米国 大統領選キャンペーン
パレスチナ連帯の抗議とストライキの中で
ダン・ラボッツ
大統領選は激化の一方
前大統領のトランプと副大統領のカマラ・ハリスは、大接戦の中キャンペーンを続け、両者共に、抜けだそうする試みとして激戦州での大規模集会を行っている。
トランプは移民を「真正の殺人者」と呼ぶような移民敵視のレイシスト的わめき、およびハリスに対しては悪意のある侮辱を続け、今や彼女を「精神的障害者」と呼んでいる。彼は移民に、他の国の刑務所や精神病院から開放され、米国の黒人やラティーノから職を取り上げ、「われわれの血を汚し」経済を破壊したような国の侵略者として罪を着せてきた。「そして、皆さんがそれについて考えれば、精神的に障がいのある者だけがわが国にそれが起きるのを許すことができた」というのがトランプの言っていることだ。
移民問題に関しもっとも傷つきやすいハリスは、南部の国境を訪れ、民主党がこれまで提起した中ではもっとも厳しい立場をとった。ハリスは「米国は主権国家だ。そして私は、われわれにはわが国境に規則を設定しそれに効力をもたせる義務がある、と確信している」と語った。そして彼女は、もっと多くの移民判事、もっと多くの国境パトロール要員、フェンタニル(ドラッグとして利用されている合成オピオイド剤:訳者)検出用の新たな検査システム、難民制度の改革を求め、カリフォルニア州検事総長として麻薬カルテルと人身売買を訴追した彼女の実績を自讃した。
それでも彼女のアプローチはまだトランプのものより人道的だ。彼女は彼を、彼は「母親の腕からよちよち歩きの子どもを引きはがした」そして「子どもをケージに入れた」と非難した。ハリスは「われわれはわれわれの移民制度を、普通のやり方で機能し、人道的になり、わが国をもっと強くすることを確実にするように改革しなければならない」と語る。
トランプは国境の安全保障と移民改革に関するハリスの見解を「糞」と呼んだ。
ストライキと政府への抗議
大統領選キャンペーンが進むと同時に、ストライキとイスラエルに反対する抗議行動も進んでいる。
ワシントン州のボーイングでは、国際機械工・航空宇宙労働者組合のメンバー3万3千人が今もストライキを維持し、問題多発(しかし経営者の報酬はうなぎ登り:訳者)の企業からの40%賃上げを求めている。このストライキはこれまでに、この企業に10億ドルの損害を与え、労働者たちは業務放棄が9月13日に始まって以来賃金を受け取っていない。同社は回答を25%から30%に引き上げたが、依然として労働者の要求とはかけ離れている。
他方、国際港湾労働者協会(ILA)メンバーである2万5千人の東海岸港湾のドッグ労働者はより高い賃金を求め10月1日にストライキを準備している(実際にストライキに入り、10月3日、6年で62%賃上げ回答を受けストは一旦終結した:訳者)。かれらがストライキに入るならば、それは1977年以後では初めてになるだろう。
西海岸のドッグ労働者はかつて共産主義者が率いた国際海岸労働・倉庫労働組合(ILWU)に所属し、戦闘的ストライキの長い歴史をもっているが、ILAはまるで異なっている。ILAはマフィアに支配されていたが、年に50万ドル以上の俸給を取っているひとりの役員を抱えるという形で、その遺産は今も生き残っている。
ILAメンバーは現在、6年の職歴を経た後時間給39ドルを得ているが、他方西海岸のILWUメンバーは時間給を54・85ドルにしている。西海岸の港湾労働者は週40時間労働を支持しつつ、年収を11万6千ドル以上にしようとしている。対して東海岸の労働者たちの場合は8100ドルだ。ILAは77%の引き上げを求めることで始めた。米政府はストライキに介入する権限を保持している。しかしバイデンは介入のつもりはないと語った。
その間、ガザでの、そして今やレバノンでの戦争に反対する抗議行動が続いている。ニューヨークでは数千人がデモに決起、マンハッタンを貫いて行進し、国連での発言のためにやってきたベンジャミン・ネタニヤフに反対し国連前で抗議をした。
中でも「平和を求めるユダヤ人の声」および」われわれの名前ではなく」によって組織されたかれらは、「ジェノサイド支持の投票ノー」と書かれた横断幕を掲げた。雨中の集会でひとりの発言者は、「子どもの殺害を止めろ、戦争を止めろ、取引に署名せよ、人質を家に帰せ」と語り「軍事力では何も解決しない」と続けた。
携帯電話とトランシーバーの爆発を起動させるようなイスラエルのテロ、レバノンに対する激しい爆撃、そしてハッサン・ナスララの暗殺は、もっと多くの抗議に導くだろう。このすべては、イスラエルを支持し続けているハリスにとっての問題だ。(2024年9月29日)(「インターナショナルビューポイント」2024年10月1日)
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