ポルトガル:左翼ブロック全国大会
右翼打倒へ左翼の合流めざす
左翼への道開く鍵は闘争 ゼネストにある
ホルゲ・コスタ
以下は、巨大なゼネスト成功(本紙1月26日号参照)を受けて大統領選に向かう情勢の混沌とした状況を伝えている。なお大統領選第一回投票の結果、社会党候補者と極右の候補者が2月8日の決戦投票に進むことになった。左翼ブロックの候補者は2%を得、左翼三党ではトップになり、昨年議会選の得票率を維持した。(「かけはし」編集部)
11月29、30日に開催された左翼ブロックの14回大会は、決定的なときに行われた。つまり新労働法に反対する12月11日のゼネストのちょっと前、左翼諸政党にとっては不振の結果を伴った議会選と地方選の後、そして現在の右翼の支配的影響力を映し出す大統領選を2ヵ月足らずで控えるとき、ということだ。
ゼネストは政治的にも成功
トロイカの日々以後で初のゼネストは、2つの主要労組連合であるCGTP(ポルトガル労働者総連合)とUGT(労働者総連合)によって呼びかけられた。こうした呼びかけは、独裁の終わり以来行われた10回のゼネストの半数でしか実現したことがない。左翼の現在の孤立にもかかわらず、労組運動の主導性の単なる断言が、民衆的な論争の条件を変えることを可能にした。それは、右翼によって先導され、公的空間を専有する憎悪と嘘のキャンペーンからなる耳をつんざくような騒音でごまかされた、社会的退行の進行をはっきりさせた。
労働法パッケージの残忍さは、少数かつ不安定な政権の実態を暴き出している。この政府は、社会的力関係の中で労働者の地位を永久的に掘り崩す機会を確保し続けている中で、可能な限り素早く可能な限り多くの打撃を与えることを目指している。
この脈絡の中でのゼネストは、国家部門だけではない参加規模の点で成功だった。つまり、航空部門での最低限のサービス、フォルクスワーゲンや三菱ふそうでの、また商業や工業部門まで含むストライキだ。CGTPによれば、3百万人以上の労働者が闘いに加わった。交通のほとんど全面的な途絶にもかかわらず、リスボンにおけるデモは何万人という人々を結集し、それは大部分若者と未組織労働者で、かれらはかれらの存在感を感じさせた。
ゼネストは政治的にも1つの成功だ。つまり、12年を経たまた統一されたやり方でのその呼び掛けが、攻撃の深刻さに対する大衆的な気付きを生み出すことになり、この立法パッケージを通過させるためのPSD(社会民主党)・シェーガの議会過半数形成を困難にした。
雇用主だけが新たな法に関し熱を上げている。実際調査では、問われた者の3分の2はストライキの理由に同意すると語っている。右翼の大統領選候補者の誰もが公然と反改良を支持する勇気はなかった。与党と提携している労組活動家もゼネストに参加し、そして同日、ストライキを無意味と描く政府のやりくちは嘲りで迎えられた。
何週間も労組を攻撃し、新法を擁護したネオファシストの指導者は今や、ストライキ労働者の理由を理解していると主張し、政府提案の非道な要素のいくつかの撤回についてふれ回っている。われわれは、アンドレ・ヴェンチュラ(シェーガ党首:訳者)が彼の議会投票でブルジョアジーを喜ばすために払うのもやむを得ないと考える政治的対価がどんなものかを、これから知るだろう。
右翼の支配的影響力が明確化
史上最悪の結果にある左翼、およびネオファシストに追い越された社会党(PS)を理由に、社会党の新たな指導部はこの5月の議会選直後、現モンテネグロ政府の国家予算の承認を保証するのをいとわない、とはっきりさせた。これは、右翼の反改良がシェーガとの合意により承認されようとしている時と同時的だった。われわれは後で現在の政治情勢に戻るだろう。
10月の地方選では、最大都市を右翼が獲得するという形で、右への移行がより断言的になった。自治体での強力な伝統をもつPCP(共産党)は、その被選出代表の3分の1、およびそれが今も統治していた2つの地区首都を失った。およそ20の主要都市で連携した左翼ブロックとリーヴル(左派的立場をとる政党:訳者)が得た結果は低調で、両者が別々に立候補したときよりさらに悪かった。
大統領選の場合、世論調査は右翼の候補者ふたり(PSDのメルケス・メンデスと元海軍将官で無所属のグヴェイア・エ・メロ)およびアンドレ・ヴェンチュラの全員に、約20%という優勢さを示している。PSが支援する候補者――党の最右翼にいる人物――は、超自由主義の候補者(10%)と同等で、決選投票には残らないように見える。左翼ブロックの前世話人であるカタリナ・マルティンスは約5%でPCPとリーヴルの候補者が後に続いている。
こうしてポルトガル右翼は、政府と大統領職、および史上初めてPSや他の左翼政党を欠いても改憲を通すことができる3分の2以上の議会多数を支配し、2026年にその支配的影響力を打ち固めることも可能と考えられる。
新たな環境で自身を再考する党
左翼ブロックの大会は、後退というこのサイクルを映し出す戦闘的参加の低下があったとはいえ、一時的立ち止まりの時であり、左翼ブロックとその多元性間に出合いが生まれたときだった。14回大会では4本の政治的道議が採決に付され、動議A(被選出65人)同S(8人)、同H(4人)、同B(3人)が選出された全国ビューローに代表をもつだろう。
動議Aの場合、左翼ブロックは、「被搾取階級への忠誠とその運動を拡大する戦略、社会主義政党建設に向けた基礎としての多元主義と合流への傾注、あらゆる帝国とオリガルヒと対決する国際主義を軸として、唯一それが占めている、またそこから成長できる政治空間を立て直しながら、合流に向けた推進力にならなければならない」。
66歳の大学教授で元議員のホセ・マヌエル・プレサが、全国世話人に再度立候補はしないと決めたマリアナ・モルタグアを引き継ぐ。プレサはこの数年、尊厳死の権利を求める戦いで目立った顔になっていた。また、マルクス主義者とキリスト教徒間の意見交換イニシアチブにも参加してきた。
大会は、政治的診断に加えて、指導機関――全国ビューローと政治委員会――の刷新と若返りも実行した。それらの構成では新人が50%になる。
大会の論争はまた、党組織、定期性強化の必要、自律性と党の民主的あり方への参加、といった諸問題で目立っていた。政治的生命力を決めるものは、草の根の諸組織、戦闘的な労働者グループ、行動と考察からなる共同体の創出だ。
ポルトガル情勢に関する5つの課題
1.PSD政府、およびPSD/イニシアチヴァ・リベラル(IL、急進的新自由主義勢力)/シェーガの議会多数派は今、労働者、移民、住宅に対し社会的な猛攻を実行しようとしている。そして首相のルイス・モンテネグロは、PSをそのプロセスの基準に従わさせるという離れ業を達成し、国家予算を中道派ブロックの産物へと変えた。この事実は未知のものだ。つまりモンテネグロは、議員の95%からなる議会基盤を接合しているのだ。われわれは今、伝統的政治の分解を目撃中であり、この分解がオリガルヒによって導かれていなかったならば、悪い話ではないとも考えられる。結局中道派は今、右へと引きずり込まれつつあり、両者共シェーガの後を追っている最中だ。
2.左翼の弱さは、2015年にPS、左翼ブロック、PCP間で締結され、2019年まで効力が残った協定、ゲリンコンサの結果だ。その時期から民衆の意識に刻まれて残ったことは、実体的な進歩的成果でも、PSの予算への反対投票に関する2019年後の左翼ブロックの判断でも、絶対多数を作り上げようとしてコスタ(当時のPS首相:訳者)とマルセロ(PSD出身の現大統領:訳者)間で不正に工作された諸々の危機、でもなかった。
今も刻まれ続けているものは、2019年以後のPS政府、二流の支配者が指導したポストパンデミックの時期だった。かれらは、国家の財布を医療ケア、住宅政策、労働条件に向けた資金が不足するままにしたのだ。
左翼のイメージは、ゲリンゴンサの後ではなおのこと、2019―2022年のまずい政府と絶対多数に貼り付いたままだ。われわれにはこれをはねのける強さがなかった。そしてそれは、言葉だけでは変わらなかったと思われ、これからも変わらないだろう。
われわれが反乱を理解し、闘いの中で主導性を発揮し、ひとつの新しい指導的役割を果たすことができる時、それは変わるだろう。それがなければ、あらゆる左翼政党にとっての未来に容易いことは何もないだろう。
3.諸政党が直面する諸困難は、闘いの開始が不可能だと意味しているわけではない。イタリアの左翼は20年の間ぼろぼろになっていた。しかしそれは、パレスチナ支持で何百万人をも巻き込むゼネストを組織した。われわれはこの地で、もうひとつのゼネストの前夜、政治的空気を変えるような決定的な画期にいる。そして、ずっと厳しかった2025年の1年においてさえ、非常に重要な兆しが生まれてきた。つまり、移民労働者のこの10年で最大のデモ、リスボン郊外出身の黒人青年の登場、パレスチナ支援船団の日々におけるパレスチナ連帯の拡大、などだ。
これらの闘争の中で左翼はより強く成長し、具体的な動員を通して民衆的な論争に挑みつつ、その孤立を打ち破っている。これはまた、左翼ブロックが息を吹き込むところだ。
4.合流の必要を命じるのは、諸政党の困難ではない。今日合流を迫るのは、苦境に立ち向かうための必要だ。われわれは、ネオファシストと連携し、PSに支援された政府を抱えている。公共サービスと住宅のための、仕事のための、そして社会生活のファシズム化に反対する闘いにおいて、衝突線を見極めることが必要だ。だから、運動の政治について考えよう、活動家の参加を促進しよう、そして対話のあらゆる回路を開こう。
5.これまでに全員がすでにやることを学んできた熟慮を行おう。いくつかの欧州諸国ですでに起き続けていることと同じように、左翼は別々の選挙組織でシェーガに対立する自治体議員や国会議員を対置し、湿地が水浸しになるのに力を貸し、ネオファシストを指導的政治勢力に押し上げている。
左翼ブロックはその社会的な場をもっている。それは、その政治や綱領、世界観や党の文化に由来している。このすべては、われわれが十分わきまえているように、PCPやリーヴルのような政党からわれわれを根底的に区別している。
これらの違いは重要だが、同じく重要なのは、闘争の中で合流する、そして左翼が共通に分かち合っているものを基礎にひとつの選挙上のオルタナティブを人々に差し出す、その実体的必要だ。まさに、ルイス・モンテネグロとシェーガ、PSという彼の2つのパートナー間の権力ゲームに、民主主義が切り縮められるのを阻止するひとつの極が必要だ。(2025年12月12日、「ヴィエントスル」からIVが訳出)
▼筆者は左翼ブロックの専従指導部メンバー、かつ第4インターナショナル執行ビューローメンバー。(「インターナショナルビューポイント」2025年12月18日)。
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