ポルトガル 気候の大災害の中、民衆は極右反対に投票

ホルゲ・コスタ

 大統領選決選投票での極右対立候補のアンドレ・ヴェントゥーラ(得票率33%)を楽々破る得票率67%をもって、2月8日、アントニオ・ホセ・セグーロがポルトガル大統領に選出された。
 セグーロは2011年から2014年社会党(PS)を率いた。この年月の間PSは、閣外でトロイカの緊縮綱領の実行に協力した。セグーロはこの経歴――報道は彼を「穏健」と称してきた――にもかかわらず、右翼の首相から公式には支持されなかった。決選投票で彼は中立を保つ方を選んだ。

 着実な前進
 印した極右

 極右はヴェントゥーラの敗北にもかかわらず、今回の選挙を通じもっと強く浮上した。この党は、昨年5月の議会選挙で2番目の政党になった後の今回で、与党2党が5月に得た票数に何とか並ぶことができた。それは、これまでシェーガ党に一度も投票したことがなかった、また1回目で政府(PSD、社会民主党)とIL(イニシアティヴァ・リベラル)党の候補者を支持した有権者の票のおかげだった。
 出口調査によれば、1回目でウルトラ自由主義の候補者(得票率16%で3位)を支持した者の3人にひとりが今回はヴェントゥーラを選んだ。フランスの経験が示すように、右翼の綱領を基礎にした政府は、選挙でのネオファシズムの成長にとっては最良の培養床になっている。政策や体制に違いはあるとしても、思い起こされなければならないことは、マリーヌ・ルペンが2017年に2回目でマクロンを相手に得票率34%となり、2022年にはすでに41%に達し、2027年での過半数に挑む準備をしている、ということだ。

 極右の阻止は
 勝利と呼べず

 本質的には、今回はネオファシストの提案を拒絶する人々のある種重要な決起だ。特記されなければならないのは、この選挙が、ポルトガルが、数十人の人々の命を奪い、国の一部を洪水のままにした破壊的な嵐の下で、また必須的供給(電力、水、通信)を欠いたまま、2月以来宣言された「大惨害状態」の中にあった中で行われた、ということだ。これにもかかわらず、投票率は1回目と2回目の間で安定したままだった。
 左翼に関する限り、セグーロへの支持が政治的な誤解によってあおられることはなかった。新大統領は左翼の陣営を代表してはいないのだ。彼の政治的経歴は、社会民主主義の新自由主義への順応によって特徴づけられてきた。そして、選挙キャンペーンの中盤で政府が推し進めた労働法改定パッケージに対し彼が拒否権行使を公表した後、この候補者は、UGT労組連合(中道と連携するポルトガル労働者連合)と政府間のあり得る合意に新法の制定を委託しつつ、この問題と関係を断った。
 セグーロは「憲法陣営」といわれるものすら代表していない。PS党首として、またトロイカの下で、反憲法的な年金削減を受け容れ、問題を憲法裁判所に持ち込み、削減をひっくり返した左派議員と争った時に、彼自身が敗北した。彼はまさに、憲法の反動的な改訂に対する多数の支持者の票のために選出されたのだ。それは、議会で、またたとえば首都の地方当局者たちの中でシェーガとの合意をまとめた同じ右翼からのものだ。フランスにおけるように、すでにセグーロへの戦術的な支持を言明してきた者たちの多くは、オルタナティブがもし左翼に基づいていたならば、ヴェントゥーラに投票していたと思われる。
 セグーロの動きの記録を前提にすれば、これは政府の自由主義的改革への障害にはならないだろう。そしてその改革は、PSの曖昧さとネオファシストの時折の支持の間で進むだろう。左翼からの対応は、社会的抵抗と政治的周辺化を避ける対話から現れなければならないだろう。12月のゼネストは前進への道を示した。つまり、諸闘争を求めるより確固とした主張、議会外行動、反ファシズムの連帯におけるさらなる合流だ。(2026年2月9日)

▼筆者は左翼ブロックの専従指導部メンバーの、および第4インターナショナル執行ビューローの一員。(「インターナショナルビューポイント」2026年2月10日)

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