西サハラ 世界から無視された闘い
サハラウィ民衆の抹殺許さない
ファビアンヌ・ドレ/ファティメトゥ・モータル・アリ
国連によれば西サハラは今も「非自治領域」になっているが、1976年のスペイン植民地の終わり以来そうなっていた。その領域はモロッコによって権利を主張され、ポリサリオ戦線の西サハラに対する完全独立への主張を支持しているアルジェリアとモロッコ間の対抗の中心になっている。そしてその独立はポリサリオ戦線が50年近くの間追い求めてきた目標だ。
1991年の休戦にもかかわらず、西サハラは今もモロッコの支配下にあり、モロッコはサハラウィ民兵を抑圧している。ファビアンヌ・ドレが、フランス・サハラウィ青年協会のファティメトゥ・モータル・アリと話を交わした。
――フランス・サハラウィ青年協会の役割とは何か?
フランス内の若者としてのわれわれの役割は、われわれの主張を広げ、キャンペーンを行い、難民キャンプとモロッコ政権に占領された領域のわが同胞たちを助けることだ。フランス社会におけるサハラウィの闘争に対する気づきを高める目的でこの協会が生み出されたのは、この全体的的流れの中でだった。残念ながらフランス社会は、西サハラの不法な占領について、またそこでのフランスの役割について、十分に情報を与えられていない。
――1991年の戦闘停止以来、モロッコ、アルジェリア、さらにサハラウィ・アラブ民主共和国(SADR)間でこの問題はまだ解決されていないのか?
この主題は非常に重要だ。それが、われわれを見えなくする目的でモロッコ政権の宣伝によって頻繁に使われている議論に触れているからだ。この紛争をアルジェリアとモロッコ間の対抗に切り縮めることは、サハラウィ民衆を地図から消し去ることなのだ。
アルジェリアは兄弟国であり、われわれの闘争に対する非常に重要な支援国だ。しかし、この紛争はモロッコとアルジェリア間の対抗ではないことが理解されなければならない。問題は、モロッコによる違法な占領、占領地域内のサハラウィに対する系統的な抑圧、さらに全住民の強制的な追い立てだ。
実際、アルジェリアは地域内でただひとつの連携者ではない。マドリードの不法な諸協定の中で当初は西サハラの南部地域に対する権利を主張しようと努めたモーリタニアは、最終的に1984年、SADRを認めた。しかしそれは、SADRを支持する唯一の国ではない。リビヤもまた、カダフィ政権の下でこの地域の主要な支援国だった。
SADRは単なるおとぎ話ではなく、ひとつの現実であり、世界中の84ヵ国以上に承認された国であり、アフリカ連合の創立メンバーだ。したがって、「これらはアルジェリアから資金を提供されている分離主義者にすぎない」との議論は、全く意味をなさず、注意深く調べればそれをあなたに告げるだろう。
――西サハラは切望されている。そこには天然資源があるのか?
確かに実際そうだ。西サハラは極めて豊かな地域だ。特にそこは、世界最大の燐酸塩埋蔵を抱え、また世界2位の漁業資源も抱えている。さらに金や原油や他の資源もある。これこそが、トタルのような多くのフランス企業を含むいくつもの外国企業が、その天然資源を開発することによってこの違法な占領に力を貸し続けている理由だ。
――サハラウィ民衆の現在の状況はどういうものか?
状況は非常に複雑だ。わが人民はふたつに分断されている。ひとつの人々は、50年もの間難民キャンプで暮らし続けてきた。それは世界でもっとも居住困難な場所のひとつにあり、かれらはそこで、極端な気温と時として飲料水や食料入手の制限に直面している。一方被占領領域に暮らす人々は、モロッコ政府による毎日のような攻撃、恣意的な逮捕、息のつまるような圧迫にさらされている。
モロッコ政権が休戦を破った後、2020年11月に武装闘争が再開した。それは、グエルグエラト越境路(モーリタニアとの境界)のモロッコによる違法な使用に反対して平和的にデモをしていたサハラウィ市民にモロッコ軍が発砲した時だ。ポリサリオ戦線は現在、モロッコの占領部隊と戦争状態にあるが、これは、フランス、イスラエル、また米国に支援されたモロッコの大量の宣伝のおかげで、世界から大きく無視されている紛争だ。
――フランスには果たすべき役割はあるか? その理由は?
フランスはこの紛争で非常に重要な役割を演じている。歴史的に、アフリカが国連によって脱植民地化された時、西サハラの違法な占領とサハラウィ民衆のジェノサイドに対し、フランスはモロッコの主な支援国だった。それはまた、ポリサリオ戦線に対する60年の戦争の間兵站と資金供与によってもモロッコを支えた。
今日でもモロッコの占領に対する軍事的支援は続いている。たとえば、ディスクローズ(調査ジャーナリズムウェブサイト)による調査は、西サハラの違法な占領に関わっているフランス企業が売却した飛行機や船舶の映像を暴露し、それを示している。
▼ファビエンヌ・ドレは、NPAの活動家。(「インターナショナルビューポイント」2024年8月4日)
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