ベルギー 連邦政府反対でデモ

政府打倒ゼネストの行動計画を

LCR/SAP

 今年2月13日、労組共同戦線からの呼びかけに応えて10万人がブリュッセルの街頭を行進した。多数の層(その他多くの中でも、諸労組、フェミニスト、反ファシスト)が新たな連邦政府、「アリゾナ連合」(注)による総力を挙げた攻撃に反対して決起した。この連立政府は、2月はじめからベルギーの権力の座についている(連立をめぐる長期の交渉を経て:訳者)。

社会的緊張示す
際立つ行動規模


 今回の際立った行動参加の規模は、社会的緊張における本物の加速を表している。反資本主義左翼(第4インターナショナルベルギー支部)は、多くの背景(労組左派、フェミニスト、反レイシスト・反ファシスト共闘、環境活動家、その他)をもつ労働者の統一的極である「コミューン・コレル」と共に参加し行進した。このブロックは、戦闘的なスローガンを軸に数百人を結集した。
 この大決起は、1回目の力比べになり、また政府に対決して今後続く行動の実のある計画の起点を印すものにならなければならない。労組の指導者たちは3月31日のゼネストを通知している。これは力関係における決定的な1歩になるだろうが、しかしその前にわれわれは、部門から部門へと決起を続ける必要がある。
 鉄道労働者、アウディの下請け職場、また教員はすでにストライキや諸行動を公表している。そしてこれらは、もっと幅広い決起の種火なのだ。3月8日のフェミニスト・ストライキもまた、新政府の方策が特に女性に対する有害な影響を示し、フェミニストと労組の諸問題を結びつけている中で、そのようなアリゾナと対決するこの闘いの一部になるはずだ。同様に、反レイシズム国際デーである3月21日の行動は、新政府の殺人的な移民政策を糾弾するはずだ。

明確な目標の下
ゼネスト準備を


 ゼネストについて言えば、それが底辺からの幅広い民衆的な決起により支えられ、24時間の作業停止の先まで進む場合にはじめて有効となるだろう。抗議運動は、今この時から広がり続け、何よりも明確な目標、デヴェーフェル(新フラームス同盟党首で、5党連立政府首班:訳者)政府打倒、に基づいて展開されなければならない。
 われわれの権利解体ノー、アリゾナを止める統一を!
 世界は、利潤のために社会と地球を破壊し続けている極右へと傾きつつある。デヴェーフェル―ブシュ(改革運動党首:訳者)によって、ベルギーは同じ方向に向かおうとしている。違う種類の、寛大で包括的、友好的で民主的で社会的な社会を求めて闘う時だ。
 デヴェーフェル政府は、労働者とその組織の世界に対する歴史的な危険を意味している。それはEUと一体になって、 労働者階級の社会的獲得物に対する大規模な攻撃を実行する目的で、公的債務問題を操作中だ。具体的な分野としてその綱領は、失業、年金、疾病の場合における真正の社会保障の終わりを意味している。賃金物価連動は脅威下に置かれ、耐えがたい労働時間に対する保護も同様だ。これらの方策は、何十年もの緊縮の頂点に現れ、雇用主に対する労働者の位置の決定的弱体化を目的にしている。
 すべてのレベルにおいて、最も重い犠牲を払うことになるのは主に女性だ。アリゾナは気候の危険を前に、致命的な否認派の政府だ。レイシズムの毒を通してわが階級の抵抗を粉砕することに向け、亡命した労働者、移民、難民申請者に対する非人間的な抑圧がめざされている。
 労組組織化の自由、またストライキやデモの権利に対する攻撃は、われわれを沈黙させるためのこの計画の仕上げになる。「よりマシな悪」、あるいは「社会的対話」に関するかれらのたわごとはおとり以外の何ものでもない。2014年の時と同じ過ちをしないようにしよう。

一切の幻想絶ち
連邦政府打倒へ


 方向を、明晰さを目指す方向に変える必要がある。アリゾナとの間における「より良い均衡」といった幻想をきっぱり断ち切ろう。今は、労働者やかれらの社会保障を犠牲にした緊縮に、また地球の破壊に終止符を打つ時だ!
 無意味な「社会的対話」にノーを! われわれの暮らしや労働や賃金の条件に対する真に民主的な統制を求めよう!
 われわれを裏切る偽物の「政治的友人たち」は不要だ。われわれの要求はわれわれ自身で守ろう! われわれは、進みたいし進むことができ、超富裕層に実体のある危機税を導入することでそれがあるところでマネーを見つけることができる。つまり、この国の最も豊かな10%がもつ富に対する、並外れた、実質的な累進課税の導入だ。
 われわれには、政府打倒を目的にした、底辺から上へと積み上げ、最後に真のゼネストにいたるような本物の行動計画が必要だ!
 無駄にしてよい時間はない。EUは4月末までの具体的な改革を期待しているのだ! 企業や部門を横断する行動委員会を形成することで、あらゆる人々を闘争に関わらせよう!
 連帯と民主主義を基礎に置いたもうひとつの社会を防衛する、労組と社会運動の幅広い連合を!
 われわれにはアリゾナを止める上で無駄にできる時間はない!

▼LCR/SAPは第4インターナショナルベルギー支部。
(注)この名称は、米国のアリゾナ州の州旗に似た連立諸政党の色に由来する。(「インターナショナルビューポイント」2025年2月16日) 

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社