ナイジェリア 社会的決起の爆発

反新自由主義抵抗の開始

ポール・マーシャル

 大規模ゼネストの圧力を受けて、ナイジェリア政府が交渉を迫られている。おそらくこれは、破壊的な自由主義政策を問題にすることに向かう最初の一歩だ。
 この国の歴史上最低得票のひとつで選出されてから1年後、ボラ・ティヌブは住民に対し特に暴力的な緊縮政策に乗りだした。これらの方策はその有害な結果にもかかわらず、国際金融の諸機関から賞讃された。

 自由の使徒
 驚きの正体

 経済危機の年月への対応として、ティヌブは今強硬路線をとっている。最初の方策は、燃料補助金を終わりにすることだった。結果として、石油価格は3倍になり、輸送コストをつり上げた。もうひとつの方策は、同国通貨のナイラを支えることを止めることだ。昨年ナイラは70%下落し、インフレに拍車をかけた。ほとんどすべての食糧と医薬品は、石油掘削にすべてを賭けるという連綿と続くエリートたちによる決定の結果として、輸入されている。
 インフレは35%、いくつかの製品の場合もっと上昇している。たとえば1デリカ(軽量用の鉢)の米は500ナイラの価格が普通だったのだが、今は1200ナイラになっている。貧しい人々は今わずか1日1食だ。手当支払いや食糧配布といった、最貧困層に対する社会的支援に関しては、それらは不十分なままであり、汚職のために目標の住民に必ずしも届いていない。
 外国人投資家からの資本を引きつけると想定されているような「価格付けの正しさ」政策は、成功とはかけ離れている。プロクター&ギャンブル(米国)、GSK(英国)、バイエル(ドイツ)はこの国を去りつつある。
 明らかに、求められる努力は全員に当てはまるものではない。ナイジェリア人は、同胞に今努力を尽くすことを急かしているティヌブが、大統領専用ヨットや上院議員各自用の高級車の購入を可能とする追加予算を承認した、と聞き知って驚かされた。

 無期限ゼネスト
 が政府追い込む

 この攻撃を前に、ふたつの労組組織、ナイジェリア労働者会議(NLC)と労組会議(TUC)は6月3日からの無期限ゼネストを呼びかけた。
 国は麻痺状態になり、政府を、1週間の連続的交渉を始め、ストライキ決行者全員の不処罰を請け合うよう追い込んだ。労組は話し合いの間ストライキを中止した。政府は今最低賃金を2倍化し6万ナイラ(35ドル)に引き上げると提案中だが、労組は49万4千ナイラ(300ドル)を要求している。
 この闘争は、民衆に有利に力関係をかなり改善する可能性もある。たとえば社会主義労働者同盟は次のように指摘している。つまり「この分かれ道でわれわれは、市民社会諸組織、学生、コミュニティグループ、またあらゆる進歩的勢力にもNLCとTUCを支持するよう訴える。われわれの集団的強さはわれわれの団結にあるのだから共に立ち上がろう。一体となったわれわれは、全員にとっての社会的で経済的な公正を保証する社会を建設できる」と。(2024年6月12日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)

▼筆者はIV通信員。フランスの「アフリケ・アン・リュッテ」編集者で第4インターナショナルメンバー。(「インターナショナルビューポイント」2024年6月13日)

THE YOUTH FRONT(青年戦線)

・発行編集 日本共産青年同盟「青年戦線」編集委員会
・購読料 1部400円+郵送料 
・申込先 新時代社 東京都渋谷区初台1-50-4-103 
  TEL 03-3372-9401/FAX 03-3372-9402 
 振替口座 00290─6─64430 青年戦線代と明記してください。