スーダン トルコの介入
軍閥のための平和へ?
ポール・マーシャル
ブルハンが率いるスーダン軍(SAF)とヘメディティが率いる即応支援部隊(RSF)の間の、スーダンでの戦争は20ヵ月以上の間、数万人の死と600万人の難民を出して猛威をふるい続けてきた。トルコの調停はこの紛争にひとつの回答を与えると思われる。
提案の本質は
二政府間交渉
サウジアラビアと力を合わせた国連主導の外交努力とは異なり、トルコの調停はブルハンとアラブ首長国連邦(UAE)に狙いを定めている。ちなみにUAEは、かれらがそれを否認しているとしても、最初からRSFを強力に支援してきた。したがって、トルコの目標はふたつの事実上の政府間交渉になると思われる。この原則は、彼の正統性が認められたと理解するブルハンによって受け容れられた。UAEの場合、「アラブ首長国連邦は、スーダンにおける紛争を終わりにするためのトルコの努力、および外交的イニシアチブすべてに協力し、協調する用意が完全にできている」と宣言した。しかしながらそれは、かれらを交戦中の勢力とは見せないように注意を払うような、あからさまな方式だ。
私心は皆無
ではない…
トルコは今、外交の舞台で重要な主体になろうとしている。それは、シリアのバシャル・アルアサド倒壊では決定的な力として登場し、ソマリランドをめぐるソマリアとエチオピア間の紛争を解決する外交的合意によって名を挙げた。
さらにレセプ・エルドアンはスーダン革命時、オマル・アルバシルの以前の体制のイスラム派指導者たちを受け容れた。そしてオマル・アルバシルは、RSFに反対しSAF側に立って帰還を果たした。トルコの指導者は政治的イスラム主義の根本方針に完全に心を開いている。和平調停を導くことは、外交舞台での上昇をトルコに与えることに加えて、この国の将来の再建に向けた主要な経済的プレーヤーとして、自身を位置させるオスマン大国に向けたひとつの道でもある。
革命の諸勢力に
周辺化の危険
トルコの提案は、RSFの高まる信用失墜により可能になっている。そのRSFはその領土奪取の中で、2000年代はじめにダルフールで起きた大虐殺を偲ばせるような、前例のない残虐さを伴った民族浄化を行ったのだ。住民に敵対するそのような暴力を前に、紛争の初期に厳格な中立を固く守った諸々の武装部隊も、ほとんどの部分がSAFに加わった。もっとも新しい展開は、部隊の何人かと共にSAFに加わったアブデルワヒド・アルヌルに率いられたスーダン革命軍(SLM/A)の古参司令官の脱落だ。
トルコの仲介はむしろブルハンにとってはプラスの要素だが、それは確実に、今なお紛争地域の住民に人道援助を提供できる唯一の勢力である、そのスーダンの革命勢力には有害な作用を及ぼすだろう。諸国家間の外交的取り決めは、元の憎悪された政府の男たちを権力の座に押し戻すことによって、住民の社会的かつ民主的な諸権利にに損害を与える危険がある。(2025年1月9日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)
▼筆者はIV通信員。フランスの第4インターナショナルメンバーで、「アフリケ・アン・リュッテ」編集者。(「インターナショナルビューポイント」2025年1月15日)
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