第1回反ファシスト・反帝国主義会議が開かれる

ブラジル・ポルトアレグレ
オープニングデモに7千人

 3月26日から29日にかけて、ブラジルのポルトアレグレで第1回人民主権のための反ファシスト・反帝国主義会議が開かれた。ポルトアレグレは、2001年に世界社会フォーラムが初めて開催された都市であり、1989年には労働者党の市長のもとで「住民参加型予算」が始まった都市でもある。この会議には世界のすべての大陸からさまざまな分野で活動する人々が結集した。会議の期間中には、主催者による比較的大規模な集会をはじめ、多くの自主的に組織されたイベントや会合が開かれ、反帝国主義と反ファシストにかかわる多くの問題が討論された。26日はポルトアレグレの旧市街で国際反ファシスト行進がおこなわれ、会議参加者をはじめ多くの活動家が結集した。第四インターナショナルは、その当初からこの会議の取り組みに参加してきた。以下に紹介するのは、会議に向けて公表され、会場でも配布された第四インターナショナルの声明である。(編集部)

第1回人民主権のための反ファシスト国際会議における第四インターナショナルの声明

以下の声明は、2月に開催された第四インター国際委員会での討議を経て、この反ファシスト国際会議に向けて公表されたものである。

全ラテンアメリカでの反ファシスト闘争の団結を!
世界的な反ファシスト・反帝国主義戦線のために!

 ドナルド・トランプ第2期政権は、極右的な政策によって、国際情勢に転換をもたらした。彼は、経済と同様に弱体化した覇権を再確立しようと必死になって、再植民地化と戦争という外交政策によって、国連憲章と諸国民の主権を蹂躙している。
 トランプは、虐殺の共犯者であるネタニヤフと一緒になって、石油・ガス市場を完全に支配するためにイランを爆撃している。これは、ガザの人々に対するジェノサイド、ベネズエラへの侵攻、キューバを締め上げようとする試み、グリーンランド併合の脅しに続くものだ。
 この暴君は、レイシズム、女性嫌悪、移民への憎悪とともに、ジェノサイドを煽る言辞、脅迫、介入主義を日常的なものにしようとしている。そして、何百万人もの労働者をアメリカから追放しようとしている。彼はボルソナロ、ミレイ、ブケレ、欧州の「愛国主義的」(つまり極右)政党を支持している。
 血塗られた権威主義は、現代の帝国主義の中核的な手段である。というのは、帝国主義は飢餓政策、生態系を破壊する技術や実践の拡散、ビッグテックの過剰な権力、あらゆる民族からの天然資源・エネルギー資源の収奪、軍事費の増大を押し付ける必要があるからだ。もしこれを打ち破らなければ、ヤンキー帝国主義は生態系破滅へとやみくもに突進していくだろう。

アメリカ、アルゼンチン、インドの人民が道を示している

 しかし、帝国主義の進撃はすでに大きな障害に直面し始めている。ミネアポリス/セントポールやあらゆる地域社会の民衆による闘争の勝利、移民への迫害に対するアメリカ国内での大衆的な抵抗運動は、極右を打ち破る道筋を示している。諸国人民による国際的な闘争とトランプ自身の縄張り(アメリカ国内)での彼の敗北とが結びついて初めて、帝国主義者の共同プロジェクトを阻止することができる。
 ミレイに立ち向かっているアルゼンチン労働者階級や、モディの政策に反対するインド農民にも同じことが言える。アルゼンチンでは、ミレイは労働改革に反対する4度目のゼネストに直面した。これは左派を柱の一つとする統一闘争の好例であり、国民の90%がこの措置に反対している。ブラジルでは、カーギル社や広大なアマゾン川流域の民営化に反対する先住民による抵抗闘争の勝利が、希望と前進を指し示している。

搾取され抑圧された人々の統一戦線!


 搾取され抑圧された人々の統一戦線が緊急に必要とされている。それは、政府や政党への従属から解放され、被抑圧者間の動員と連携を通じて新たな顔を持つファシズムに立ち向かうために、完全な独立性をもって行動できる統一戦線である。
 この「第1回人民主権のための反ファシスト国際会議」は、覇権的帝国主義に反対してここに参加している諸勢力が、アメリカ大陸を皮切りに世界中で強力な統一行動を展開する絶好の機会である。他の大陸や主要地域――アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア――においても、新たな会議や会合を開催しなければならない。この会議を、闘争に寄与すると同時に、資本の代表者たちが提示するものに代わるプログラムの構築にも寄与する国際的キャンペーンの、控えめではあるが力強い出発点としよう。
 極右は、現在のシステムやそのエリート層・政党に対する急進的なオルタナティブとして自らを提示することで勢力を拡大している。極右がそのことをデマゴギーに満ちた手段でおこなっているのは、自らが挑戦すると主張しているその体制を擁護するためだが、ここには重要な教訓がある。すなわち、抵抗勢力が成長するためには、支配的な体制の危機、その飢餓と弾圧の政策、陳腐化した制度、政党に対しても、急進的なオルタナティブでなければならないということだ。
 資本主義文明の(経済的・政治的・エコロジー的・気候的な)危機は、反ファシスト闘争を含む当面の課題と、資本主義を克服する必要性とを結びつける可能性と必要性を提起している。民衆にとって最も差し迫った課題にもとづき、生産の私的支配に疑問を投げかけ、それを労働者や地域社会の民主的支配下に置く必要性を理解させるような一連の要求が必要とされている。

資本主義「モデル」への幻想はありえない

 トランプの国家安全保障戦略によれば、「国際関係においては、最大かつ最も裕福で強力な国家が不均衡な影響力を持つという真実がある」。これは、端的に言えば、最も強力な国々による世界の分割を招くものである。
 ここに幻想が入り込む余地はない。欧州連合(EU)やその構成国も、ロシア政府や中国の政府も、アメリカ帝国主義に対するオルタナティブや防衛の壁とはなり得ない。ベネズエラ、キューバ、イランに対するアメリカの攻撃に直面した際の、そうした国々の無力な対応がそれを示している。
 中国は資本主義大国となって、自国のビジネスと、(アジアにおける)軍事的影響力および(ユーラシア、アフリカ、ラテンアメリカにおける)経済的影響力の確立により関心を持つようになっている。プーチン率いるロシアはより地域的な性格を持っており、軍事化された経済とますます権威主義的になる体制のもと、かつての帝政ロシアを再建しようとしている。旧来の勢力と新しい野心に満ちた勢力との間に緊張関係があるという状況において、左派の任務は、資本主義的プロジェクト間の対立から生じる多極化を称賛することではありえない。

世界の被抑圧人民との連帯を!

 強国による支配というトランプのいわゆる「不変の真理」に対し、われわれは三つの方向性を提起する。すなわち、すべての人民の自己決定権の防衛、あらゆる国の被搾取・被抑圧人民との連帯、そしてそれゆえにあらゆる形態の帝国主義への反対である。
 われわれは、ベネズエラに対するアメリカの侵略および同国大統領夫妻の拉致を拒否する。また、われわれはウクライナに対するロシアの侵略も拒否する。われわれは、ベネズエラ、キューバ、イラン、およびアメリカから攻撃を受けた国はどの国であっても、軍事的な手段を含め自衛し、その抵抗に必要な物質的手段をどこからでも調達する権利を認める。また、ロシア帝国主義の攻撃下にあるウクライナに対しても、同様の権利を認める。
 われわれは、アメリカおよび西ヨーロッパにおける反移民、排外主義、イスラム嫌悪の政策を糾弾し、これと闘う。また、われわれは、中国政府によるさまざまな民族やエスニック集団への弾圧に対しても、同様の立場をとる。
 われわれは、パレスチナでのジェノサイドに対する抗議行動に対する、アメリカ、イギリス、ドイツおよびその他の国々での迫害・弾圧・検閲を断固として非難する。そしてまた、ウクライナに対する侵略戦争に反対する人々に対するロシアでの弾圧と投獄をも糾弾する。
 われわれはマドゥロ政権を支持しない。マドゥロ政権の反民主的かつ反労働者的な行動を糾弾する。しかし、マドゥロ政権によるいかなる非難すべき行動も、アメリカによるベネズエラへの侵略を正当化することはできない。したがって、われわれはアメリカによるベネズエラからの撤退、およびマドゥロ大統領夫妻の釈放を要求する。
 われわれは、NATOおよび集団安全保障条約機構(CSTO)の解散を提案する。われわれはウクライナのゼレンスキー政権を支持しない。われわれは、その反労働者的で、腐敗し、反民主主義的かつ排外主義的な政策を非難する。しかし、この政権の問題のあるいかなる政策であっても、ロシアの侵攻と爆撃を正当化するものではない。したがって、われわれはウクライナ人民との連帯行動を組織する。

介入を拒否し、闘争への支持を


 ブルジョア政府は、自分たちに対する大衆的な動員が根深い社会的矛盾の結果であることを認めようとしない。一般的に言えば、ブルジョア政府はそれを内外の「工作員」の仕業だと決めつける。われわれは、このような陰謀論的な歴史観を受け入れることはできない。確かに、帝国主義とその代理人は、権威主義的な神政政治に対するイラン人民の闘争のような動きを利用しようとするが、だからといって、そうした闘争が帝国主義の工作に還元されるわけではない。われわれはそうした介入に反対し、その闘争への支持を続けなければならない。
 人民を弾圧・虐待する独裁体制を「より小さな悪」として受け入れるべきだと人民に説くことは、それを受け入れた人々を諦観と服従の助長者にしてしまう。抑圧された人民は、自分たちの最も差し迫った民主的・経済的要求を除外した反帝国主義や地政学的分析にはほとんど関心を示さないだろう。活動家がわれわれの反帝国主義を味方だと認識できるようにするのはわれわれの責任であり、そうでなければ、悲劇的なことに、彼らは自分たちを搾取しようとする帝国主義の陣営にのみ、励ましと支援を見出すことになるだろう。

労働者階級の普遍的な要求

 歴史的に見て、アメリカ帝国主義やNATO帝国主義は、自由や民主主義などの名の下に行動してきた。左翼はこうした主張に惑わされることはない。しかし、われわれは一貫していなければならない。同じことは対立する帝国主義についても当てはまる。多極化や反覇権、そして西欧民主主義やヨーロッパ中心主義という偽善的なモデルの拒絶という名の下に、いかにして労働者階級、女性、宗教的少数派、LGBTTQI+の人々の民主的権利の否定が正当化されようとしているのか、われわれは説明しなければならない。
 (ロシアや中国などにおける)権威主義的政府に合わせて作られた文化相対主義に直面して、われわれは、労働組合の権利、女性の権利、表現・集会・結社の自由、統治者の選出・解任の権利が「西側の価値観」や「リベラルなモデル」、あるいは帝国主義が押し付けようとするヨーロッパ中心主義的な思想などではなく、国際的な労働者階級の歴史的な要求であることを断言する。だからこそ、われわれは世界中のあらゆる国において、例外なくこうした権利を防衛する。
 われわれは、進歩的な政府、あるいは自らを進歩的と称する政府に対するいかなる批判や要求も、破壊的であり帝国主義に有利であるとする脅迫を拒否する。闘争を弱体化させるのは、批判や議論ではなく、それを弾圧することである。

西側の偽善と一貫した反帝国主義


 西側帝国主義がイランでの弾圧やウクライナ侵攻を非難する際の偽善は、われわれにとって馴染みのあるものだ。ガザでのジェノサイドの共犯者たちが、一体どのような道義的権威を主張できるというのか? ベネズエラ大統領を拉致したばかりの者たちに、一体どのような敬意を払うべきだろうか? しかし、西側の偽善や犯罪を糾弾することが、プーチンや習近平の政府による人権侵害に対する沈黙や、そうした人権侵害が「帝国主義の捏造」であるという考えにつながることはあってはならない。
 われわれは、西側帝国主義のダブル・スタンダードに対して、別のダブル・スタンダードで対抗するのではなく、搾取・抑圧するあらゆる者たちを拒絶することで対抗する。
 今日、われわれはこれまで以上に一貫した国際主義、つまり例外なく世界中のあらゆる国における労働者や被抑圧者の闘い、自己決定権を求める闘いを包含する国境なき連帯を実践しなければならない。これはあらゆる形態の帝国主義に反対する方針である。いかなる国の闘いも、他の国の闘いに従属するものではない。これこそが、「世界の労働者よ、団結せよ!」というスローガンにふさわしい方針である。

国境なき連帯のために!
例外なき国際主義のために!

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