パレスチナ ガザ船隊

必要がある限り共に立ち上がれ

ニコ・チクス/ウィリアム・ドナウラ

 ムセム(ヨーロッパ地中海文明博物館)の足下にあるマルセイユのヴィウー港では、4月4日、ガザに向け出港する船隊の人道支援の小舟19隻を励まそうと数百人が埠頭に押し寄せた。数々の発言、スローガン、音楽、そしてパレスチナ国旗の中でのサンバスタイル打楽器演奏も。熱気と希望は明白だった。人々は、突堤の正面で通り過ぎる小舟に向かって叫んだ。

エスタックで
民衆的組織化


 希望はまた、エスタック(マルセイユの漁村)の港でも船隊の活動家に生気を吹き込んだ。急ごしらえの構築現場における数ヵ月の作業が、特にマルセイユのこの地区の住民による決起のおかげで完成に達した後、船隊は最終的に出港の準備が整ったのだ。
 リョコ号船長のネモは「われわれはすでに勝利している」、「それは、われわれが非階層的な、いわば自律的なやり方で自らを組織化できた、この場を何とか利用できた、という意味でひとつの勝利だ。だからそれは、何ごとも期待されなかったのだから民衆の勝利だ」と語り、パレスチナ人女性の闘いにちなんで小舟を「ノウア」と改名した。
 この連合はいくつかの港に接触してきたが、反応はひとつもなかった。それゆえ造船所がその住民の提案でエスタックに設立された。自己組織化のおかげで小舟の準備と集団生活がそこで機能を果たした。「われわれは、スキルの集中、切望の集中、人々にとって意味をもつ集中に基づいたひとつの共同団体の形態で活動している。そして人々はその活動に没入している」とネモは説明する。

多面的な闘い
反映する決起

 全員のこの動機はもちろん、パレスチナのためのこの2年にわたる継続的な決起に根をもっている。しかしそれはまた、あらゆる者の政治的な関与の中にも見出される。
 船隊の活動家で航海センターメンバーのティノは「それはあらゆる抑圧された人々の闘いであり、パレスチナ民衆の闘いはそれを象徴している」と語る。彼の場合船隊は「パレスチナ問題と反帝国主義の課題をめぐる陸上での決起を構成するひとつの方法でもある」。彼は、今後数年戦争の問題が中心になるだろうと考え、船隊は「戦争反対の幅広く共通の戦線」に余地を与えるだろう、と期待した。
 クロード・レオスティック(フランス・パレスチナ連帯協会)はわれわれに、ガザではジェノサイドが今も進行中であり、「この人道支援船隊は何よりもわれわれの連帯がそこなわれていないと示すため、パレスチナの人々に向けられている」と思い起こさせる。しかし彼女の場合、このイニシアチブはまた、かれらの「行為が恥知らずで無法な」われわれの指導者たちにも向けられている。彼女はこの船隊を、「方向を変える」ための市民的圧力、われわれの指導者たちによるイスラエルのジェノサイド政策と植民地政策への共謀を終わらせるためのメッセージ、と言う。
 ソリデール労組国際委員会メンバーのリンダ・セヒリは「われわれは今、われわれの職場からイスラエルとのパートナーシップに終止符を打つため圧力をかけようとしている」と語る。そして「この船隊は、われわれの戦闘的、政治的活動と労組活動の継続だ。そしてこれは始まりに過ぎない。われわれは、パレスチナの自己決定権を求めて諸団体と共に全土のいたるところで再度決起しなければならないだろう」と続ける。

ジェノサイドを前に連帯建設へ


 パレスチナ人に対する死刑に関するイスラエルの新法、およびヤダン法(一国民議会議員が提案した「新たな形態の反ユダヤ主義への対処」を目的とした法案、大規模な抗議運動を受け4月16日、審議前に提案者が撤回:訳者)が討論の中心にある今、まさしく再度の決起の差し迫った必要がある。
 西側植民地主義のいわば残酷さがあり、その中で、アージェンス・パレスチナとパレスチナ青年運動による報告が暴露したばかりのように、「2023年10月から2026年3月までで、軍事装備品の積荷が525以上フランスにより」イスラエルに「船で送られた」のだ。
 この船隊は、こうした死の流れを前に連帯の流れを体現している。それは、医療装備、種、漁船修理品を運んでいる。明らかに、船隊はそれだけで終わることはない。それは、連帯の巨大な運動構築に向けた中継点だ。これが、この船隊を構成する活動家と諸組織すべてにとっての挑戦課題だ。
 これがティノを奮起させているものだ。「この船隊は、みなさんにものごとの支配の取り戻しを可能にする行動の一手段だ。あらゆる者がそこの情勢を前に非常な無力さを感じている。われわれは、謙虚であり続けなければならない。われわれは世界の様相を変えようとしているわけではない。しかしそれは希望の方向なのだ」と。(「ランティカピタリスト」より)

▼ウィリアム・ドナウラは、NPA―Aの経済作業グループの一員。(「インターナショナルビューポイント」2026年4月11日)

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