モロッコ/声明 若者の未来の回復
包括的・社会的オルタナティブはもはや贅沢品ではなく緊急の必要
何十人という若者が海で溺死!
アル=ムナディラ(第4インターナショナルモロッコ支部)
マスメディアは7月30日、モロッコと国境を接するスペイン領セウタにモロッコからの移民が多数流入したと報じた。しかし、その背景にあるモロッコの状況や若者らによる抗議デモの存在に触れた記事はほとんどなかった。第四インターナショナルモロッコ支部のアル=ムナディラが発表した声明は、この「事件」の背後にあるモロッコ政府の政策とそれに反対する抗議運動について説明し、今後の闘いの方向性を明らかにしている。
セウタ沖での惨事について発表された暫定的な死亡者数は60人を超えており、その全員が移民を余儀なくされた犠牲者である。私たちがここで直面しているのは、砲弾が降り注ぎ銃声が鳴り響くような従来型の戦争ではなく、最も困窮した人々の命を奪い、死の淵で命を危険に晒すように若者たちを追い詰めている、一見静かでありながらその結末は血生臭い、毎日の社会的戦争である。
実際の犠牲者数は、間違いなく報告される数よりも多くなるだろう。負傷者、行方不明者、このトラウマの傷跡を一生背負って生きることになる生存者たち、さらには子どもを失って傷心する母親たちについて言えば、どのような統計も彼らの悲劇を適切に言い表すことはできず、どのような公式声明もその全貌を知らせる勇気を持ち合わせていない。
責任は未来を剥奪する政策に
根本的な問題は「こうした人々はいかにして死んだのか?」ではなく、「なぜ彼らはそもそも、このような運命へと追い詰められたのか?」である。
長年にわたって続いてきたこの社会的殺戮の責任は誰にあるのか? 海が死体を次々と打ち上げ、漁師の網が海の恵みではなく溺死者の遺体を引き揚げることに対する責任は誰にあるのか? 祖国において、何千人もの若者たちが、どんなリスクを冒してでも移民となることを、留まることよりも望ましいとみなすようになった責任は誰にあるのか?
この悲劇は、個人的な選択や単なる短期的な運営ミスの結果ではない。それはむしろ、世界的な資本と国際金融機関への依存にもとづいた経済的・政治的構造の産物である。この構造は、債務を通じて緊縮財政政策、民営化、市場自由化を強要し、従属、失業、不安定雇用を深め、公共サービスを解体している。この状況が、若者の広範な層にとって、移民することを数少ない可能な打開策の一つにしてしまっているのだ。債務とは単に予算上の数字の問題ではなく、外部からの指示に公共政策を従属させるために設計されたメカニズムであり、そこでは債務返済と投資家の利益が、労働・教育・医療・住宅・尊厳ある生活の権利よりも優先されている。
数日前、公式報告書や国際金融機関によるレポートが公表され、「経済的成果」を称え、成長と安定についての指標をまるで現在の政策が成功している証明であるかのように提示した。しかし、何百万人もの市民が失業、不安定な生活条件、絶望に直面しているというのに、一体どんな「成功」だというのか? そして、もし発展によって人々が祖国から逃げ出し、国境で死ぬのであれば、それは一体どんな種類の発展だというのだろうか?
さらに言えば、この悲劇は現在の政治体制の性格と不可分に結びついている。現政権は、政治的・財政的支援と引き換えに、国境を封鎖し移民を遮断するというヨーロッパ帝国主義の戦略における主要パートナーとして自らを位置づける選択をしてきた。市民に尊厳ある生活の権利を保障するどころか、人々の発展・自由・自由な移動の権利を守るためではなく、移民からヨーロッパを守ることを目的とした外交政策の一環として、治安・軍事機構の多くが「国境警察」として機能すべく動員されている。
海外におけるこのような治安維持の役割は、国内における抑圧的政策と手を取り合っている。政権は若者の抗議活動や社会運動を弾圧し、結社や言論の自由を制限し、ジャーナリスト、ブロガー、活動家を迫害している。Z世代やその他の運動による抗議行動に対し、要求に耳を傾けるのではなく、逮捕と裁判で対応している。若者から参加や変革の展望を奪い、その結果、多くの若者に移民を――そのリスクを負わせながら――唯一の打開策と考えさせているのだ。強制された移民と政治的抑圧は表裏一体のコインである。すなわち、人々から未来へのあらゆる権利を剥奪する政策だからである。
根本的変革つくる力関係必要
現実の姿によって、公式の数値が物語るものと人々の実際の生活との著しい対比が浮き彫りになっている。利益と富は、特権と資源を独占する少数者の手に蓄積され、大企業や投機家の利益は増大し続けている。その一方で、貧困と周縁化の輪は広がり、生活環境と労働条件は悪化し、国民の過半数が自分たちの利益にならない政策の代償を払わせられている。
だからこそ、この悲劇に対する答えは、単なる嘆き、さらなる抑圧、国境の厳密な封鎖のどこにも存在していない。その答えは、貧困や周縁化、そして強制された国外移住を生み出す政策を根本的に変革する中にこそあるのだ。私たちは、包括的なオルタナティブを[政府や資本家に]強制することのできる社会的・民衆的な力関係を確立する必要がある。このオルタナティブは、従属関係を断ち切り、不当な債務を帳消しにし、富と経済的意思決定に対する民衆主権を確立するものでなければならない。また、尊厳ある労働ときちんと生活できる収入、教育・医療・住宅・民主的自由の権利を保障するものでなければならない。私たちはまた、特権的な少数者をさらに富裕にしたり、国内資本や外国資本の利益に奉仕したりするのではなく、社会のニーズを満たす方向へと国の富を振り向ける必要がある。
貧困・搾取・従属・専制をまき散らす者は、結局は人々の抵抗と闘争という形でその報いを受けることになる。実際に、社会的不平等が拡大することはより大きな不満を生み出し、搾取の強化や自由の制限も変革への欲求を増大させる。歴史が私たちに教えているのは、経済的搾取や政治的専制と従属関係とが結びついていることに人々が気づき、自らを組織化したときに、自らの権利を確保することができ、より公正で尊厳ある未来をもたらすことができるということなのである。
われわれの提案する重要要求
グローバルな社会的・民主的オルタナティブは、後回しにされるような夢ではなく、緊急に必要なことである。それは、犠牲者が血を流し、母親たちが苦しみ、世代全体の未来が浪費されることによって突きつけられているものなのだ。このオルタナティブが遅れる一日ごとに、人間や社会の悲劇の代償は重くなり、労働者と貧困層だけがその代償を支払うことになる。
社会正義と真の自由に向けて人々が自らの進む道を描き始めるのは、その社会的な抵抗が、大きな忍耐力を備えた闘争組織の再建へとつながり、次のような重要な要求項目に取り組むことを目的とするときである。
*活動家の行動を犯罪とすることを止め、社会運動に属する全ての拘束者を釈放すること。
リフ・ヒラク住民運動[訳注:2016年に始まったモロッコ北部リフ地方での抗議運動で、指導者の多くが逮捕され長期刑を受けている]の活動家やZ世代の若者をまず釈放すること。ジャーナリスト、ブロガー、アーティスト、歌手に対するあらゆる法的訴訟手続きを中断すること。
*すべての労働者を正規雇用にし、有期雇用を悪用することを止めさせ、下請け企業や労働者派遣会社を廃止することで、民間部門におけるあらゆる形態の不安定雇用をなくすこと。
*農業・工業・商業・サービス部門を問わず、民間企業における最低賃金を5000ディルハム[約8万5千円]に引き上げる。
*次のような施策を通じて、社会サービス(特に医療と教育)を民間部門の論理に従う市場ベースのサービスへ転換することを目的としたすべての政策や施策を放棄すること。
・医療費支払いを課す政令を撤廃して、無料での医療・入院という原則を再確認すること。
・私企業が医療・教育部門を独占することを可能とする税制優遇・特権・認可を廃止すること。
*土地や水資源の強奪を終わらせること。
・鉱物資源に対する資本家大企業による独占をやめさせること。大手資本グループから資源を奪い返し、民衆がコントロールする公的企業が資源管理をしなければならない。
*価格自由化を放棄すること、とりわけ食料品・生活必需品・医薬品の価格を自由化している法律を撤回すること。周期的な価格変動から国内市場と小規模生産を守るためのメカニズムを導入すること。これには、生活必需品支援基金を維持することに加え、物価と賃金のスライド制といった労働者の購買力を守るための他のメカニズムの導入が含まれる。
*税制を抜本的に見直し、公正な体制を確立すること。現状のように税負担の大部分を労働者や勤労階級に負わせるのをやめ、最も富裕な人々(金融資本の保有者、大企業、投機家)が税控除の恩恵を受けている状況を改める。この見直しは、真に累進的な課税制度の導入にもとづかなければならない。
2026年7月31日

欧州への移住求め殺到する若者たち
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