米国 トランプの植民地主義的攻撃

ベネズエラとその石油支配公言

ダン・ラボッツ

 1月3日トランプ大統領は米軍に、ベネズエラを攻撃し、ニコラス・マドゥロを拉致するよう命じ、麻薬取引と麻薬テロを理由に法廷に立たせるためにニューヨークシティに移送した。記者会見でトランプは語った。「われわれはその国を運営するつもりだ」と。そしてその石油産業も。

 政界でも
 批判続出

 米国の法律と国際法の両者に違反するこの攻撃は、百年以上の間行使されてきたひとつの役割、つまり西半球への支配を米国があらためて権利として主張することを見せつけることが意図されている。彼は、キューバ、メキシコ、またコロンビアにも軍事行動をとるかもしれないと示唆した。
 民主党議員、また数人の共和党議員も同じく、大統領を即座に批判した。上院少数派指導者のチャック・シューマーは、攻撃を「無謀」と呼び、行政府は「その目的について即刻下院に必要な情報、および人道的かつ地政学的な惨害を防止するための計画、を示さなければならない」と語った。ティム・ケイン上院議員(民主党)は、米国は「明確な下院の認可がないままベネズエラとの戦争になってはならない」との二党による決議案に関し翌週票決を強く求めるだろう、と語った。
 下院議員のデリア・ラミレス(民主党)は「トランプは弾劾されなければならない」と語った。彼女は、行政府の戦争権限を抑制する、そして下院の統制権を再主張する立法の通過を訴えた。
 ニューヨークシティの新たな民主社会主義者市長のゾーラン・マムダニは「主権国家に対する一方的な攻撃は戦争行為であり、連邦法と国際法に背反する。体制変革のこのあからさまな実行は、海外の人々に影響を及ぼすだけではなく、この都市を故国と呼ぶ何万人ものベネズエラ人を含んで、ニューヨーカーに直接強い影響を与える」と語った。

 民衆的抗議行動
 共和党にも異論

 反戦の抗議行動がニューヨークシティからシカゴへ、またサンフランシスコやロスアンゼルスへと、国中の都市で噴出した。しかしいくつかの小さな町でも、現地のグループにより組織された抗議行動があった。また、ワシントンDCのホワイトハウスでも抗議行動があった。
 ほとんどの共和党議員は、えこひいきと恐怖を通して党を支配するトランプに対し、かれらの支持を早々に宣言した。下院軍事委員会の一員であるドナルド・ベーコン下院議員(共和党)は、ベネズエラ人にとって作戦はよかったように思われると考える、と語った。しかし、「私の主な懸念は今、ウクライナに対する違法で残忍な軍事行動を正当化するためにロシアがこれを利用するだろうということ、あるいは台湾侵攻正当化のため中国も、ということだ」と付け加えた。
 トランプのMAGA(米国を再び偉大に)運動の何人か、たとえばマージョリー・テイラー・グリーン(MAGA急先鋒の共和党下院議員)は「これはMAGAの多くが終わりにするために投票したことではない。何だ、われわれは間違っていた」と語った。

 米帝支配の伝統
 断ち切る闘いへ

 自らを「平和の大統領」と呼ぶ、そして「永遠に戦争を」終わらせるだろうと約束したトランプはむしろ、ラテンアメリカにおける米国のクーデター、軍事介入、そして戦争、という長い伝統に従い続けているように見える。
 米国は1846―48年からメキシコに戦争を仕掛け、その領土の半分を奪った。1898年の米西戦争では、米国はキューバを保護国にし、プエルトリコを植民地にした。1903年に米国は、運河を建設し支配する目的で、コロンビアからのパナマ引き離しを組織した。米海兵隊は、1906―09年および1917―33年キューバに、1916―24年ドミニカ共和国に、1912―33年ニカラグアに侵攻し占領した。米国は、1954年にグアテマラ政府を、1973年にチリ政府を打倒するクーデターを工作した。そして、1983年にはグレナダに、1989年にはパナマに侵攻し政府を倒した。しかもこれらは、この地域内における米国のもっともあからさまな侵略にすぎないのだ。
 トランプは自ら、右翼のクーデター指導者であるジャイロ・ボルソナロを支援してブラジルに介入し、右翼のハビエル・ミレイアルゼンチン大統領に2百億ドルの貸し付けを手配した。そして今彼は、ベネズエラを接収しようとしている。
 われわれ社会主義者はベネズエラで独裁体制を確立したマドゥロを支持しない。しかしわれわれは、ベネズエラへのトランプの攻撃、マドゥロ拉致、またラテンアメリカを支配するもくろみを糾弾しそれに反対する。われわれは、「ベネズエラから手を引け」、「石油のための戦争ノー」のプラカードをもって街頭にいるだろう。(2026年1月4日)(「インターナショナルビューポイント」2026年1月4日)  

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