米国 不正選挙
トランプ、最高裁、議員たちが画策
ダン・ラボッツ
大統領のトランプによる要求の下、最高裁の決定と州議会の票決が今、共和党の議員数を増やし、民主党のそれを減らすため、選挙区割りの地図を書き換えている。同時にこのプロセスは、黒人の82%とラティーノの61%が民主党に好意をもっていることを考えれば、黒人とラティーノの下院の代表者数をも減らすだろう。
中間選挙は通常、権力外にいる政党を利する結果になる。そしてそれはこの11月、共和党のトランプが大統領で、共和党が上下両院をも支配している以上、民主党の勝利を意味していると思われる。しかしトランプと共和党は、この選挙を不正操作し、かれらの党が勝利し下院支配を維持するようにする、と決めた。
選挙区割り変更は歴史的に、人口の変化を反映するために、10年毎の国勢調査に合わせて全州で実施されてきた。しかし今やそれは、ひとつの政党を利するための党利党略的やり方で、国勢調査の中間で行われようとしている。このプロセスは昨年7月に始まった。その時トランプは、テキサス州知事のグレッグ・アボットと共和党が支配する州議会に、州の選挙区を書き換えるよう要求したのだ。
この書き換えのプロセスによって、テキサスの共和党は下院で3議席か4議席を追加的に獲得しそうだ。テキサスに続いて、ミネソタとノースカロライナの共和党支配の州も、それらの地図を書き換え、それらの州各々で共和党の議席をひとつ追加している。そしてオハイオとユタは訴訟を理由に選挙区を書き換え、オハイオではさらに2議席、ユタではもう1議席共和党に加える結果になっている。
対抗として、最大の下院議席52を抱えるカリフォルニアは、民主党知事のギャヴィン・ニューサムの指導性の下に、選挙区書き換えを巡る全州的な住民投票に勝利した。この新たな地図により民主党は、新たに4ないし5の議席を得た。カリフォルニア同様、ヴァージニアも民主党に議席を増やしたと思われる住民投票を通過させたが、州最高裁はそれをひっくり返した。
この話の第2幕は今年4月29日に始まった。それは、ルイジアナの訴訟に関し、投票権法第二章は下院での黒人選出を保証していたため憲法に反する人種的なゲリマンダー操作を行っていた、と裁定した時だ。
この意義の重要性を認識するためには、以下のことを理解しなければならない。つまり、元黒人奴隷を解放した米国の内戦(1861―同65年のいわゆる南北戦争)がかれらを市民にし、かれらに投票権を与えた後、また1877年に終わった「急進的再建」として知られる進歩的な短期間の後、それにも関わらず奴隷制が存在してきた旧南部11州すべてでは、黒人が全体として投票権を否認された、ということだ。
1950年代と同60年代の公民権運動、巨大な抗議と紛争の一時期を経てようやく、黒人は投票権法によって投票権を勝ち取ったのだ。その法は、州全体の黒人が投票でき、その州内の人口に比例して下院に代表者をもつことができる、と保証した。
最高裁が4月にその法を無効にすると、共和党は急いでテネシーとフロリダで選挙区書き換えに動いた。一方アラバマとジョージアでも訴訟を理由に選挙区が書き換えられた。これらすべては、共和党をより多くの議席に導き、アフリカ系米国人の代表を減らすだろう。
たとえばテネシー州では、黒人が63%になるメンフィス市とシェルビー郡の選挙区は、3つの別々の選挙区に分割され、各々が郊外や田舎の白人地域に付け加えられ、こうしてふたつの黒人の、民主党の選挙区を取り除いている。
これらは民主主義と黒人米国人にとってはとてつもない敗北だ。民主党はそれでも、トランプの現在の不人気を理由に11月の中間選挙に勝利するかもしれない。しかし将来、民主党はあらゆる選挙がもっと難しくなっていると気づくだろう。いくつかの黒人組織は、すでに投票権を求める闘いを新たに始めている。(2026年5月17日)(「インターナショナルビューポイント」2026年5月19日)
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