スペイン 今年夏の山火事
抜本的政策転換が必須
アンティカピタリスタス
われわれは再び火災で悩まされる夏を前にしている。以前のどんな夏よりも早い時期に、数万ヘクタールがすでに燃え尽き、森林喪失、豊かな土壌の破壊、また何よりも命の喪失の点における破滅的な季節が予想されている。
まやかしの政争
に惑わされるな
マドリードでは、アユソ(注1)の犯罪的な政府と彼女の仲間が、レベル3の警報を強いることでこの危機を中央政府に移そうと試みてきた。ちなみにこの警報は、指揮権を内務相に強要するものだ。この策謀の目的ははっきりしている。つまり、サンチェス政府に罪をなすりつけ、即座に財源欠乏の責任をかれらになすりつけ始めることだ。
まさにしばしば起きているようにアユソは、気楽に自らことを進め、侮辱行為に乗り出し、メディア機関の殺到に対し彼の政治的なライバルを守勢に追い込もうとしている。そして右翼はそのメディアに公的資金を注ぎ込み、メディアは進歩派と思われている中央政府を指弾しようと躍起になっている。
しかしながらわれわれは、マドリードの支配階級によるレトリックのエスカレートや、実際に行動することなく気候対策に取りかかるふりを続けているサンチェス政府のわざとらしい対応、これらで左右されるわけにはいかない。その移行政策に見られる妥当性のなさをもっとも良く証明するものは、それらの行動を担当するはずの閣僚や副大統領が消えていることだ。
この問題を扱う権限は地方政府に属している。これは法的な議論の問題ではなく、事実と手段の問題だ。つまり、財源、予算、また当該地域に関する知識を持っているのは地方政府なのだ。アユソや彼女のチームはマドリード地域が今燃えている事実に責任がある。
しかしこれは、中央政府を罪から免れさせるものではない。そのグリーン進歩主義は、土地利用を含む鍵を握る諸部門を統制することが全くできていない。そして気候変動との闘いを、いつもの容疑者が勝つような操り人形ショーに変えている。不動産のまた商業的な利益が疑いなく最高であり、環境的移行と想定された政策は、電気自動車を賛美し合理的で民主的な土地利用を拒絶する、単なる化粧板に過ぎない。
やれること
はまだある
自らを騙さないようにしよう。気候変動はあまりに先まで進んでしまっている。そして山火事は今われわれの現実の一部だ。それらのいくつかは、地域の南東部を荒らしている火事や、数千ヘクタールを焼き尽くした最近の火事のように、人間の統制を超えるレベルに達した。多くのレトリックを超えて、実際の資材は、気候的破局と温度の恒常的な上昇という脈絡の中で火炎が達した火力をおさえることができない。
しかしそれでも実行できることはある。土地に対する施策の実施、建築の一時停止令の制定、観光客向け住宅で利益を得ている企業の排除や新規建設の要件見直し、土壌や森林保全の強化、そして自家用車移動の法的な削減など、実行可能な対策は残されている。森林消防士の労働条件は改善可能だ。かれらは今資金不足下に置かれ、今われわれの暮らしの一部になっている火事と闘うための安定し十分に装備された労働力を与える代わりに、かれらを不安定にするような季節労働的システムに従わされているのだ。トラグサ(注2)や他の同類企業も取り除くことができる。これらは公的資本に基づく組織でありつつも、保障と権利に基づく雇用の代わりに、不安定な労働を生み出すことに向けられている。
現在と正反対
な方向転換へ
気候の非常事態は永久的だが、現在地域を荒らしている火事への対応は、稼動と管理の使用可能なあらゆる資源を使って即時かつ大規模でなければならない。焦点は、現在の政策から正反対の方向に移らなければならない。すなわち、気候変動を軽視・矮小化する者を社会的および政治的に制裁し、環境破壊政策に責任を負う者たちを起訴することだ。
もちろん、私的に保有された土地を収用し、それに社会的な使用を与えることもあり得る。投機的な利用のためだけを待つような、また一方で火災のための素材として土地を残すような放棄を避けるためだ。経済活動の統制、収用、また集団的管理は、気候変動という差し迫った挑戦課題に対する集団的な解決策を提供し、土地の問題に真に取り組む共通政策のための処方箋だ。共有の政治的プロジェクトを推し進めるため、支配的な「常識」に対抗する対立軸を持った政治的プロジェクトに実体と力を与え、一般大衆や労働者階級を結集させる積極的な政策が必要である。
(2026年8月2日)
▼アンティカピタリスタスは、第4インターナショナルスペイン支部。
(注1)イサベル・ディアス・アユソは、マドリード自治圏大統領、かつマドリード自治圏国民党(PP)の党首。
(注2)トラグサは、州が所有するふたつの企業から構成され、その公式権能は、「地方の開発と環境に向けた基本的なサービスの供給」だ。(「インターナショナルビューポイント」2026年8月9日)
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