アルゼンチン 大統領のヘイト演説に怒りの大決起
反ファシスト・反レイシスト・プライド
ファブリス・トーマス
2月1日、その前の週のダボス・ファオーラムにおけるハビエル・ミレイ大統領の演説に対抗して、アルゼンチン中で巨大なデモが起きた。ミレイは。資本家世界のエリートに向けた半時間の演説で、トランプをかなり倣う形で、たとえば「覚醒主義」、ゲイカップル(かれらを彼は小児性愛と責めた)、進歩主義、左翼、また「左翼主義」に対し、彼のヘイトの一覧をくり広げた。
これに対し、国中で数十万人が立ち上がった。ミレイと彼のイデオロギーに反対するだけではなく、民主的かつ社会的な権利すべてを求めて闘う決意、また世界を覆うファシズムの波を止める決意をはっきり声に出すためだ。
フェミニストと
LGBTの人々
ブエノスアイレスでは、「反ファシスト・反レイシスト・プライド」の旗の下で数十万人がデモを行った。それは、最初はフェミニストとLGBTのグループのイニシアチブで、その後大きな数になる社会組織、文化団体、政治グループ、また諸組織の呼びかけで、その週に大学総会(ブエノスアイレスにおけるひとつには、5千人が参加した)によって招集された。この行動は、アルゼンチン中の120以上の町や市で再現された。
ミレイは、全般的に彼に好都合な政治的かつマクロ経済的な安定化を今なお利用できているが、彼の権力奪取以来住民のあらゆる層の中でくすぶり続けてきた火を再燃させることになった。
住民の広大な多数は、生活条件における深刻な劣悪化から苦しんでいる。つまり、程度は落ちつつあるとはいえ今なお高いインフレ、人員合理化、公共サービスの劣化といったことだ。しかし、昨年の1月とメーデーにおける2回の労組動員、あるいは数多くの地方的諸闘争を別にすれば、ミレイの諸政策への民衆的対抗ではこれまで、経済の要素が有力なものになることはなかった。この1年を通じて最大のデモは、社会的諸課題、独裁期の記憶、そして大学防衛に焦点が絞られてきた。
民主主義支持
の大波が出現
今回鮮明だったことは、極右イデオロギーに対する真っ向からの反対が大量のほとばしりを見せたことだ。住民のあらゆる層(主として中産階級だとはいえ)、ミレイに対するあらゆる反対形態、さらに反ミレイのあらゆる闘争形態が、特に、若者や女性やLGBTの諸々のコミュニティが姿を見せた。しかしすべては、そのあらゆる側面における民主主義を守る共通の政治的意志によって統一されていた。
この支持の大きなうねりに直面し、ミレイは初めて引き下がった。彼は、彼の言葉が誤って伝えられたなどと言明しながら、「同性愛」を尊重すると明言し、彼の司法相による諸言明とは逆に、女性殺人を厳しく処罰する法を無効にするつもりはない、とほのめかした。
運動の将来はそれ自身を維持する能力に依存するだろう。それを体現する政治的代表が不在の中で、それが頼りにできるのは、地方と大学の総会が繰り返されること、そして、「国際女性の権利デー」の3月8日および反独裁記念日の3月23日に対する準備だ。(2025年2月13日、「ランティカピタリスト」より)
▼筆者は、LCR(革命的共産主義者同盟)時代にアルゼンチンの同志たちと交流していた。(「インターナショナルビューポイント」2025年2月)
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