースをめぐる討論の中で、そして草の根から指導部に至るまでの労働組合組織に働きかける際に、大きな決意をもってそれを行うのである。
最初の1歩は、教育部門でストライキを組織することだ。少数派による封鎖だけでは不十分になり、政府はたとえばリモート教育を通してそれらを迂回する方法を見つけることになるからだ。
活動家と諸組織には、若者運動の範囲を超えて、若者の運動の主要な要求を拡散するだけでなく、賃金、年金、所得と公共サービスのあらゆる形態を含むようにその要求を広げることまでの責任がある。正味4百ユーロの賃上げ、そして百万の新たな公共部門職の創出は、この運動を広げ強めることができる方策だ。
政治的な正面対決の構築を
この決起はすでに強力な政治的な性格を獲得している。それは、パレスチナ、レイシズム、階級的分断、政府とマクロンの正統性を問題にしている。政治化は、それが運動を強化する具体的な要求と草の根の活動への必要を忘れさせないならば、この運動にとっての資産になる。
この闘いの中で、左翼のある者たちは、2027年の選挙での勝利を追い求めている労組機構や政治家を非難することで、あるいは社会革命を声を大に求めることで分裂の種をまこうとするだろう。他方一定の組織は、交渉し情勢を安定化させようとするだろう。あるいはマクロンの辞任を求めるのを拒否するだろう。
しかし政治化は間違いなく、ある与えられた時点での、運動の成熟レベルの具体的な表現だ――マルクスは、人間はそれが解決できる問題だけを提起する、と語った。当面可能性があると思えることは――特定の要求で成果を上げ、同時に特に弾圧問題に関連して政府の正統性のなさを際立たせるために――、この運動の発展レベルに応じて、「マクロン出ていけ」や「ルコルニュ政府打倒」のような要求に着実に取り組むこと、予算、つまり社会的必要と戦争に向かう道の間の対立というもっと幅広い問題に焦点を広げること、ゼネスト(あらゆる者が知っているように、指令されてはならず、構築されなければならない)や憲法制定会議に向けて活動すること、などだ。
国家予算に関する票決の準備はすでに危うくされつつあり、それはまったく良いことだ。つまりこの運動は、あらゆる政治勢力に今後圧力を及ぼすだろう。われわれは今日を起点に、急進的左翼全体に、特にLFI(不服従のフランス)に、統一が選挙に関してだけではなく社会的なものになることを保証するよう訴えなければならない。予算討論は、昨年のように国民議会に限られたままであってはならない。そこに代表をもつ政治諸組織は、街頭の社会運動との結合を鍛え上げる責任がある。
現在の決起はあらゆるものに異議を唱えている。それは、一連の矛盾が土壇場に来つつあるという意味でひとつの危機だ。したがってそれは、極右のRNの位置から労働運動と他の諸階級間の力関係まで、すべてを変える可能性がある。そして大統領選の結果も。
したがって、それには最大限の真剣さをもって取り組まなければならない。勝利であれ敗北であれ(交渉によるものから左派の無鉄砲な暴走まで多様な形を取り得るが)、その結果が今後数カ月、あるいは数年にわたる情勢を左右するからである。政府を打倒したスペインの抗議運動や、ベルギーの高校生の抗議行動が、すでに道を開きつつあるだけに、なおさらである。(2026年10月6日、「インプレコール」より訳出)
▼アントワーヌ・ララーシュは、インプレコール編集者でフランスの第4インターナショナル指導部の一員。
▼エルサ・コロンジェはフランスNPAの指導的メンバー。
(注)高等教育機関への出願プロセス。(「インターナショナルビューポイント」2026年10月10日)
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