フランス 新政権ももたないだろう

ファビエンヌ・ドレ

 クリスマスにはフランスに政府があるだろうか? これは9月の疑問だった。われわれは、クリスマスイブでも同じ問題に突き当たるとは考えなかった。
 しかしながらもっと退屈な形でそうだった。歴史は今も繰り返しているからだ。バルニエ政府が倒壊した後、われわれの前には首相としてフランソワ・バイルがいる。しかし彼は、再びマリーヌ・ルペンの善意なしには生き延びることはできない。2012年以後政府内にいたことがなかったグザヴィエ・ベルトランが挙げられた名前のひとりだという事実は、極右の国民連合(RN)にとっては真の開戦理由だ!  結果として、遅れと引き延ばしだ。再度! 指名者に関する限り、それはいつも通りのビジネスだ。海外領土相にはエマニュエル・ヴァルズ、司法省にはダルマナン、教育相にはエリザベット・ボルヌと。
 もちろんバイルは、その地位への昇進を欲した30年を考えると、おそらく彼の名前だけを基礎に統一する能力を過大評価された。彼はさらに、情勢の多くの側面を過小評価までしている。たとえば、この気候非常時の時にポー(フランス南西部)に向かうのに航空機を利用したこと、社会的かつ民主主義の非常時にマヨット(フランスの海外県で、アフリカ沖合の島)でのサイクロン被災を忘れていること、国民的服喪の日の政府発表、10年前には権限分散に支持票を投じた後の権限集中の擁護、そして彼が国民議会に20年以上選出されたことがなかったことの確認、などだ。
 彼の個性を加えて、ひとつの全体構想が進水しようとしている。国は分裂している。そして7月の選挙から出現した国民議会はこれを映し出している。原因は以下だ。つまり、マクロンが体現したブルジョアジーの構想、そして、社会的かつ環境的情勢が思考の異なった方法を求めているその時に、反社会的政策と経営者への贈り物を止めさせたくないそれらの指導者すべてだ。
 かれらは、トリクルダウンを名目に連帯を解体し誹謗した。そして、結局不平等とレイシズムの政策を擁護する要塞になったに過ぎないが、対極右の防波堤……のふりをした。
 小舟は沈みつつある。そして、かれらが種をまいてきた混沌の克服には、バイル以上の多くが必要になるだろう。リベラシオン紙の表現だが、長期休暇明けの者のこの政府は、益々RN支配下の「傀儡政府」のように見えつつある!
 12月18日に採択された特別法を軸にした挙国一致は、開明化されたとはいえブルジョア秩序が掘り崩されつつあり、ボロレ(フランスを本拠とする多国籍コングロマリットのオーナー)やマスクのような大物にこれまで以上に権力を与えている、という事実をほとんど隠していない。そしてこれらの大物は、極右およびレイシズムと不公正な社会秩序の最悪の擁護者に鞍を置く用意ができているのだ。
 バイル政府がどれほど続こうが、全員にとっての解放に向かう社会構想が日の目を見ることができるように、われわれはより強い抵抗を、そして何よりもいくつかの勝利を必要としている。(2024年12月24日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)
▼筆者はNPAの活動家。(「インターナショナルビューポイント」2024年12月28日) 

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