ペルー:またも政府倒壊
政変受け数千人が街頭へ
ホセ・エスカランテ
反動ブロック
大統領職強奪
ディナ・ボルアルテ大統領(左翼中道派の前大統領が議会によって解任された後その後を引き継いだ前副大統領:訳者)の転落は、フジモリ派とその議会内の反動的な提携勢力によって、来年4月12日予定の大統領選数ヵ月前に彼女を職務から取り除くために進められた。下院議長の問題だらけのホセ・ヘリが大統領職を引き継いだ。
それらの者たちにとってこの策動の第1の目的は、汚水すべてをボルアルテになすりつけて、それら自身の超保守的連合が生み出した大きな危機との関係を洗い落とすことだった。第2の目的は、安全の欠如から苦しむ住民の途方もない不満の中の(これまですでに5千人が雇われ殺し屋によって殺害されている)、交通ストライキと歩をそろえて若者が始めた決起の進展に対するガス抜きだった。
しかしボルアルテを権力に押し上げ、次いで彼女を倒した反動連合は、先の進展を解体はできなかった。10月15日を全国闘争日にという呼びかけは強さを得た。ホセ・ヘリの暫定政府は対話の呼びかけを使って昔ながらのガス抜き方式を試み、2022年12月の日々以後最大のもののひとつへとすでに発展しつつあった社会的決起からいつものようにガスを抜こうとした。
ヘリの計画は、パタスの市長と協力して10月14日に召集された対話のテーブルを提案することだった。この市長は、闘いの旗を引き下げ、ヘリを信用する、さらに15日の行動日には参加しないと決めた。そしてそれは、千㎞以上を行進してきた数千人の抗議行動参加者には大きな失望になった。同時に新大統領は、ペルー学生連合(FEP)を代表すると主張する1グループと並んで、知事、市長、大学学長、また芸術家との一連の会合を設定した。
そのすべては、話をよく聞くという国家意志のイメージを振りまくように仕組まれた。しかし現実では、それは、社会的蒸気がボイラーを吹き飛ばさないように小さなバルブを開くという、政治的ガス抜き作戦だった。
ホセ・ヘリは、対話について話し回りつつ、クーデター熱中という過去をもつむしろもっと反動的な内閣を指名した。彼は閣議のトップに、憲法裁判所の判事、またUSMP(サン・マルティン・デ・ポレス大学、非営利の私立大学:訳者)の法学部長だった超保守派のエルネスト・アルバレス・ミランダを就けた。ヘリは、この政府は国家政策として抑圧を使う政府になるだろう、とはっきりさせた。
彼は早くも彼のソーシャルメディア・アカウント上で、決起した若者に「民主主義を襲撃したがっているならず者」また「MRTA(トゥパク・アマル革命運動、かつて存在した左翼武装ゲリラグループ:訳者)の後継者」とレッテルを貼っている。これは言葉の上の受け狙いではなく、むしろ抑圧に向けたイデオロギー的な準備、すなわち力の利用を正当化するための、抗議行動の犯罪視だ。
受動性突破し
政府と対決へ
最初はZ世代の若者グループにより推進された決起は、もっと年上の学生、教員、芸術家、労組、草の根のコミュニティ、さらにペルー左翼の諸組織を巻き込んだひとつの全国運動へと成長した。抗議行動参加者の主な要求は、ホセ・ヘリ自身と下院に向けられた。かれらは、議会内のクーデター策動マフィアの一部であり、レイプ未遂告発の対象者である新大統領の辞任を求めた。多くは現下院の解散を求めた。
抗議行動は24の行政区すべてで行われた。アレキパでのこの行進は、スペイン語同盟国際会議に対するスペイン王ペルー訪問と重なり、ある種の象徴的な光景をつくり出した。若者たちは、クーデター政権と古い植民地主義的秩序双方とぶつかったのだ。
リマでのその日は、最後に数十人の負傷者になり、32歳のラッパー、エジュアルド・ルイス・サエンス(トルブコ)の血で汚された。ルイスは、当日の諸々の催しの中心からは遠く離れたフランシア広場で射殺された。彼の殺害は民衆の怒りにさらに燃料を加えた。この若い男性の死に加えて、もうひとつの殺害があり、実弾により傷つけられた者が数百人にのぼった。殺人者処罰の要求は、集会での重要な叫びになっている。
目撃者は、発砲者は特別部隊の私服警官だった、と言明した。政府は冷笑的に応じた。ヘリは、死者を抹殺し、この悲劇を雑音に変えようともくろみ、「潜入者の小グループ」について語ったのだ。つまりエジュアルド・ルイスの血は「警察のやり過ぎ」ではなかったと。それは、ヘリと彼の下院からなるクーデター政権の抑圧的本性を確証させるものだった。
闘いの真ん中
で迎える選挙
大いにありそうにないことは、2026年の総選挙が事件なしに行われる、ということだ。労働者、学生、そして全体としてのペルーの民衆がまさに必死に求めたものが現実になりつつある。つまりひとつの社会的連合が高校生と大学生の間で形成され始め、教員、芸術家組合、居住区共闘団体、また先住民運動と並んで行進した。
その基礎の目標は、マフィアのような下院が採択した法律すべての無効化、そして警察が犯した殺人に責任がある者たちを裁判にかけ処罰することだ。それゆえ10月15日は歴史的な日であり、若者、労働者、そしてペルーの人民が恐怖と断片化によって強制された受動性を打ち壊した日だ。
しかし、すべての火花が炎になるには組織化を必要とする。この画期は非常にデリケートかつ複雑だ。われわれは、総選挙まで6ヵ月のところにいる。そしてそこには、その99%が右翼や中道右翼の43政党が参加するだろう。権力の座に今もいる連合は、第2回投票に残るのを右翼だけにしたがっている。
左翼の側にはベンセレモス連合がある、それは、ヌエボ・ペルー・ポル・エル・ブエン・ビビル(健全な暮らしのための新ペルー)とボチェス・デル・プエブロ(人民の声)の統一組織であり、人民連合、ティエラ・ベルデ(緑の大地)、パトリア・ロハ(赤い祖国)、CUTのような労組と社会運動が加わっている。それは、この領域で同じように闘う上で欠かせない。
選挙プロセスにおける統一した左翼のオルタナティブの提示はひとつの必要性だとしても、もっとも挑戦に値する任務は、若者、労働者そして民衆的な運動が、怒りを起点に体制に対決する闘いの調整に向かう大きな、統一され民主的な空間へと進むのを助けることだ。それは、官僚制やセクト主義によって乗っ取られることなく、とられるべき歩みを、次の諸行動を、また新たな憲法制定会議に向かう闘争の全国的な計画を、民主的に討論する空間だ。(2025年10月18日)
▼筆者はヌエボ・ペルー・ポル・エル・ブエン・ビビル党の一部であるスメート(第4インターナショナルとつながりのある社会主義的政治運動:訳者)の指導者。(「インターナショナルビューポイント」25年10月19日)
週刊かけはし
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社


