ウクライナの気候運動団体からの公開書簡
プーチンの戦争マシンを大きくする世界的な化石燃料中毒を終わらせよう
ロシアのプーチン政権による非道なウクライナ侵略に対し、世界中の個人・団体から強い抗議と侵略中止・即時撤退の声があげられている。本号では「attac関西」のブログに掲載されたもののいくつかを紹介する。(「かけはし」編集部)
ヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、中国、インド、日本、韓国、その他ロシアの石油とガスを輸入しているすべての国々へ。
われわれ、署名したグループ・組織は、自らの自由と自決のためだけでなく、価値ある世界のために戦っているウクライナの勇気ある人々に、もっとも強固な連帯感を抱いている。
ウラジーミル・プーチンによる指揮のもと、ロシア連邦軍がウクライナに侵攻したことは、ウクライナの主権と独立に対する明白な戦争行為であり、人権、国際法、世界平和に対する重大な違反である。この侵略は、ヨーロッパを21世紀でもっとも暗い時間に直面させ、世界に厳しい未来を突きつけている。しかし、このような時代だからこそ、われわれ全員が立ち上がり、毅然として、団結し、私たちの集団的存在を進んで脅かす勢力に対して大胆な行動を起こすことが求められている。
われわれは、われわれの政治的代表者であるあなた方に、まさにそれをおこなうよう呼びかける。必要なあらゆる非暴力的な手段を用いて、プーチンと彼の戦争マシンを止め、平和を取り戻し、このひどい殺人的侵略を終わらせよう。もうたくさんだ!
プーチン政権は、この違法な戦争における明確かつ唯一の侵略者であり、その戦争マシンによっておこなわれた残虐行為に全責任を負っている。
この戦争マシンが、ウクライナを脅かす侵略と人類の未来を脅かす気候危機の両方を推進している石炭・石油・ガス産業によって資金提供され、養われ、燃料供給されていることは同じく明らかである。
そして、世界の化石燃料中毒が、今度は、プーチンの戦争挑発の資金源となり、ウクライナだけでなくヨーロッパそのものを危険にさらしている。
プーチンは、EUに対する既存のエネルギー支配を強化し、ウクライナを支援するヨーロッパ諸国を脅すために、天然ガスを意図的に武器化している。これを止める必要がある!
われわれはあなた方に、この化石燃料中毒をきっぱりと終わらせるために、あなたがたのヨーロッパの同僚と緊急に協力することを求める。
また、ヨーロッパ以外の国々の政府にも、ロシアからの化石燃料の輸入を拒否・禁止し、すべての化石燃料からすみやかに、段階的に脱却することを求める。
ガスプロム、ロスネフチ、トランスネフチ、スルグトネフテガス、ルコオイル、ロシアンコール等とのすべての取引を停止し、投資を終わらせること。ロシア国外での当該企業の資産凍結、その他ロシアの化石燃料資産の凍結をおこなうこと。欧米企業はロシアでの化石燃料生産を止めなければならない。
プーチンの収入源をできるだけ急いで枯渇させなければならない。これには、ロシア国内の化石燃料インフラへの直接・間接投資(たとえば輸出信用保証など)に対するとりくみも含まれる。
しかし、ロシア産の化石燃料(とりわけ天然ガス)を他国の化石燃料(とりわけ天然ガス)で簡単に代替しないことが絶対に必要である。ロシア産の石油・ガスのボイコットを優先し、化石燃料の拡大を直ちに停止させ、世界各国はすべての化石燃料からの迅速かつ公正な脱却を約束しなければならない。石炭、石油、ガスへの依存は、地球規模での死、悲惨、崩壊を意図的に受け入れることである。もしわれわれが生きていける未来を手に入れたいのであれば、最終的にそれを実現することがわれわれの義務である!
異なる明日は実現可能である。
プーチンやその他の石油独裁者から解放された明日。
気候変動や戦争を引き起こす化石燃料から解放された明日。
そのような未来に向けた重要かつ緊急のステップは、ウクライナの人々への明確な支援であり、それは戦争の灰の中からウクライナをグリーン復興させるための関与も含まれるべきである。
プーチンの戦争予算に固い決意を持って立ち向かい、われわれの社会の抜本的な脱炭素化に向けた大胆なステップを踏むことによって、この切実な支援を実現するためにわれわれに支援を。ウクライナとウクライナ人には、そのような支援を期待する権利がある。われわれの共同の明るい未来には、それ以上のものは必要ない。
署名団体 略
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